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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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82/117

第77話

第77話です。


間違えて76話を

そのまま投稿してしまいました。

すみません。76話から読んでいただきたく。


では、77話。

楽しんでください。

慶次達は、レオナの部屋に行く為に

階段の方へ移動する。

後ろから声をかけられた。

「マエダ様ですか?」

慶次が振り返ると

背の高い細身の男が立っていた。

「そうだが、お主は?」

「初めまして、

私はゼノン アークライトと申します。

この街で冒険者をしています。

これから一緒に行動する事もあるかと思います。

よろしくお願いします。」

「そうか、よろしく頼む。

俺はまだ新参者だからな。

分からん事も多いが故、色々と教えてくれ。」

ゼノンは笑いながら

「何を仰います。

私が遠征に出ている時のお噂は

色々と聞いておりますよ。

先程の事もこの目でしっかりと

見させていただきました。」

「そうか?

まぁ、あの程度の者ならば、簡単だからな。

お主ではそうはいかんだろ?」

ゼノンは笑って

「いえいえ、私でも無理ですよ。

本気のマエダ様には勝てないと思いますから。」

その話を聞いていたその場の冒険者達は

ギョッとした。

(え?ゼノンって、Sランクだったよな?

Sランク冒険者が無理ってなんだ?)

冒険者達は顔を見合わせ立ちすくんだ。

そして、お互いの顔を見合わせて首を振る。

慶次は

「それは買いかぶり過ぎよ。

俺はまだまだ、この國の事は分かっておらんしな。」

慶次とゼノンは階段を上がりながら話す。

「この国の事が分かっていなくとも、

強さは変わりませんよ。

実際にマエダ様は自国でもお強かったでしょう?

その実力がそのままかそれ以上で

この国に居られるのだと思いますよ。」

話をしているうちにレオナの部屋まで来た。

「ゼノン殿もレオナ殿に用が?」

「そうです。遠征の報告をと思っています。

マエダ様もですか?」

「そうだ。それなら、ちょうど良い。

俺の話を聞いてもらって判断をしてもらおうか。

ゼノン殿の話もぜひ聞きたい。」

ドアのノックした。

「どうぞ。」

と声が返って来た。

レオナが部屋で待っていた。

「マエダ様、お帰りなさいませ。

お疲れ様でした。

あら、ゼノンも一緒でしたか。

で、お二人とも魔物達が

どんな様子だったか聞かせてください。」

慶次は頷いて

「まず、俺から話そう。

今日は契約獣を2匹増やした。

フェンリルの《風魔》と

ワタリガラスの《風月》だ。」

それを聞いてゼノンが驚く。

「え?この魔物はフェンリンだったのですか?

しかも、神獣のワタリガラスまで。」

レオナが笑いながら

「これぐらいの事で

マエダ様にはもう驚かされませんよ。

で、《風魔》と《風月》は

『傾奇者』に入れられるのですよね。」

「そうだ。《風魔》の母親は俺が倒した。

シルフェットも倒して来た。」

「フェンリルが凶暴化していたのですか?

どの様な経緯が?」

「え?マスター、驚かれないのですか?

あのフェンリルですよ?」

「そうだよ。あのフェンリルだ。

本当に、凶暴化しておりましたか?」

ゼノンが息を呑む。

(え?俺がおかしいのか?

え?いや、この2人がおかしいだろ。)

「確かに凶暴化しておった。

最初の段階で、自我が残っておった様だ。

しかし、言葉を交わす事は出来なんだ。

向こうの遺した言葉は分かったがな。

それと、それを見ていた魔物の話もある。

が、しかし、これと言った革新的なものでは無い。

様子を見ていただけに過ぎぬ。

シルフェットに至っては言葉が通じんかった様だ。」

「そうですか。やはり簡単にはいきませんね。」

「まぁ、致し方あるまい。

この程度で分かれば冒険者達でも解明出来てよう。」

「そうですね。で、フェンリルの体は?」

「勿論、持って帰って来た。

あと、受け付けには薬草とキノコも渡して来た。

フェンリルとシルフェットは

アイテムBOXに入れておるが、ここで出すか?」

「いえ、ここでは狭過ぎます。

ゼノンの報告を聞いてから解体室に向かいましょう。

で、ゼノンはどうでした?

凶暴化した魔物の討伐は成功しましたか?

カインからある程度は聞きましたが、

再度、詳しく話を聞かせてください。」

「はい。マエダ様のフェンリルの話の後では

少々小物ですが、色々な魔物が凶暴化して、

軍隊になっておりした。

恐ろしい事にきちんと統制が取れておりました。

指揮をしている魔物がどれかがわかりませんが、

かなり頭のいいやつだと思います。」

「ふむ。《空蝉》どう思う?

あのフェンリルは上位種であろう?

それと言葉が通じないと言われておるのに

指揮が取れている隊などあり得んが。」

慶次は思わず口に出して話をしてしまった。

ゼノンは驚いて慶次を見る。レオナは

「《空蝉》はどう言ってますか?」

『そうだね。フェンリルを見る限りでは

それは無いと思うけど、

実際に軍隊として成り立っているのなら、

凶暴化させた本人とか?

これはあくまでも仮説だよ。』

慶次は《空蝉》の言葉を伝える。

理解できないゼノンは

「えっと、それはどういう事ですか?」

「ん?いや何。《空蝉》に頼んで

ゼノン殿の情報とこちらの情報を元に

どういう事が魔物の中で起こっているか

分析しておった。

まぁ、《空蝉》が言うのには

あくまでも仮説という事らしいがな。」

「そうですね。

仮説と言っても可能性は高いのでは?」

「えっと、《空蝉》とは誰です?」

慶次とレオナはゼノンの戸惑いに気が付いた。

「あぁ、《空蝉》は

マエダ様のサポートをしているモノだ。」

「おぉ、《空蝉》は他の者には見えなかったよな。

レオナ殿が普通に話しておるから忘れとった。

で、今回の俺の情報どうゼノン殿の情報を

聞いてレオナ殿はどう見る?」

「そうですね。

確かにもう少し情報が欲しいところではありますが、

今の情報だけで見るならば、

その話が最優候補ですね。」

「確かにな。

いかんせん、凶暴化すると自我は消えるし、

見ているモノは何が起こったか

分からん状態のようだ。

フェンリルはかろうじて自我が残っておったが、

最後には自我を無くしたと

《空蝉》が言うておった。

という事は上位種は扱いにくいのではないか?

凶暴化した魔物の強さを見なければなるまい。

弱い物ほど扱いやすいという事だろう?」

「確かにそうですね。

しかし、凶暴化した魔物は

今現在、強さに関係なく起きています。

そして、普通なら効く攻撃が効きにくかったり、

効かなかったりします。」

ゼノンも

「それは確かです。通常の戦い方をして

死んだ仲間も沢山います。

あの『艶紅の炎』が全滅しておりました。」

「『艶紅の炎』が全滅?それは確かか?」

レオナが驚いてゼノンに尋ねる。

「はい。この討伐の時に

他の冒険者に聞きました。

どうも、相手は凶暴化した

ヴォレクサルだった様です。

アイツは水の中でも陸でも問題なく動けますし、

顎の力が強いので

『艶紅の炎』でも一溜りも無かった様です。」

慶次は

「『艶紅の炎』とは?

ヴォレクサルはそこまで強い魔物だったのか?」

《空蝉》が

『『艶紅の炎』は

この帝国のAランクの冒険者のチームだね。

ヴォレクサルは水中で生活しているけど、

陸にも上がれるから倒すのはてこずるかも。

口が大きいから倒すのは大変だと思う。

皮が分厚いから魔法も効きにくいし。

でも、『艶紅の炎』でも歯が立たないのは

この帝国にとっては大問題だね。』

慶次は

「『艶紅の炎』のメンバーは《空蝉》が

強いと言うておったが、

魔法に特化したチームだったのか?」

それを聞いたゼノンは首を振る。

「確か、リーダーはリュシエラでした。

魔法剣士ですね。

ガルヴァンは大刀使いです。

フェルナードは剣士で

アニエラは魔法使いでしたね。

ヴェルナーは確か槍使いで魔法も使えます。

セフィーナはヒーラーですね。

バランスが取れたチームでしたよ。」

「そうだったな。

魔法で倒せない魔物には打撃が得意な者が倒す。

打撃で倒せない魔物には魔法でと。

あのチームが全滅とは。

情報が中々入らず、心配していたが。

凶暴化した魔物の情報が入ってこなくて

しかも、いきなりの攻撃に

戦う時にはチーム統制が崩れていたのでしょう。

やはり、凶暴化した魔物討伐は

チームの枠を超え、厳選した冒険者を

使うしかない。」

レオナはため息混じりに呟いた。

「そうか。中々、難しい問題だな。」

「そうですね。

人数的に少ないチームだと、

勝てないのかもしれませんね。

起こった事は悔やんでも仕方ありません。

とりあえず、フェンリルたちを

解体してもらいに行きましょう。

そこから何か掴めるかもしれません。」

慶次たちは冒険者ギルドを抜け

商人ギルドの解体室に着いた。


いつも読んでいただきありがとうございます。


Sランク冒険者に会いました。

この世界のあちこちで

凶暴化した魔物が

続々と現れています。

確実な情報何得られないまま

慶次達も魔物討伐に向かうかもしれませんね。


次回は凶暴化したフェンリルを

解体します。

どんな結果が得られるでしょうか?


次回を楽しみにしてください。

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