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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第64話

第64話です。


朝食の食材を買って家に戻りました。

夕食をどんな献立にしようかなと

まるで主婦の様に

考えています。


では、楽しんでください。

《松風》を馬屋に入れて

マルテォナの所へ向かった。

「今、帰った。頼まれていた物だ。

これで良いか?」

とマルティナに手渡す。

「マエダ様、お帰りなさいませ。

夕食は出来ておりますよ。」

とマルテォナが言う。

「そうか。それでは、食堂に行くか。

この材料を見ると、

明日の朝食(あさげ)が楽しみだな。

そう言えば、マルテォナは通いと言うておったが、

子供がおるのか?

ここで一緒にという訳にはいかんのだろ?」

マルテォナは驚いた様に慶次を見たが、

少し微笑んで

「えぇ、子供が2人おります。

主人は冒険者をしておりましたが、

去年から帰ってきません。

死んだという話も聞いていませんので、

あの家で待っているのです。

住み込みとなると、

子供達も連れてという事にもなりますし、

主人が帰ってきた時にと考えると

あの家を出れないのが現状です。」

「なるほどな。

しかし、家はこの街にあるのだろう?

今の家からここに引っ越ししたとて、

分かるのではないのか?」

「いいえ、私達は貴族では無いので、

自宅はソルメラにあります。」

慶次は暫く考えて

「そうか。では、こうしよう。

マリエルがここで仕事をしておるという事は

子供達は昼間は何処かに居るのであろう?

そこからここへ帰ってくれば良い。

ここの夕食(ゆうげ)を作って

マルテォナの家でも夕食(ゆうげ)を

作るのであろう?

それはそれで大変ではないか?

それなら、ここで食べれば良いと思うが。

子供達がプランタンシアに入れる様に

グレゴール殿に話をして来よう。

夕食(ゆうげ)は子供達も

ここで食べて帰れば良い。」

マルテォナは嬉しそうに

「マエダ様、ありがとうございます。

昼間は学校へ行っています。

急な事なので今日はこのまま帰ります。

子供達はもう家で待ってるはずです。

マエダ様、明日から本当に

子供達を連れて来てもよろしいですか?」

慶次は頷く。

「当然だ。明日、鍛錬が終わった後にでも

グレゴール殿と話をして来よう。

朝の鍛錬の時に兵団のみんなには話をしておく。

マルテォナが門まで迎えに行けば、

入れる様にしておこう。」

「ありがとうございます。

帰ったら子供達にそう話します。」

マルテォナは頭を下げて慶次の家を後にした。

慶次はリビングに入った。

オズワルドが慶次の帰りを待っていた。

「オズワルド、変わった事は無かったか?」

「マエダ様、お帰りなさいませ。

はい。何もありませんでした。

マエダ様は明日から城の外での

活動を始められるのですか?」

「そのつもりではあるが、

色々と寄る所も出来たからな。

まぁ、夜には帰れると思うぞ。

あぁ、それから。

明日からマルテォナの子供達も

夕食(ゆうげ)を一緒に食べる。

その様に手配してくれ。」

「分かりました。

マルテォナの家の事をお聞きなったのですね。」

「そうだ。いや、ここの夕食(ゆうげ)を

作って帰り、家でも自分達の夕食(ゆうげ)を

作ると言うのでな、

住み込みにしたらどうだと聞いてみたら

夫を待っておると言うし、

子供達も居るから無理だと言うから、

ここで夕食(ゆうげ)を一緒に食べてから

家に帰る様に話した。

しかし、軽率であったか?

良く良く考えたらソルメラの街は

夜は危険ではないか?」

「そうですね。確かに、危険ではありますが、

マエダ様の縁の者と分かれば

誰も手を出しませんよ。」

「そうか。俺の身内と分かれば良いのだな。

何か考えよう。一目で分かる物。」

慶次はしばらく考えて

「蜻蛉か。」

「蜻蛉ですか?」

「そうだ。《松風》の鞍や鐙に描いてもらった。

俺も近々、その柄を身に付ける。

これ以外にあるまい。」

「なるほど、それはよろしいと思います。」

「どの様な物が良い?

マルティナが持つ物か子供達が持つ物か。」

「そうですね。鞄か帽子か。

簡単に身につけられる物の方がよろしいのでは?

そして邪魔にならない物がよろしいかと。」

「そうだな。それなら、鞄が良いか。

みんなの目に留まりやすいな。

マルテォナにも子供達にも贈ろう。」

「それは良いですね。

それでは、ヴァルデォオルには伝えて参ります。」

「今からか?今からみんなで

夕食(ゆうげ)にしようと思っておったのに。

いや、俺も行くか。ちょっと頼みたい物がある。」

「そうですか?では、一緒に行きましょうか。」

オズワルドはカティアを呼んだ。

「カティア、今から私とマエダ様で少し出かける。

帰ったらすぐに夕食が食べられる様に

しておいてください。」

「はい、分かりました。

では、行ってらっしゃいませ。」

カティアはミレーナを呼んで

一緒に夕食の準備に取りかかった。


いつも読んでいただきありがとうございます。


夕食の様子を書こうと思ったのに

慶次が勝手に外出しました。


貴族の住むプランタンシアと

平民の様ソルメラは

大きい門で隔たれています。


生活的には帝国民全員が

豊かに生活していますが、

安全はその大きな門で

分けられています。


この世界の貴族とは平民の差はここにあります。


次回は今度こそ夕食の様子を。


では、次回を楽しみにしてください。

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