第66話
第66話です。
無事にマルテォナ達の鞄が出来上がりました。
これから慶次の家は賑やかになる感じです。
では、楽しんで読んでください。
「良い品物が手に入った。
オズワルド、このままマルテォナの家に
持って行くのは迷惑か?」
突然の話にオズワルド話に驚いたが、微笑んで
「そうしましょう。マルテォナも喜びますよ。」
「ロイ、すまんが、マルテォナの家に
この鞄を届けたい。ロイはどうする?」
「私も一緒に参りましょう。
使い方を子供達に教えましょう。
この国の子供達は殆ど、鞄を使いませんので。
家族の方々は別ですが。
この国の子供達は
みんな手にお弁当などを持って学校へ行くのです。」
「そうなのだな。では、一緒に行こうか。」
慶次達はソルメラの住宅街に向かった。
「ソルメラの街はプランタンシアの隣が
フェアリノーヴァなど貴族の女性が
行きやすい通りがあり、
その隣が正門のある大通りです。
その隣の通りが住宅街になります。
ここで働いている者や冒険者の家などがあります。
それから、オータネルに畑を持つ者が
住んでいる通りがありますね。」
「なるほど、街中の治安的にはどうなんだ?
大通りの治安は良くしていく様に
色々と手を尽くしておるだろうが、
一筋違うだけでかなり雰囲気が変わるであろう。
家のある通りは安全なのか?」
「そうですね。
やはり、大通りに近い場所は治安が
良いとは言えません。
マルテォナの家も大通りに近いので
夜は危険と言えますね。」
ロイも続ける。
「住宅地なので殆ど他の国の者は入って来ません。
しかし、絶対ではないのです。
私も店から帰る時は絶対に
セレーネと一緒に帰りますから。
女性の一人歩きはやはり危険が伴います。」
「中々、難しい問題よな。
毎日、送ってやれれば心配は無いが、
そういう訳にもいくまい。」
「そうですね。
双方の負担が大きくなるのは最善策とは言えません。
「起こってからでは遅いが、
今出来る最善の策を考えねばならんな。」
オズワルドとロイは頷いた。
しばらく歩くとマルテォナの家に着いた。
オズワルドはドアをノックする。
中から女の子の声がする。
「は〜い。どなたですか〜?」
マルテォナの声がする。
「危ないから開けちゃ駄目。」
「は〜い。分かってるもん。」
ドアが少しだけ開く。
「どちら様ですか?」
マルテォナの声だった。オズワルドが
「マルテォナ、夜分に申し訳ない。
オズワルドだ。少し良いか?」
ドアが開いてマルテォナが驚いた顔で
「オズワルド様?どうしたのですか?
え?マエダ様まで?え?ロイも?えっと…。」
「マルテォナ、すまんな。これを渡したくてな。」
慶次はヴァルデォオルで買った物を手渡した。
マルテォナは目を丸くして
「これは…。」
「俺の目印を入れておいた。
これで家まで無事に帰れると思うが、
何かあればすぐに俺に言うてくれ。
何かあってからでは遅いからな。」
「はい。分かりました。
色々とありがとうございます。」
マルテォナは涙ぐみながら話す。
「あら、嫌だやわ。
私ったら、どうぞお入りください。
子供達を紹介します。」
マルテォナは涙を拭い
「リゼット、シレフィア、
ちょっとこっちへ来てちょうだい。」
子供達の足音がパタパタと聞こえる。
「ママ、どうしたの?」
2人がリビングに入って来た。
「リゼット、シレフィア、きちんとご挨拶して。
オズワルド様とマエダ様よ。
そして、ロイは知っているかしら?」
ロイは
「こんばんは。私はよく知っているよ。
君達の斜め向かいが私の家だからね。」
「こんばんは。リゼットです。」
「こんばんは。シレフィアです。
この人達どうしたの?
パパ、帰って来た?
斜め向かいはセレーネお姉ちゃんの家よ。」
マルテォナは困った顔をして
「違うのよ。パパが
帰ってから来たのではなくて、
この方はママの働いている家のご主人様よ。
オズワルド様はその家の執事様なのよ。
ロイはセレーネの叔父さんなのよ。」
リゼットは恥ずかしそうに
マルテォナの後ろに隠れる。
シレフィアは嬉しそうに
「オズワルド様?マエダ様?こんばんは。
ロイ叔父さんはセレーネお姉ちゃんの叔父さん?
えっと、鞄?ありがとうございます。
これで学校に行くの?」
慶次は微笑んで、シレフィアの頭を撫でながら
「そうだ。
明日から俺の家でマルテォナと一緒に
夕食を食べてマルテォナと
ここに帰れば良い。
明日から学校から俺の家に帰ってくれば良い。」
シレフィアとリゼットの顔がパッと明るくなり、
「ほんと?嬉しい。ママと一緒に居られるのね。」
と飛び跳ねる。それを見たリゼットもおずおずと
「貴方の家に帰っても大丈夫ですか?
えっと、何処に家がありますか?」
と聞く。慶次は
「プランタンシアだ。
明日にはお主達が入れる様に話しておく。」
と言った。一瞬、リゼットの顔が曇った。慶次は
「大丈夫だ。誰もお主達を門で止めたりせん。」
と諭す。リゼットは少し安心した顔をした。
マルテォナは
「マエダ様、本当にありがとうございます。」
慶次は
「しばらくはマルテォナが迎えに行ってやると良い。
兵団全員に話が伝われば、
子供達だけで入れる様になるのではないか?」
と話す。オズワルドも
「そうですね。
最初は兵士に顔を覚えてもらう必要がある。
数日経てば子供達だけで通れる様に
なると思うから安心しなさい。
通行証の発行はこちらで手配する。
マルテォナは何も心配いらない。」
と話す。マルテォナは涙を流して頭を下げた。
「本当にありがとうございます。
本当にいい所で働かせてもらっていると…。」
泣くマルテォナを子供達が不安そうに見る。
慶次は微笑み
「これからはもう、大丈夫だ。」
と話す。子供達は嬉しそうにマルテォナを見る。
ロイは子供達にリュックの使い方を教えてやる。
子供達はリュックを背負い、
シレフィアは嬉しそうにクルクル回っている。
「この蜻蛉、綺麗ね。真っ赤〜。」
リゼットはリュックを抱きしめた。
「マエダ様、ありがとう。」
リゼットも
「ありがとうございます。
でも、学校でみんなに
ジロジロ見られそうで恥ずかしい。」
と俯く。慶次は
「お主達をリュックを見て
他の子達もリュックが欲しいと
言うのではないか?ロイ、注文が増えるぞ。」
とニヤリと笑う。ロイも
「それは大変嬉しいですね。
リゼット達には宣伝をしてもらいますよ。」
と笑う。シレフィアは
「そうね。
私がロイ叔父さんのお店でもらったって話すわ。」
ロイが慌てて
「そこは買ってもらったと言って欲しいな。」
と話す。慶次は笑って
「そうだな。物を手に入れるにはお金は必要だ。」
と話す。オズワルドが
「では、マエダ様。時間も時間ですから、
帰りましょう。」
「おぉ、そうだな。マルテォナ、
明日からは少し負担が増えるが、
夕食の支度はこれで楽になろう?
では、明日からもよろしく頼む。」
マルテォナは頭を下げて
「はい。何から何まで
本当にありがとうございます。
では、明日の朝食は楽しみにしてください。」
と話す。慶次達はマルテォナの家を出て
プランタンシアへの門に歩いて行った。
いつも読んでいただきありがとうございます。
無事に鞄をマルテォナに届けられました。
ソルメラの街の構造を少し
分かる様に出来たのでホッとしています。
治安の維持は国の役目ですが、
目が行き届かない場所は
治安が良いと言われる街にでも
やはりありますよね。
次回はようやく夕食を食べます。
では、次回を楽しみにしてください。




