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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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9/11

第4話

第4話です。

食事の豊かさに慶次は驚いた様です。

今の日本の食事風景を見たら慶次は

もっと驚くでしょうね。


机の上に並べられた料理を

慶次は指を差して尋ねる。

「これは先程、言うておった

サンドイッチとか言うものだな。

この白い物は何だ?」

「それは、パンと言う物で

中に色々な具材を挟んで食べます。

肉や野菜を挟んで食べるので

お昼にはこれだけを食べる事が多いです。」

「パンとな?ほぅ、面白い触感だな。」

慶次は、躊躇せず口に運ぶ。

「マエダ様は食べ物で嫌いな物は無いのですか?」

「そうだな。

そんな贅沢は言ってられない環境だったしな。

食べられたら何でも喰う。」

「成程、それなら説明を

させてもらいながら食べましょうか?」

「よろしく頼む。

で、これは何だ?何の肉だ?」

「そちらは牛肉ですね。

牛は分かりますか?

牛肉を香草をまぶし焼いた物ですね。

香草は、ローズマリーでしょうか。」

「牛は分かるぞ。

この國では農耕で使う牛を食べるのか。

農耕には牛は使用しないのか?

ローズマリーとは何だ?

本当に見た事も聞いた事も無いものばかりだな。」


ミレーナがナプキンを持って戻ってきた。


「勿論、農耕の動物は牛が大半ですが、

食肉用にも育てています。

ローズマリーは肉の臭い消しに使うみたいです。

私はそんなに料理には詳しくないので、

料理長の話を聞いて話しています。」

ユリウスは苦笑いをしながら答えた。

それを聞いていたミレーナはクスリと笑った。


「ほぅ、臭い消しか。確かにそうだな。

シソに似ておる感じがする。

爽やかで、これは旨いな。

しかし、食べる為に牛を育てるとは、

面白いな。

食べる肉を野菜の様に育てる。

いやはや、それは驚いた。

肉は狩って手に入れる物だとばかり。」

「マエダ様の国ではそうなのですね。

魔物でも食べられる物がおりますので、

それは狩って食べるとなるのでしょが。」

「魔物とやらは食べられる生き物なのか?

猪や鹿などと同じ様な生き物という事か?」

「食べられない魔物もおりますが、

基本は食べられます。

家畜として牛、豚、鶏を育てているので、

それらを食べる事の方が多いです。」

「豚?豚とは何だ?

鶏は卵を食べる為には飼育するが。

豚は聞いた事がないな。」

慶次は驚いている。

「豚はそちらの煮た物がそうですよ。

豚肉、トマト、玉ねぎが入っています。

手で食べるのは無理ですから

このスプーンでこの様に

すくって食べてみてください。」

そう言いながら、

ユリウスはスプーンを手に取り

豚の煮物をすくって食べてみた。

「ほぅ、真っ赤な汁だな。

なるほど、スプーンとやらは

その様に使うのか。どれどれ。」

慶次も真似をしてすくって食べてみた。

「これは、何とも旨い物だな。

さっぱりしていていくらでも食べられる感じだな。

猪に似ている様な気がするが

こちらの方が食べやすい。」

慶次は嬉しそうに、もう一度すくう。

「お気に召されましたか?

それは良かったです。

他にも色々とありますので、

お好きな物をお食べください。」

「ありがたく頂戴する。

しかし、この食事の量は凄いな。

この國は本当に豊かなのだな。

俺の國では上流階級の人間は

贅沢な食事をするが、

農民などは食べる事にも日々、苦労している。」

「そうなのですね。

確かに、我が国でも、

王室の方々や貴族階級の者達は贅沢だと思いますが、

国民もそこまで貧しい訳ではありません。

国民が貧しい生活をしている事は

その国の『恥』になります。

きちんと国政を行なっていないと

他国から言われますね。」

「なるほどな。

俺の國がこの國を前にしたら、小さく見えるな。

君主に仕える武士ですら食事は質素だからな。

領地の少ない当主も同様よ。

だからこそ、領地を増やしたいと思うんだ。

こんな贅沢は宴でないと食べられない。」

慶次は食事の様子でも

この国経済力と大きさに身震いした。

(この國と戦さをしても

我が國ではこの國に勝てる気がしないな。)

珍しい食材に慶次は驚き、

そして、満足した。

(この國は俺にとって

居心地のいい場所になるだろうな。

これからが楽しみだ。)


ミレーナがナプキンを慶次に渡した。

「召喚者様、こちらで手を拭いてください。

料理はどうでしたか?

料理長が心配しておりました。」

「満足したよ。

こんな豪華な食事は産まれて初めてだ。

この國は裕福なのだな。

それと、召喚者っていうのは止めてくれないか。

自分の事のように思えん。慶次でいいぞ。」

慶次は頭を掻きながら照れくさそうに言った。

ミレーナはユリウスの顔を見た。

ユリウスはゆっくりと頷く。

「それでは、慶次様。

食事を気に入っていただいて良かったです。

料理長にその様に伝えておきます。

この国は豊でしょうか?

私にとっては日常なのですが。」

ミレーナは不思議そうに言った。

「料理はお口に合いましたか?

宴では、慶次様のお国の食べ物に

似た物を作れたらと料理長が申しておりました。

グレゴール様が料理長に

何やらお話されていましたので、

もしかしたら、出せるかもしれませんね。」

ミレーナは食べ終わった食器を

ワゴンに乗せながら話す。

「そうなのか?

それは気苦労をかけてしまったな。

俺はこの國の料理も凄く気に入ったぞ。」

ユリウスとミレーナは

顔を見合わせ満足そうに微笑んだ。


いつも読んでいただきありがとうございます。

いいねも本当にありがとうございます。

次は魔物の話をす予定です。

色々な異世界にある魔物も登場させますが、

基本的に別の名前で魔物を登場させるので、

説明文が長くなります。

それでは、次回をお楽しみにしてください。

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