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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第44話

第44話です。


《松風》の馬具を頼みます。

どんな物が出来上がるか楽しみですね。

戦国時代の馬具を調べてみました。


華麗ですよね。

この姿で戦さに立っていたと考えると

武士の鎧もそうですが、

目立って当然って感じですね。


では、楽しんで読んでください。


慶次はゼフィールエンポリウムに寄る前に

昨日の酒と今朝の米の事を思い出し、

フェリアノーヴに向かった。

「女将、居るか?

おっと、《松風》はここは入れんな。

《松風》大人しくここで待っていろ。」

『殿、分かりました。』

店の中に入るとマリエルが

漬物樽に手を入れてかき混ぜているところだった。

「あら、マエダ様。いらっしゃいませ。

今日はどうされました?」

手を拭きながらマリエルが立ち上がった。

「うむ。昨日の米は俺の國の米だった。

酒も旨かった。それを伝えにな。」

「本当ですか?それは良かった。」

「あれを使えばなれ鮨も作れる。

あれは酒に合うんだ。」

「なれ鮨ですか?

すみません、私は知らない物ですね。

そうですね。

作り方を教えて貰えますか?

作ってみますね。」

《空蝉》が作動し

『なれ鮨の作り方は

下処理で鯖や鮒の内蔵を取り

塩で数週間かけて魚の水分を抜く。

塩漬けした魚を軽く陰干しをして

煮たご飯を冷まして塩と麹を入れる。

そこに魚を入れ、重しをかけて

数ヶ月から1年漬ける。って。』

「おぉ。中々、手間がかかるぞ。

女将、《空蝉》の話では、

鯖や鮒の内蔵を取り塩漬けにして数週間。

それを軽く陰干しして、

煮たご飯を冷まして塩と麹を入れた所へ

魚を入れ重しをして数ヶ月から1年漬けるらしい。」

「《空蝉》?」

「あぁ、俺のサポートをしてくれる者だ。」

「そうなんですね。

時間はかかるでしょうが、

やる価値はありそうですね。

とりあえず、教えていただいた通りに

やってみますね。出来上がりが楽しみです。」

「あぁ、俺も楽しみにしている。

では、邪魔したな。

あ、俺は明日から自分の家で生活をする。

カティア達が買い物すると思うからよろしくな。」

「あら。そうなのですね。

分かりました。

カティア達にもよろしくお伝えください。」

慶次はフェリアノーヴを出て

ゼフィールエンポリウムに向かおうとした。

店を出ると《松風》の周りに

人集りが出来ていた。

『あぁ、殿。私はどうすれば…。』

《松風》が泣きそうになっていた。

『おぉ、これは。

お前が素晴らしすぎてみんなが見ておるな。』

笑いながら慶次は人々に

「《松風》が困っておるから、

少し離れてやってくれないか。」

と話しかける。

その声に町の人々は

「あ、昨日の強い人。」

と子供達が慶次の方へ駆け寄る。

「あぁ、マエダ様の馬でしたか。

すみません、あまりにも綺麗で。」 

と大人達が《松風》から離れた。

「綺麗であろう?

これから街に出る時は

一緒に歩くからよろしくな。」

と慶次が話す。

子供達は

「分かった。《松風》、ごめんね。」

と謝る。

大人達は今度は慶次に群がる。

あまりの勢いに子供達は慶次から離れた。

「一昨日も昨日もスッキリしましたよ。

本当にありがとうございます。」

と慶次に握手を求める。

それを見ていた人達も集まり、

あっという間に慶次は街の人達に囲まれてしまった。

慶次は笑いながら1人1人と丁寧に握手をする。

その時、

「コラコラ。マエダ様が動けないだろう。

ほら、離れて。」

と声がした。

慌てて人々が慶次から離れる。

見るとカインが立っていた。

「カインか。遅れてすまんな。

ゼフィールエンポリウムに

寄ってからと思うておった。」

「マエダ様、大丈夫ですよ。

私も今からギルドへ向かう途中でした。

ゼフィールエンポリウムに行かれるのですか?」

「そうだ。《松風》の馬具を頼もうと思ってな。」

「この馬がマエダ様の馬ですか。

これは素晴らしい。

アンヴァルですね。大人しく賢そうだ。」

「そうだな。

俺の言う事をよく聞いてくれて助かる。」

慶次は《松風》の首をポンポンと叩いて

「では、行こうか。」

と話しかけた。

《松風》は嬉しそうに横に並ぶ。

「マエダ様、もしかしてですが、話せますか?」

とカインは驚いて聞く。

「ん?あぁ。話せるよ。

魔物だからな。契約獣は話せるだろう?」

「え?いや、話せませんよ。

え?上位種だからか?

いや、聞いた事無いですよ。」

「そうなのか?あぁ、そう言えば、

ヴェルダーも言うておったな。

普通は話せんのか。」

「そうですね。俺は聞いた事が無いです。」

「なるほどな。

まぁ、俺の《松風》は話せるという事だ。」

慶次はニヤリと笑って

ゼフィールエンポリウムの前に着いた。

店に入り、

「バークナーは居るか?」

と声をかけた。

「あ、マエダ様。いらっしゃいませ。今日は、…。」

《松風》を見て息を飲む。

「こいつがマエダ様の馬ですか?」

「そうだ。

昨日、アシュレイン殿から貰ってな。《松風》だ。

今日は《松風》の馬具を頼みに来た。

こんな感じで。」

と懐から紙を取り出してロイに見せる。

「ふむ。これはまた荘厳な。

マエダ様は俺の職人魂を揺さぶるのがお上手だ。

これは他の物を後回しにして

早速取り掛かります。材料は皮と糸ですね。」

「そうだな。下鞍の毛皮は

俺が最初に狩った魔物の皮を使いたい。

俺にも同じ物で腰に負ける様な物を頼むつもりだ。

下鞍で使った残りは俺に渡して欲しい。

まぁ、これは魔物を狩ってからだがな。」

「分かりました。

とりあえず、最低限の馬具は

今すぐ取り掛かります。

出来上がれば城へ持って行けば良いですか?」

「いや、冒険者ギルドへ持って来てくれるか?

持って来てくれるまでは魔法の鍛錬をしている。」

「分かりました。

あ、それから膠が手に入りしたよ。

家具屋に聞いたら使っているとの事で。

家具屋は私の弟なんですよ。

家具と家を作っております。

また、何か必要なら頼んでみてください。

俺が言うのもなんだが、腕は確かですぜ。

煤は手に入りましたか?」

「今日、部屋に持って来てもらうつもりだ。

これで墨が出来るな。後は硯と筆か。

弟の店とな?

家で必要な調度品はそこに頼むか。」

「硯は岩でしたよね。

それなら直ぐに出来ますよ。筆は動物の毛ですか?」

「そうだな。どの動物までかは…。」

《空蝉》が作動する。

『筆は竹と馬の毛で出来てるよ。』

「《空蝉》が竹と馬の毛でと言うておる。

手に入るか?」

「それなら大丈夫です。

では、私は早速、馬具を。

気合いを入れて作りますよ。」

ロイはいそいそと店の奥に姿を消す。

「マエダ様、いらっしゃいませ。

ウチの人、マエダ様の注文を作るのが

本当に楽しいらしくて。

最近は作業場に篭りきりですよ。」

ミアが笑って話す。

「ミア、無理をさせて済まないな。よろしく頼む。」

「大丈夫ですよ。

楽しくて仕方ないのでしょう。

笑いながら作ってますから。」

ミアは笑って答える。

「では、よろしく頼む。

金は明日にでも届けさせる。」

慶次はカインと《松風》は

店を出てギルドに向かった。


いつも読んでいただきありがとうございます。


いよいよ、無事に馬具も出来そうです。

格好良い物を作ってもらおうと思っています。


海外の馬の馬具は

人の鎧と同じ様に重厚ですよね。

日本の馬具は綺麗で格好良いイメージがあります。

傾奇者の馬らしく

着飾って貰おうかなと。


次回はギルドでの魔法の練習です。

どんな練習になるでしょう?


では、次回をお楽しみしてください。

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