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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第50話

第50話です。


ようやく、城の外の世界です。

魔物が居る世界にようやく足を踏み入れます。

魔物が出てきます。

どんな魔物が出てくるのか。


楽しんで読んでください。

門には女性が立っていた。

カインが声をかける。

「ディアナ、変わりはないか?」

ディアナと呼ばれた女性がこちらを見る。

「カイン、今日は遅いのね。

あら?この方が召喚者の方?」

「そうだ。召喚者のマエダケイジ様だ。」

「前田慶次と申す。

これから外に出る時はよろしく頼む。」

慶次はディアナに頭を下げる。

慌ててディアナも

「あ、はい。よろしくお願いします。」

と頭を下げた。

「では、行くか。」

慶次達は外へと出た。

広がる草原とはるか遠くに山が見える。

慶次がいた戦国時代の風景に似ていた。

広がる世界に慶次は感動している。

『殿?大丈夫ですか?』

《松風》が心配そうに尋ねる。

『ん?大丈夫だ。俺の國を思い出した。

外の世界は俺の國の如く。』

カインが

「マエダ様、余り離れないで歩いて行きますね。

《空蝉》を作動すれば、

地図で自分の位置が確認できますよ。

試してみてください。」

「ん?《空蝉》か?試してみる。」

慶次は《空蝉》を作動してみた。

『慶次、ここからどうするの?

魔物はここにいるよ。』

画面が地図に変わり、

地図上に赤い点が見えた。

『これが魔物か?』

『そう。赤い点が魔物がいるところ。』

「カイン、俺たちの周りに魔物が居るぞ。

確認できるか?」

カインが驚いて尋ねる。

「え?そうなのですか?」

「そうらしい。

あそこの木の陰と向こうの草むらの中だな。」

慶次が《空蝉》の地図の赤い点の場所を

指差し答える。

カインは驚く。

(俺、何も感じてないけどな。危機感、緩んでる?)

「とりあえず、

どんな魔物が知らんが、

行ってみるか。」

「ですね。とりあえずは行ってみましょう。」

慶次達は《空蝉》が示した場所まで足を進めた。

カインが急に

「マエダ様、何かいます。気をつけてください。」

と身構えた。《空蝉》が慶次に言う。

『慶次、ここら辺にアロマティカスがある。

それを摘んで燻して。』

「カイン、アロマティカスって草があるらしい。

それを探す。」

「え?アロマティカス?」

慶次は《空蝉》に

『アロマティカスの場所は?』

と聞くと

『ここら辺に沢山あるから。』

と地図を表示する。

地図の示した場所から慶次は

アロマティカスを摘み、

「フレイム」

と呟く。小さな炎はアロマティカスを燻していく。

煙が草原に向かって漂う。

いきなり、スライムが飛び出て来た。

スライムは人がいるのにびっくりして固まった。

カインはその様子に驚いた。

「え?マエダ様、

なぜスライムが出て来たのですか?」

「いや、何。《空蝉》が

そうしろと言うものだからな。

こいつがスライムか。これは捕獲対象だな?」

「そうなんですが、

ここまでの数は見た事が無いですよ。

しかも、全種類のスライムが

居るかもしれません。

え?ちょっと待ってください。

そんな事、今まで無かったのに。」

カインは驚いて叫んだ。

その声を聞いてスライム達はビクッと身を固める。

が、アロマティカスの香りに抗えない。

フラフラと煙の方へ寄って行く。

そこへ《松風》が立った。

スライム達はじっと《松風》を見て

その内の1匹が《松風》の前に来て

何やら話し出した様に見える。

『殿。この者達が何やら訴えておりますが、

如何されますか?』

『ん?何か言うておるのか?』

「カイン、スライム達が《松風》に

何やら話しかけている様だがどうする?」

「え?どうするってどうしましょう?」

『殿。この者達、

僕達は悪いスライムじゃ無いよ。

と。』

「ほぅ、悪いスライムではないと。

カイン、どうする?

悪いモノでは無いのなら討伐の必要はあるまい?

全てのスライムを捕獲するか?」

《松風》は慶次の言葉をスライム達に話している。

スライム達が踊り出した。

「え?スライムが?踊る?」

《空蝉》が

『慶次。スライムを倒しているの?』

『そうらしい。

下水処理する個体だけを捕獲して

後のスライムは討伐対象らしいな。』

『それはスライムの生態を知らないからだよ。

スライムって浄化だけが出来る事じゃないもん。』

『と言うと?』

『ポーションも作れるよ。あの子達。』

「カイン、スライムはポーションが作れるのか?」

「え?いいえ。ポーションの素材ですね。」

「《空蝉》がスライムはポーションが作れると

言うておるぞ。」

「えぇ?ちょっとそれは…。」

『殿。スライムも同じ事を言っております。』

「本人達もそう言っておるらしい。

では、《松風》スライム達に

どうして欲しいか聞いてくれ。

討伐対象で無くなるという事は、

今までの認識を

改めなければならないのではないか?」

カインは混乱したまま答える。

「そうです。

《松風》は今スライムと話をしていると。

《松風》、スライム達は何を話しているんだ?」

《松風》は首を傾げる。その様子を見て

「《松風》スライムは

どうして欲しいと言うておる?」

《松風》はスライム達に慶次の言葉を伝える。

「あ、俺も《松風》普通に

話せると思っていましたよ。

混乱し過ぎて忘れてました。」

カインは照れくさそうに笑った。

慶次はそれを聞いて笑ってしまった。

「まぁ、混乱はするわな。

俺も心で話す事と普通に話す事の

区別がついておらんな。」

《松風》がスライムに色々と話をしている。

《空蝉》が

『スライムは生きていると数の制限はあるけど、

無限にポーション作れるよ。』

と慶次に言う。

「なるほど、という事は使役獣という事か?」

『うーん。どうかな?

誰と契約するかにもよらないかな?』

「カイン、このスライムと

誰が契約するかで変わってくるらしいぞ。」

「え?契約ですか?

スライムとですか?誰が適任でしょう?」

《松風》がスライムと話を終えて慶次の側に来た。

慶次は《松風》の鼻を撫でながら

「どんな話をした?」

と聞く。《松風》は

『はい。スライムは普段は

集団で暮らしています。

それぞれが色々な役割を持っています。

そして助け合って生きています。

しかし、いつも倒されて居なくなる。

捕まえられて居なくなる。

数が減るから困ると。』

と話す。慶次はしばらく考えて

『では、どうすれば良いと?』

《松風》に尋ねる。

《松風》はスライムに慶次に聞かれた事を

スライムに伝える。

スライムは《松風》に必死に訴える。

『殿。

とりあえずはこのスライムを

連れて帰ってはどうでしょう?

契約はその時に考えた方が良いかと。』

『なるほど、街に住む誰かと

契約を結ぶかスライムが決めると?』

『そうですね。

その方がスムーズに事が進みそうです。』

「カイン、スライム達を

城へ連れて帰って問題ないか?」

「それは大丈夫です。

いつも、捕獲して持って帰っていますから。」

「《松風》、スライム達を連れて帰ろう。」

慶次達はスライム達を連れて城へ帰る準備を始めた。


いつも読んでいただきありがとうございます。


定番魔物のスライムを登場させました。

もう少し色とりどりで出そうと

思っていたのですが、

そやは大変かと最低限に抑えました。


最初に登場したスライムが

形態を変えて浄化する魔物として

定番で登場する様になりましたよね。


私的にはちょっと不思議な感覚です。

が、スライムは

『僕は悪いスライムじゃないよ。』

という事なので

人との共存する魔物として

登場させました。


次回も魔物と遭遇します。


では、次回を楽しみにしてください。


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