第43話
第43話です。
松風のです馬具をどうしようかなと
書きながら色々と考えています。
色々、調べると松風は存在しなかったと
利家の所有の馬だったとか
野生馬を主人と認めさせたとか
諸説ある様ですね。
でも、松風は存在していました。
という事で
楽しんで読んでください。
馬舎に着くと馬舎の前に
《松風》とローデリクが待っていた。
《松風》は慶次を見つけると嬉しそうに跳ねる。
「こらこら、あまり暴れると
連れて行って貰えなくなるぞ。」
ローデリクが《松風》を宥める。
《松風》はしゅんとして大人しくなる。
慶次は可愛くて笑ってしまった。頭を撫で
「《松風》偉いな。
今日はお前の馬具を買いに行こう。
明日には一緒に住める様になるからな。」
と諭す。
「家が決まられましたか?」
「そうだ。グレゴール殿が手配してくれてな。
明日には入れる様だ。
馬屋も家の中にあるから《松風》も安心だ。」
「それは良い物件に出会われましたな。」
「そうだな。
この國のみんなには本当に感謝しておるよ。
今日は1日、《松風》を
連れて行っても大丈夫か?」
「勿論ですとも。
《松風》はマエダ様の馬ですから。」
《松風》は嬉しそうに慶次の横に並ぶ。
「感謝する。夕刻には連れてくる。」
慶次は《松風》と城の外に出た。
『殿。明日からずっと一緒ですか?』
『ん?そうだ。
先程も言うたが、家の中に馬屋があるから
《松風》、お前も寂しくないぞ。』
それを聞いて《松風》は嬉しそうに跳ねる。
まるで踊っている様な様子に見えた。
慶次は首をポンポンと叩いた。
門に近づくとセリーヌが立っていた。
「あ、マエダ様。
今から冒険者ギルドですか?
あら、この馬は?」
「おぉ。そうだ。
あぁ、昨日アシュレイン殿から
頂いた馬で《松風》だ。
明日から一緒に住む。
俺が出歩く時は必ず一緒だ。」
「そうなのですね。分かりました。」
門の向こう側にはヴェルダーが立っていた。
「あ、マエダ様。
おはようございます。今からですか?」
「ヴェルダー殿か。おはよう。
いや、今からゼフィールエンポリウムに寄って
《松風》の馬具を頼んでから行こうと思ってな。」
「あぁ、なるほど。
良い物が出来れば良いですね。」
「そうだな。では、夕刻には戻る。」
「はい。行ってらっしゃい。」
慶次はゼフィールエンポリウムに寄る前に
昨日の酒と今朝の米の事を思い出し、
フェリアノーヴに向かった。
「女将、居るか?
おっと、《松風》はここは入れんな。
《松風》大人しくここで待っていろ。」
『殿、分かりました。』
店の中に入るとマリエルが
漬物樽に手を入れてかき混ぜているところだった。
「あら、マエダ様。
いらっしゃいませ。今日はどうされました?」
「うむ。昨日の米は俺の國の米だった。
酒も旨かった。」
「本当ですか?それは良かった。」
「あれを使えばなれ鮨も作れる。
あれは酒に合うんだ。」
「なれ鮨ですか?
では、作り方を教えて貰えますか?
作ってみますね。」
《空蝉》が作動し
『なれ鮨の作り方は
下処理で鯖や鮒の内蔵を取り
塩で数週間水分を抜く。
塩漬けした魚を軽く陰干しし、
煮たご飯を冷まして塩と麹を入れる。
そこに魚を入れ重しをかけて
数ヶ月から1年漬ける。って。』
「おぉ。中々、手間がかかるぞ。
女将、《空蝉》の話では、
鯖や鮒の内蔵を取り塩漬けにして数週間。
それを軽く陰干しして、
煮たご飯を冷まして塩と麹を入れた所へ
漬け込んで数ヶ月から1年漬けるらしい。」
「《空蝉》?」
「あぁ、俺のサポートをしてくれる者だ。」
「そうなんですね。
時間はかかるでしょうが、
やる価値はありそうですね。
とりあえず、教えていただいた通りに
やってみますね。出来上がりが楽しみです。」
「あぁ、俺も楽しみにしている。
では、邪魔したな。
あ、俺は明日から自分の家に入るんだ。
カティア達が買い物すると思うからよろしくな。」
「あら。そうなのですね。分かりました。
カティア達にもよろしくお伝えください。」
慶次はフェリアノーヴを出て
ゼフィールエンポリウムに向かおうとした。
店を出ると《松風》の周りに
人集りが出来ていた。
『あぁ、殿。私はどうすれば…。』
《松風》が泣きそうになっていた。
『おぉ、これは。
お前が素晴らしすぎてみんなが見ておるな。』
笑いながら慶次は人々に
「《松風》が困っておるから、
少し離れてやってくれないか。」
と話しかける。その声に町の人々は
「あ、昨日の強い人。」
と子供達が
「あぁ、マエダ様の馬でしたか。
すみません、あまりにも綺麗で。」
と大人達が《松風》から離れた。
「綺麗であろう?
これから街に出る時は
一緒に歩くからよろしくな。」
と慶次が話す。
子供達は
「分かった。ごめんね。」
と大人しく離れた。
大人達は今度は慶次に群がる。
「一昨日も昨日もスッキリしましたよ。
本当にありがとうございます。」
と慶次に握手を求める。
慶次は1人1人と握手をする。
その時、
「コラコラ。マエダ様が動けないじゃないか。
ほら、離れて。」
と声がした。
見るとカインが立っていた。
「カインか。遅れてすまんな。
後、ゼフィールエンポリウムに
寄ってからと思うておった。」
「マエダ様、大丈夫ですよ。
私も今からギルドへ向かう途中でした。
ゼフィールエンポリウムに行かれるのですか?」
「そうだ。《松風》の馬具を頼もうと思ってな。」
「この馬がマエダ様の馬ですか。
これは素晴らしい。
アンヴァルですね。大人しく賢そうだ。」
「そうだな。
俺の言う事をよく聞いてくれて助かる。」
慶次は《松風》の首をポンポンと叩いて
「では、行こうか。」
と話しかけた。
《松風》は嬉しそうに横に並ぶ。
「マエダ様、もしかしてですが、話せますか?」
とカインは驚いて聞く。
「ん?あぁ。話せるよ。
魔物だからな。契約獣は話せるだろう?」
「え?いや、話せませんよ。
え?上位種だからか?
いや、聞いた事無いですよ。」
「そうなのか?
そう言えば、ヴェルダーも言うておったな。
普通は話せんのか。」
「そうですね。俺は聞いた事が無いです。」
「なるほどな。
まぁ、俺の《松風》は話せるという事だ。」
慶次はニヤリと笑って
ゼフィールエンポリウムの前に着いた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回はなれ鮨を調べました。
なれ鮨は平安時代の
物語り等に登場しますよね。
滋賀県の鮒鮨は
今でも現地の方には
「美味しい物」として愛されています。
私は食べた事がありませんが、
この時代の人々には
美味しい食べ物として
愛されていたと思っています。
次回はようやく馬具を頼みます。
松風をどう、格好良くさせようかなと
ワクワクしています。
では、次回をお楽しみにしてください。




