第38話
第38話です。
商人登録も無事に済みました。
紆余曲折ありましたが、
慶次の存在感はこの街に
確実に根付かせたと思います。
では、楽しんで読んでください。
ギルドを出て慶次達は
ゼフィールエンポリウムに向かった。
「バークナー殿。ちょっと良いか?
風牙のこの手を守る物は取れるか?
取っても問題ないか?」
「ガードをですか?」
「そうだ。
これがあると持ち方に制限がかかるだろ?
無いと好きに持てると思ってな。」
ロイは暫く考え
「問題ないと思います。外しますか?」
慶次は頷く。
ロイは道具を持って来て、ガードを外した。
「ちょっと試しても良いか?」
と外に出る。ロイもヴェルダーも後に続く。
風牙を振り回してみる。
「ふむ。柄巻きをせねばなるまいな。」
「柄巻き?ですかい。
それは、どんな作業で?」
「昨日、預けた脇差しがあるだろう?
あの柄に糸が巻いてあるだろ。
それを柄巻きと言うんだ。
風牙に柄巻きをして欲しい。
この國には鮫皮はあるか?」
「俺の店には無いな。
皮ならにヴァルデォオルへ聞に行きましょうか。」
「ちょうど良い。俺は絹糸を聞きに行こう。」
ロイと慶次達はヴァルデォオルへ向かった。
ヴァルデォオルへ着くと、
レオンが店で何かを仕立てていた。
「レオン、静が出るな。
ところで、この店には鮫皮はあるかい?」
ロイがレオンに尋ねる。
「あぁ、ロイか。あるよ。
ベルトや財布に使う。
持ちが良いから冒険者にも好まれてるよ。
どうした?ベルトでも作るのか?」
「いや、マエダ様が、
剣の柄に鮫皮を使うと言われてな。」
「ほぅ、柄?」
「そうだ。剣の持つところだな。
そこに鮫皮を使うらしい。後は絹糸でしたか?」
「そうだ。絹糸で柄の彩りを絹糸で施すんだ。
和紙があれば良いのだが。」
「和紙ですか?それはなんでしょうか?」
「簡単に言うと紙の薄い物だな。
この國には無いと聞いたが。
おぉ、そうだ。薄葉紙という物もあったか。」
「紙の薄い物ですか?パルピス紙が薄いのですが。」
「パルピス紙な。あれは薄いが。
柄に巻くにはちょっと固すぎるのではないか。」
ロイが難色をします。
「そうか。それでは私の店には無いな。」
レオンが言う。
「中々、難しいな。作るしかないか。」
と慶次が言う。
「そうですね。
しかし、それだと柄には間に合いませんぜ。
どうします?」
「色々と試してみるか。
今のこの國で薄い紙はどれだ?
書ける物で無くても良い。あるか?」
ロイもレオンも顔を見合わせ考え込んだ。
「羊紙を使ってみるか?あれは薄くないか?」
「試してみるか。
羊紙は俺の店には無いな。お前の所は?」
レオンがロイに尋ねる。
「俺の店にも無いな。
グリムゾンファルにはあるかも知れんな。
注文で使うかも知れん。
俺の店は服を包むのにパルピス紙だからな。
それでやってみるか?」
レオンが聞く。
「ふむ。やってみる価値はあるか?
まぁ、マエダ様の風牙では試せんがな。」
「レオン、絹糸の種類はどんな色がある?」
慶次は帰り際にレオンに尋ねる。
「絹糸ですか?色は色々揃えておりますよ。」
「ちょっと見せてもらっても良いか?」
レオンから店の奥から絹糸の束を持って来た。
テーブルの上に並べる。
慶次はテーブルに並べられた絹糸を
手に取りじっくりと見る。
「これは良い感じだな。」
束の絹糸の中から2つ、3つと
手に取りレオンに渡す。
「この色の絹糸を貰うぞ。
明日にでも金は届ける。」
「分かりました。」
レオンが頷く。
「とりあえず、鮫皮とパルピス紙は貰って帰るぞ。」
ロイは鮫皮とパルピス紙を
レオンから受け取り持って帰った。
3人はヴァルデォオルを出て
グリムゾンファルに向かった。
「マエダ様。ここはこの街の酒場です。
冒険者は仕事が終わると
ここで英気を養うんですよ。」
ヴェルダーが説明する。
ロイも
「ここは食事も美味いですよ。
酒も色々とありますから
マエダ様も満足出来ると思いますぜ。」
と嬉しそうに話す。
ヴェルダーは笑いながら、
「ここはこの街の宿屋の隣にあるので
他の国の人達も集まり楽しむ所です。」
「そうなのか。それは楽しみだな。
毎晩、通うのに良い場所だな。」
慶次もまんざらでは無い。
グリムゾンファルに入って
ロイがカウンター奥の男性には話しかける。
「バルト、ちょっと良いか?」
バルドと呼ばれた男性が振り返る。
「おぉ、ロイか。
どうしたんだ?いつもより早いじゃないか。」
「いや、ちょっと聞きたい事があってな。
お前の店では羊紙を使っているか?」
「羊紙?あぁ、使っているよ。どうした?」
「いや、このお方が、欲しいらしくてな。
捨てる物でも良いから貰えないか?」
バルドは店の奥に入って行った。
「これでも良いか?もう、
捨てるつもりだったからな。」
バルドは1枚の紙を手渡した。
「マエダ様、これはどうです?」
慶次は紙を手に取り
「和紙より薄くはないかもな。
まぁ、これも試してみるか?」
と話す。バルドは
「ロイ、そちらの方は?」
「この方は召喚者のマエダケイジ様だ。
この方が薄い紙を探しておったてな。
貰えるか?」
バルドは羊紙をロイに渡して
「もう、捨てる物だからな。
大丈夫だ。持ってけ。」
ロイはそれを受け取り
「おぉ、ありがとな。使わせて貰うよ。」
バルドは慶次の方へ向き
「昨日と今日の噂は俺の耳にも入ってますぜ。
昨日は本当に助かった。
あれが酷くなれば俺の店にも
損害が出たかもしれん。
今度は客として来てください。
とびっきりの食事と酒を用意しますぜ。」
「かたじけない。俺も有名人だな。
今度は酒を呑みに来る。」
慶次は嬉しそうに話す。
お目当ての物を貰い、3人は店を後にした。
店に戻り、模擬刀で柄巻きをしていく。
「先ずは、羊紙でやるか。」
ロイは鮫皮に羊紙で巻いていく。
「こればどうです?マエダ様。」
慶次は手に取り首を振る。
「これは馴染まんな。」
「やはり、そうですよね。
では、パルピス紙で試しましょうか。」
ロイは模擬刀で先ほどと同じ様にやってみる。
「これは。マエダ様。これならどうです?」
ロイは模擬刀を慶次に渡す。
先ほどよりもしっくりくる。
「俺の國の柄巻きほどではないが、
こっちの方がしっくりくるな。
しかし、やはり和紙の材料を
探せねばなるまいな。」
「そうですね。マエダ様が納得される方が
こいつも納得すると思います。」
「そうだな。
とりあえず、明日の冒険者の仕事で見つけてくる。
和紙の材料が無くても別の物があるかもしれん。
とりあえず、風牙は
このままで使うとするか。」
「そうですね。大切な相棒ですから、
納得してお使いになる方が良いと思いますぜ。」
「そうだな。明日にでも探しに行ってみる。」
慶次はロイにそう話すと店を出た。
ヴェルダーが尋ねる。
「マエダ様、
柄巻きの材料は妥協を許さないって
いう事ですか?」
「そうだな。
やはり、自分の手に馴染む物でないとな。
使いづらい。」
「なるほど、そういうものなのですね。」
慶次達はフェリアノーヴに向かった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
日本刀の柄巻きを色々調べてみたのですが、
色を自分好みにすると
絶対ににやけてしまうだろと思いました。
刃文もそうなのですが、
日本刀は武器でもあり
芸術品でもあったのですね
と改めて思いました。
次回は城へ帰ります。
では、次回をですか楽しみにしてください。




