第42.1
第42話です。
当たり前の食事が
時代を遡れば、全く違う物だったり
既に食べなくなってしまった物、
色々とありますね。
慶次が生きていた時代の食事を調べると
ビックリする事が多々あります。
人の食べ物への執着と探究心は
昔も今も変わらないのかもしれません。
では楽しんでください。
食堂は人がごった返していた。
慶次はいつも通りに列に並んで
どんな料理か酒の味はと楽しみにしていた。
後ろから声を掛けられた。
「あ、ケイジ様。今からですか?」
振り向くとリーゼが女性と並んでいた。
「おぉ、リーゼか。そうだ。今から食べる。
今日は珍しい酒も手に入ったからな。
楽しみにしてるんだ。」
「そうなのですね。ご一緒しても大丈夫ですか?」
「俺は構わんが、リーゼ達は大丈夫か?」
慶次は昼間のカティアの件が気になった。
「大丈夫ですよ。
カティアの事は運が悪かったのです。
私達、平民はああいう人達に
同じ様に言われていましたけど、
毎回必ず言われていた訳では
ありませんでした。
しかも、今はそんな事を言う人達は
このお城から居なくなりましたから。」
隣の女性も頷く。
「あ、私、ノエリア エーデルと言います。
姉も一緒に部屋の掃除を担当しているんです。」
「俺は前田慶次だ。リーゼと同様、慶次で良い。」
「ありがとうございます、ケイジ様。
カティアが言われた時に
ケイジ様が庇われた話が、
城の侍女達の中で持ちきりです。
カティアが羨ましいと。」
目をキラキラさせて話す。
慶次は照れ臭く頭を掻く。
「そんなに大した事はしておらん。
カティアの当然の権利を話しただけだ。」
「それだけでも、
私達平民出身の者にしてみたら嬉しかったのです。
誰も物が言えない立場の人達だったので。」
そんな話を遮る様に
「マエダ様、今日のおすすめは
海鮮のお刺身盛りです。」
と声が掛かる。
「ん?生の魚とな?ふむ。どの様にして食べる?」
「みんなはカルパッチョで食べますが、
マエダ様は醤油に山葵でいかがですか?
お酒も進みますよ。」
それを聞いて慶次の目が輝く。
「酒が進むとな?それは試さねば。
では、それを貰おう。」
慶次は刺身と酒を貰いテーブルについた。
リーゼとノエリアも一緒に座る。
「おや、マエダ様も今からですか?」
列の方から声がする。見るとアドリアンだった。
「そうだ。
今日は海鮮の刺身盛りがおすすめらしいぞ。」
「お。それはいい。
カルパッチョで食べよう。」
アドリアンはいそいそと
慶次達のテーブルに座った。
「マエダ様、今日もソラニアの街で
大活躍だったとか。
その話が兵士達の間で持ちきりですよ。」
「あ、それ。私達も聞きました。
冒険者達をバッタバッタと切り倒したとか。」
「切り倒したらマエダ様は今頃、牢屋の中。」
アドリアンが澄まして答える。
2人は嫌そうな顔をする。
慶次達の話に食堂にいる全員が聞き耳を立てる。
「切り倒してはおらんよ。
そんな者に風牙を使えば、
俺が風牙に怒られるな。
あまりにも五月蝿いから
黙らせただけだぞ。あんな小物、素手で十分だ。
何、簡単な事だ。」
その話を聞いた全員が
(簡単に出来るのはマエダ様だけですから。)
と心の中で叫んだ。
慶次はそんな周りの事を気にもとめずに
刺身を食べて麦酒を一口呑む。
「この酒は旨いな。刺身とも合うし。
山葵と刺身の相性も中々、良いな。
魚にはこういう食べ方もあったのか。」
「マエダ様は醤油?ですよね?
その緑色の物はなんですか?」
「そうだ。これは山葵だな。
俺の國の薬味だな。これは良い、酒に合う。」
「ちょっと貰って良いですか?」
「構わんぞ。
俺もそのカルパッチョを貰って良いか?」
慶次とアドリアンはお互いの食べ物を交換し
「旨いな。これはこれでこの酒にも合うな。」
「お、これは美味しいですね。
ツーンとくるのが癖になりそうです。」
と笑い合った。
その様子を見ていたリーゼ達も
お互いに顔を見合わせおずおずと慶次に聞く。
「あの…。
私達もケイジ様のお刺身の味を食べてみたいです。」
「ん?そうか。食べるか?」
慶次が事も投げに
自分の醤油皿を差し出すと
「え?良いんですか。」
と嬉しそうに食べた。
「美味しい!」
「本当ね。このツーンとくる刺激が
クセになりそう。」
2人の顔が輝く。
それを見ていた列に並んでいる人達は
醤油と山葵に変える者が続出した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は麦酒(←日本酒)を出しました。
麦酒と言えばビールですよね。
多分。
でもまぁ、良いかと。
お酒をどの様に表現したら
異世界らしい物はとか
考えていたのですが、
どぶろくを出したので
そこまで斜め上じゃ無くても良いかなと。
次回は朝の鍛錬です。
《空蝉》を鍛えます。
では、次回も楽しみにしてください。




