第55話
第55話です。
凶暴化した魔物の情報
帝国の生活の安定
慶次は
色々と考えさせられています。
では、楽しんで読んでください。
その時、ドアのノックする音が鳴った。
ロザリンドは
「どうぞ。」
と声をかける。
ドアが開いてレオナが入ってきた。
「マエダ様、まだこちらに居られましたか。」
「うむ。スライムの話をしておった。
それから、今までの凶暴化した魔物の
話を聞いておった。」
「そうでしたか。
そのスライムの魔石を持って来たのです。」
レオナが魔石をテーブルに置いた。
赤い魔石は赤黒く光って見える。
「また、光っておるのか?
いや、そうではないか。」
妖しい光の様に見えるが、
魔石自体は光っていない。
「多分、部屋の明かりなどで
光が反射しているだけだと思います。」
レオナが話す。
「なるほど。で、鑑定士としてはどう見る?」
慶次はエルミーネに尋ねる。
「少し待ってください。
見た目はスライムの魔石の様にも見えますが…。」
エルミーネは魔石を手に取りルーペで見ていく。
「本来、スライムの魔石は赤くありません。
しかし、魔石自体はスライムの魔石ですね。
これは何故でしょう。
以前、鑑定した凶暴化した
魔物の魔石は普通の魔物と
何ら変わりませんでした。素材も同じです。
他の物と全く変わらなかったのですが。
このスライムの魔石だけがこの様な変化を。」
ガリックが
「しかし、内蔵などの色が
変わっていた事もあったからな。
魔石の色が変わっているという
可能性もあるだろう?
まぁ、今ここで決めつける事は良くないと思うが。」
「そうだな。俺はまだこのスライムにしか
会うてはいない。比べる対象が無いからな。
何とも言えないが、
異質な物である事は戦って感じたな。
そう言えば、凶暴化した魔物は
海から来るのが多いと聞いたが、
俺はネヴァリスに住んだ方が良くないか?」
慶次の提案にレオンが首を振る。
「確かにあの街での
凶暴化魔物の出現はここよりも高いですが、
マエダ様があの街に重点をおかれると
こちらの情報収集が無理になりますので。
それと、陛下の要望に瞬時に
対応していただく事も困難になります。
転移魔法があるのですが、
簡単に使用出来ないのが現状です。
この間、マエダ様の歓迎の宴で
使用していますから、
次に使用できるのは1ヶ月後になると思います。
第4兵団長は向こうには馬で帰っています。」
「なるほど、中々不便な事だな。」
慶次は頷く。
「致し方ありません。
それにあの街の魔物討伐は
基本的に冒険者は関与しません。
兵団が請け負っています。
その為に陛下はあの兵団の人数を増加し
兵力強化をされました。
情報も直接、陛下の耳に入ります。
ですから、私達の掴んだ情報と
あの街の情報を陛下自身が収集する事で
凶暴化魔物の情報が正しく陛下の耳に入り、
その情報を元に私達ギルドと
ネヴァリスへの指示が
正しく出してもらえているという感じでしょか。」
レオナが話す。
「なるほど、
この國の統制はアシュレイン殿の
手腕という事だな。」
「そうですね。
陛下はこの帝国民の安全を
第一に考えておられますので。
ですから、それに反する考えの者は
この帝国には住めません。」
「なるほどな。
だからこそ、あんな些細な事と思える事でも
迅速に手を打ち平穏を保たれているという事か。」
慶次は己の身に
起こった出来事へのアシュレインの
素早い対応に納得した。
「その通りです。
不安材料は小さいうちに
詰む事がとても大切です。
冒険者のいざこざはその対象にならないのが
我々ギルドとしては
頭の痛いところではありますが。」
レオナが苦笑いした。慶次も笑って
「それは致し方ないな。
あの者達はこの帝国に
住んでいる者以外もおるだろう。
それも、冒険者で絶対権力も持つ者が
統制すれば問題あるまい。
上位ランクの冒険者に
統制を任せれば良いのではないか?」
「そうしたいのは山々ですが、
上位ランクの冒険者はこの帝国に
居ない事が多いのです。
あッ…。マエダ様、
しばらくその役目を担っていただけませんか?」
慶次は突然の要望に驚く。
「いや、俺には向いておらん。
俺自身が好きに生きておる故に。」
しどろもどろになりながら話す。
レオナが笑いながら
「そこまで身構えていただかなくて
大丈夫です。
マエダ様が居るというだけで
ある程度の統制は保たれるはずです。
あの戦いを見た者ならば
マエダ様の前では大人しくなると思います。」
と話す。慶次は
「居るだけで良いのならばやってみるか。」
呟く様に話す。
「言うておくが、俺は人の手本にはならんぞ。」
力強く言うと、レオナが大笑いし、
ロザリンド達も大笑いした。
慶次はバツの悪そうな顔している。
その空気を変える様に慶次は言う。
「おぉ、そうだ。ロザリンド殿。
先程のエレッカロスの皮は
俺にくれないか?
あの皮で《松風》の鞍下と
俺の使う物を
バークナーに作ってもらうつもりだ。」
ロザリンドは頷いた。
「分かりました。
その様に手配します。
エルミーネ、その様に手配してと
受け付けで手続きを。」
「分かりました。その様に伝えます。」
話を終え慶次はあれよあれよと
上手く言いくるめられたなと思いながら
ギルドを後にした。
いつも読んでいただきありがとうございます。
魔物の話や帝国の話が色々と話し合い
良い方に向かっていると思っています。
これから全てが安心して生活できる様に
慶次を中心に成り立つ様にと思ってます。
次回は城はもどります。
では次回を楽しみにしてください




