第2話
慶次の冒険者としての一歩が動き始めました。
知らない事ばかりのこの国で
慶次は冒険者として生活はどんな風に
なるのでしょうか?
「さて、マエダ様、
とりあえず、私の執務室に行きましょう。
国々の事や成り立ちは
この時間からでは中途半端になるので。
そうですね。マエダ様は
何かお知りになりたいものはありますか?」
グレゴールは慶次の前を歩きながら聞いた。
「そうだな。魔法とやらの事が知りたいが、
ヴェイル殿は魔法を見せるには
この部屋の中は狭いと言っておったのでな。
ヴェイル殿自身が日常的に使う魔法しか
使えないと言うておったが
部屋では使えない日常的な魔法とはなんだ?
日常というと生活に使うと思うのだが。」
グレゴールは少し考えてから
「そうですね。本人では無いので
本当の意味は分かりませんが、
マエダ様が使われるのがという事では
ないでしょうか?」
「ほぅ。」
慶次は不思議そうに頷く。
「マエダ様は、魔法を今までに
使った事はありませんよね?
そうした者が使おうとすると
魔法が暴走し制御出来なくなる場合があるのです。
マエダ様の魔法特性も
まだ分かっておりませんから、
使用するのは危険という事だと。」
「なるほどな。
魔法というものは扱いが難しいのか。」
「そういう事だと思います。
実は私は魔力が少なく日常魔法も使えないので。
魔法での暴走や制御には
分からない事が多いのが事実ですが。
なので、マエダ様は、
適性を調べ、魔法をきちんと学ぶ事が大切です。
ただ、この国には魔法を得意とする者が少なく、
冒険者登録をしている魔法使いや魔導士に
教えを乞う事になるでしょうね。」
「興味深い話であったが、使えないなら致し方ない。
楽しみは後に取っておこう。」
慶次はニヤリと笑った。
グレゴールはヴェイル同様に驚いた。
(本来なら、知らない事を知らない事には
不安でしかないもの。
このお方は本当に
過酷な世界で生きてこられたのだな。)
グレゴールはドアを開けながら
「マエダ様、私の執務室はここです。
とりあえずは、そうですね。
魔物の話を少しだけお話ししましょうか?」
「おぉ、魔物という生き物だな。
俺が冒険者とやらになれば
そいつらを狩るという事だな?」
「そうです。今日は時間的にも
表面上の簡単な事をお教えします。
冒険者になられた時には
魔物の姿形やその魔物から採れる素材も
覚えていただかなければなりません。」
「素材とは?」
「様々ありますが、
マエダ様が分かりやすい物で言えば、
毛皮、肉、骨などでしょうか。」
「おぉ、鹿や熊と一緒か。」
「そうですね。鹿などに比べれば
もっと色々と採れる魔物もおりますので、
それは覚えていただく必要があります。
最初は、倒した魔物を
そのまま持って帰っていただく事をお勧めします。」
「なるほど。まずは魔物の種類という事だな。」
「そうですね。最初は経験豊富な冒険者と
一緒に行動していただく事になります。
そこでの戦闘で色々と学んでいただく方が
覚えやすいのではないかと思います。
勿論、手配はこちらがしますので、
マエダ様は安心してくだされば。」
部屋の中には1人の男が書類を読んでいた。
「あぁ、そうだ。マエダ様、この男が明日から
この国の事などを教える、ユリウスです。
ユリウス、こちらに来てくれ。
マエダ様を紹介しよう。」
ユリウスは持っていた書類を
机の上に置きこちらに歩いてきた。
「マエダ様、初めまして。
私はユリウス ヴァイスベルクと申します。
明日から、よろしくお願いします。」
ユリウスは手を差し出した。
慶次も手を差し出し、
教えられた通りにその手を握った。
「俺は前田慶次と申す。
明日からよろしく頼む。
この國の事、あとは魔物の事だったか?」
握られた手をユリウスはしっかりと握り返し
「これから短期間で
覚えていただく事が沢山あります。
期間が短いので、大変かと思いますが、
お互いに頑張りましょう。」
慶次は握られた手の温かさに
気持ちが柔らかくなった。
知らない事が次から次へと
当たり前の様に出てくるので、
慶次自身も気が付かないうちに
疲弊していたようだだった。
「握手であったか。この行為はホッとするな。」
慶次が独り言の様に呟いた。
グレゴールとユリウスは微笑みながら
「では、マエダ様、一旦椅子に座りましょう。」
と言った。
ユリウスが慶次が座るのを待ってから
グレゴールに向かって話す。
「ところで、グレゴール様、
昼食はどうされたのですか?まさか、また。」
ユリウスが顔をしかめる。
「い、いや、ほら。
マエダ様の召喚の儀があったではないか。」
「言い訳はいいのです。
しかも、マエダ様にも同じ様に
昼食を差し上げていませんよね?」
「い、いや、だから。
俺が要らないと言ったわけではなくてだな。
そ、そう。流れ的にだな。」
ユリウスは大きなため息をつき、
慶次に頭を下げた。
「マエダ様、本当に申し訳ありません。
この方は食事を摂るという概念が全くないのです。
マエダ様はお腹は空いておられますか?」
「い、いや、だからユリウス。」
ユリウスはグレゴールを睨み口に指を当てる。
「私はマエダ様にお伺いしているんです。
グレゴール様ではありません。」
一連のやり取りを見て慶次は大笑いした。
「この國は不思議な國だな。
グレゴール殿の方が立場は上であろう?
それなのに…。」
グレゴールは顔を赤らめた。
「部下の方が偉い場合もありますよ。」
と額の汗を拭う。
ユリウスが嫌そうな顔をして話す。
「マエダ様、誤解なさらないでください。
私はグレゴール様の為を思って
心を鬼にしているのです。」
ユリウスはブレスレットを1回軽く叩き
「ユリウスです。
簡単でいいので昼食を3人分、
執務室までお願いします。
召喚者であるマエダ様もおられます。」
「おぉ、それは面白い使い方だな。
ヴェイル殿が持っていた物と同じ様に見えるが。
声がどこかに届くのかね?」
「これですか?そうです。
こちらの声を届ける事しか出来ませんが、
先ほどの様に用事を頼むのに使います。
しばらくするとメイドが食事を持ってきてくれます。
昼食を食べた後に魔物でしたか?
その話を簡単にしましょう。
明日からはかなり厳しい授業になりますよ。」
ユリウスは満面の笑みで話した。
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まだまだ、謎は謎のままですが、
少しずつ冒険者 慶次の誕生の日が近いていきます。
この国の生活は慶次にとって
どんな生活になるのでしょうか。




