第78話
第78話です。
凶暴化した魔物の鑑定を依頼します。
では、楽しんでください。
レオナが解体室のドアを開いた。
「ガリック、早急に解体してもらいたい物がある。」
「レオナ様、またですかい?
いい加減にしないとカゼハンド様に怒られますよ。」
「今回は大丈夫だよ。依頼者がマエダ様だからな。」
ガリックと呼ばれた男は顔を上げて慶次を見る。
「この方がかの有名な?」
慶次の顔をジロジロと見てニヤリと笑う。
そんなガリックを気にせずに
「前田慶次だ。よろしく頼む。
ここなら出しても大丈夫か?」
「はい、ここで出してください。」
レオナは頷く。
慶次はアイテムBOXから
フェンリルとシルフェットを取り出した。
ガリックは驚いて慶次の顔を見る。
「えっと、これをダンナが?」
「そうだ。フェンリルは凶暴化しておる。
シルフェットは分からん。
見ていた魔物の話では
シルフェットはあり得ん行動を
取っていたみたいだ。」
ガリックは慌てて
「これはスゴいモノですな。
フェンリルですか。
綺麗な身体だ。毛並みも良い。」
「ガリック、コレは凶暴化しているから
そのつもりで解体して欲しい。」
レオナが話す。ハッと我に返ってガリックは
「分かりました。
しかし、この身体が
凶暴化しているとは見えませんな。」
そこへカゼハンドが入って来た。
「マエダ様、お疲れ様でした。
話は聞きまはした。
このフェンリルが凶暴化していたと?」
「そうだな。
正確に言うと凶暴化し始めていたという感じだな。
倒す直前まで自我が残っておった。
《空蝉》の話では
最期の時は自我が残っておらなかったと。
ただ、最初は自我あったらしい。
それから、このフェンリルの子が
俺の契約獣の《風魔》だ。」
カゼハンドが《風魔》を見つめて頭を撫でる。
「可哀想な事ですね。
フェンリルはとても賢い魔物で
所謂、神獣です。
神獣にも色々と種族がありますが、
神獣といわれるものが
人を襲ったと聞いた事がありません。
まぁ、確かに名を上げようと向かってくる冒険者を
蹴散らしたと聞く事はあっても
山中を歩いていて襲われたという話は聞きません。
逆に助けられたという話はよく聞きます。」
レオナも頷く。
「そういった魔物が凶暴化して
人を襲うなど怖い話です。
冒険者は別にしても
一般の人々が今までの様に
気楽に歩けなくなったという証拠でもあります。」
レオナも
「マエダ様、シルフェットもそうですが、
このフェンリルの身体もきちんと調べて検証します。
引き続き、調査と情報収集をお願いします。」
「そうだな。
《風魔》の様な子を二度と作ってはいかんな。
今回はたまたま俺が居たから良かったが、
そうでないと子は1人では生きていけんだろう。」
ガリックが
「それは当然だ。
子供は大人がいなくなれば生きていけんものよ。
生き延びる術は親から学ぶからな。
可哀想だが、これは大切な情報だ。
フェンリルは凶暴化していると分かっている。
いつも以上に丁寧に解体しよう。
それじゃ、フェンリルとシルフェットの
解体が終わったら直ぐに連絡しよう。
俺の経験と鑑定眼持ちのマスターの目で
きちんと調べようか。
マスターはここで解体作業を見るだろ?」
「そうだな。そうしようか。
魔石も鑑定してもらわないと。
あ、そうだ。これぐらいなら影響は無いと。」
とガゼハンドが鋏を取り出す。
フェンリルの毛を少し切り
《風魔》の首に巻ける様に細工する。
「これでいつでも母親が傍に居る。」
《風魔》は嬉しそうに吠えた。
「フェンリルとシルフェットの解体は
最優先でさせていただきます。
明日にでも鑑定結果をレオナに渡します。
ゼノンもマエダ様も明日、
レオナから鑑定結果を聞いてください。
あ、それからマエダ様。
素晴らしいキノコと薬草でした。
少しだけ見させてもらいましたよ。
キノコは山奥深くに自生しているので、
この国でも高級品なのです。
これは有り難い収穫です。
薬草もかなり良い物でした。
リュネフィアに持って行きます。
エヴァンジュラなら
良い薬を作ってくれると思います。」
ガゼハンドがホクホク顔で話す。
「そうか。それなら、次も採取してこうか。」
慶次は頷きながら答えた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
商人ギルドへの鑑定依頼を終えました。
戦国時代のキノコ事情を調べると
かなりの高級品だった様です。
しかし、自生している物なので
農民達も食べていたとか。
高級品だから食べるのは禁止
とはならなかったのが
面白い事だなと。
次回は夜の街へ繰り出します。
次回を楽しみにしてください




