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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第69話

第69話です。


朝の鍛錬に組討を取り入れました。

字の如く

相手と組んで討ち取る。

武器に慣れていると中々出来ない事です。


では、楽しんで読んでください。

慶次はいつも通りに目を覚ます。

着替えて家を出て城へ向かう。

城の門には慶次が知らない兵士が立っていた。

「おはようございます、

マエダ様。今からですか?

あ、すみません。私は第1兵団の

カイル ヴェルナーと申します。

今後とも、よろしくお願いします。」

「おぉ、おはよう。前田慶次だ。

よろしく頼む。

今日は鍛錬後にグレゴール殿にお会いしたいが、

執務室に居られるか?」

「はい。午前中は執務室で

仕事をされていると聞いております。

グレゴール様に用事がおありですか?」

「そうだ。マルテォナの事で

ちょっと話をしようと思ってな。」

「分かりました。

では、その様にお伝えしておきます。」

「あぁ、よろしく頼む。」

慶次は修練場に向かった。

鍛錬後にはみんなが既に集まっていた。

「今日は早いではないか。

ちょうど良かった。話したい事があってな。」

ジークが

「マルテォナの事ですね?」

と尋ねた。

「そうだ。もう、聞き及んでおったのか。」

「はい。昨日の引き続きで

ソルメラの門兵からも聞きました。

ヴァルデンからも

同じ様な引き継ぎを聞いています。」

「今日、グレゴール殿に頼むつもりだが、

通行証が間に合わんと思うてな。

オズワルドが

ソルメラの兵士に話をしてくれてはおるが、

こちらでも蜻蛉の柄の鞄の子達、

マルテォナの子達だが、よろしく頼む。

しばらくはマルテォナが迎えには行くだろうが、

毎日だとマルテォナの負担が大きいからな。」

「そうですね。私達も最善を尽くします。

何かあってからでは遅いですし。

マルテォナも子供達も

安心して行き来出来る様に

ソルメラとも情報共有出来る様に

話をしているところです。」

「そうか。それは助かる。よろしく頼む。」

慶次は兵士達とアップから組討を始めた。

慶次は兵士に組討の仕方を教える。

まず、鎧を付ける。

その姿での相手との乱取りを教える。

「人との戦いだと、鎧の隙間に武器を入れたりする。

組み合って隙を見て武器を差し込む。

これが組討だな。

しかし、魔物は鎧をつけておらんだろう?

しかも、武器や魔法が効かないとなると

力でねじ伏せるしかない。

鎧という枷を付けて体力を付け

組手で相手を弱らせるしか無い。

魔物全ての生態を把握するには

冒険者がどんな戦い方をして倒したのか、

情報共有するしかあるまい。

凶暴化している魔物となると

情報量も少なかろう?

そこは冒険者ギルドと出来ておるのか?」

「全ての魔物を把握している訳ではありません。

魔物によって住む場所が違いますから。

ここまで来る魔物は基本的には弱く

初心者冒険者でも十分戦えました。

しかし、今回のエレッカロス達の出現で

その定説が大きく揺らぎました。

現状、私達が知らない魔物でも

帝国に来る場合があると。

今、ギルドと提携して情報の共有を 

図っているところです。」

「なるほど。俺の仕事が

少なからず役に立つやも知れんな。

ここにはしばらくは通うつもりであったが、

調べる範囲を広げる必要も出てきたな。

準備をせねばなるまい。

まぁ、今後の事を今は考えるのはよそう。

とりあえずはやってみるか。

武器がある場合は考えず無い状況だと考えて

好きに戦えば良い。

いつでも相手を仕留める気でやらんと

魔物には勝てまい。」

慶次はジークと組討をやっていく。

四つに組みジークが慶次を

持ち上げようとするが、ピクリとも動かない。

自分より小さい体の慶次が

何故ここまで重くなるのか、

持ち上がらないのかジークには理解出来なかった。

その瞬間、ジークの体は宙に舞う。

他の団員が驚いて、手が止まった。

(え?投げ飛ばされた?

ジークが?マエダ様じゃなくて?どうして?)

みんなは困惑の顔をしてお互いを見る。

「ジーク、腰が浮いておるぞ。重心は低く。」

慶次がジークに助言する。

床に寝そべったまま、ジークは

現状把握に躍起になっていた。慶次は笑って

「驚いたであろう?

自分より目方の少ない者に投げ飛ばされて。」

と話す。ジークは

「はい。マエダ様を簡単に 

投げ飛ばせると思っておりました。」

と汗を拭う。慶次は手を伸ばし、

ジークを立たせる。

「腰を据えると投げ飛ばされにくくなる。

これはどんな場合でも有効だ。

投げる時も相手の力を利用する。

これも大切だな。」

ジークは立ち上がり頷いた。

「そうなのですね。

これは身につけた方が良いですね。

武器に頼らず、魔物達に勝てるかもしれませんね。」

「そうだ。

魔物がどこまで戦いに慣れているのかは分からんが、

自分より軽い者に投げられると、

一瞬、困惑すると思うぞ。」

ジークも他の兵士も納得した。

慶次は朝の鍛錬を終えて

グレゴールがいる執務室に向かった


いつも読んでいただきありがとうございます。


朝の鍛錬に本格的な戦いを想定して

鍛錬を始めた慶次達。

凶暴化している魔物との戦いや

居るはずの無い場所へ出現する魔物。

少しずつ、この世界の魔物の生活が見えてきます。


次回は鍛錬を終えた慶次が

オズワルドに会いに行きます。


では、次回を楽しみにしてください。

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