第68話
第68話です。
直垂を渡して
夕食が始まります。
どんな料理でしょう?
楽しんでください。
家に戻るとカティアが笑顔で出迎えた。
「お帰りなさいませ、ケイジ様。
食事はすぐに食べられますよ。あら?ロイさん?」
「やぁ、カティア。先程はありがとう。
セレーネが喜んで色々とまた作っているよ。
実は先程渡したマエダ様の直垂だが、
ちょっと手直しをするから受け取りに来たんだ。」
カティアはミレーナに
「ミレーナ、ケイジ様の直垂を
持って来て。」
ミレーナは頷き、直垂を取りに行った。
「ケイジ様、ローディンが凄いんですよ。
ケイジ様が出かけた後に
手が空いたからって庭に花を植えてくれて。
玄関先を見ましたか?綺麗だったでしょう?」
カティアに言われて慶次は困った顔をする。
「すまん。気が付かなかった。」
オズワルドも困った顔をして
「ローディンが?そんな才能があっとは。」
と誤魔化す。ロイに至っては
「いや、私は今日、初めてここに来ましたので…。」
と口籠る。カティアはそれを聞いて
「え?皆さん。気が付かなかったのですか?
あんなに綺麗に整えてくれたのに。」
と怒った。慶次は慌てて
「本当にすまん。俺はそういう事に疎くて。
ローディンを褒めてやらんと。」
と逃げ出そうとした。カティアは
「ローディンはここに居ますよ。
今の話は全部、聞いています。」
ローディンは真っ赤になって俯いている。
オズワルドも慶次も大慌てで宥めようとする。
オズワルドが咳払いをして話す。
「ローディンがこの様な才能があるとは。
これから庭の手入れもお願いしよう。」
ローディンは少し笑って
「オズワルド様。俺はここの生活が楽しいです。」
それを聞いてオズワルドは嬉しそうに言った。
「そうか。ここに連れて来て正解だったな。
人が怖いと聞いた時に散々悩みました。
この家でもローディンが
ここの人達を怖いと思ってしまったらと。」
ローディンは少し悲しそうに俯く。慶次は
「まぁ、オズワルドの屋敷よりは
人も少ないだろうから、
慣れるのに時間が必要無かっただけの事。
そこまで気にする必要は無い。
ローディンが嫌だと思った事を
オズワルドに言えば問題あるまい。
聞いた俺らが気を付ければ良いだけの事よ。」
ローディンは嬉しそうに頷いた。
そこにミレーナが直垂を
持って戻って来た。
「ロイさん、お待たせいたしました。」
「では、お預かり致します。
明日には他の物と一緒に持って来ます。」
「手間をかけさせてすまんが、よろしく頼む。」
ロイは直垂を預かり
慶次の家を出た。
カティアが
「遅くなりましたが、夕食を食べましょう。
温め直して来ますね。ミレーナ、手伝って。」
ミレーナとカティアは台所に向かった。
当然の様にローディンも手伝いに行く。
それを見てオズワルドは
「あの子は、ドラグレイヴ王国から
私の母が連れて来た子なのです。
しかし、実はドラグレイヴの国民ではありません。」
「ほぅ?何処の王国の民か分かっておるのか?」
慶次はオズワルドに尋ねる。オズワルドは首を振る。
「確かな確証がありません。
姿はグラネイド王国の国民に似ています。
しかし、魔法の保有量は少なく、
グラネイドの国民と考えるのも
早計ではと母が言っておりました。
グラネイド王国の人達は
他の王国の人との婚姻はしませんし、
ローディン自身も幼すぎて
親の記憶が無いのです。
グラネイド王国の男性は成人すれば、
戦いに参加しなければなりません。
幸いにも母には『番』が居ませんでしたので、
ローディンを連れてこの帝国に来たのです。
そこで父に出会いました。
ローディンもこの帝国の国民として
受け入れてもらいここでの生活が始まったのです。」
「では、ローディンはオズワルドよりも年上か?」
「そこが不思議な事ですが、
年齢は100歳ぐらい上でしょうか。
しかし、体の成長が私達よりもかなり遅いのです。
私が成人した時、ローディンはまだ子供でした。
成人したのが去年です。
気が付けば私の方がかなりの
年上みたいになっております。
この世界に私達の知らない国が
あるのかも知れませんね。」
オズワルドはしみじみと話す。
慶次はまだ聞きたい事があったが、
カティア達がリビングに戻って来た。
カティアがメインのお皿を
ミレーナはサラダの皿を
ローディンはスープの皿を持っている。
「お待たせ致しました。食べましょう。
今日はこの帝国の料理です。
マルテォナさんが、味付けは
シルヴディアの物にしたと仰っていました。
どんな味になっているのか楽しみです。」
カティア達が椅子に座り、
全員が揃って食事が始まった。
慶次はテーブルの上の料理に目を奪われる。
見た事もない料理が並んでいた。カティアが
「ステーキはソースを2種類、
用意しましたと聞きました。
ガーリックの醤油ソースと
大根おろし醤油ソースです。
大根おろし醤油の方はお酢が入っていて
さっぱりしてますとの事です。
スープはえんどう豆と玉ねぎと卵のスープです。
これも味は醤油です。
サラダは牛蒡と人参と胡瓜の
味噌マヨネーズ和えです。」
オズワルドも慶次も一口食べて目を見張る。
「この肉は旨いな。何の肉だ?
スープ物サラダも少し俺の國の味がするな。」
オズワルドは
「肉は牛ですね。
しかし、マエダ様の国の味は
大変素晴らしいですね。
こちらの国の味にすごく馴染んで美味しいですね。
新しい味はやはり、
口に合わない事が多いのですが、
この醤油や味噌という味は私の口にも合いますね。」
ローディンも目を輝かせて
「これは美味しいです。毎日これでも良いですね。」
と嬉しそうに話す。
それを聞いたみんなが笑う。慶次は
「これが牛の味か。
中々、旨いな。鹿も猪も旨いと思うたが、
それ以上だな。」
と満足そうに話す。
「マルテォナは料理上手ですね。
グレゴール様はやはり優秀ですね。
こんな素晴らしい料理人を見つけ出すとは。
これからの食事が楽しみです。」
オズワルドが話す。みんなが一斉に頷いた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
美味しそうな料理で
作ってみようかと思ってしまいました。
卵のお澄ましは私は実は
大好きです。作るのも好きです。
卵を入れて火が通った卵が
表面に浮かび上がり固まるのって
見ているだけで美味しそうとなります。
牛蒡サラダも美味しいですよね。
マヨネーズの中で色とりどりの野菜が
シャキシャキして
マヨネーズが野菜の青臭さを
消してくれていますよね。
次回はいつもの鍛錬をしに行きます、
次回をお楽しみにしてください。




