プロローグ
慶次が服を選んでいる間に
他の人達は情報のすり合わせを。
これから、慶次の人生が決まる感じでしょうか。
4 密談する
「リオレン公爵、これはどういう事だ?」
アシュレインが尋ねる。
「私達にもさっぱり。」
リオレンは困惑した表情を見せ、首を振った。
「聖女様召喚に男性が召喚される事は
今までは無かったのか?」
アシュレインは召喚士達に尋ねた。
「私の曾祖父様が子供の時に男性召喚が
あったという話は聞いた事がありますが、
本来ならその国の精霊王が決めた人物を
召喚するので、男性召喚は本当に稀にです。」
「という事は各国の精霊王が
召喚する人物を決めていると?」
「個人を決めているかは
分かりませんが、
性別は完全に精霊王が決められます。」
「という事はマエダ様は
我が国の精霊王へリアデス様が
お決めになった可能性が高いと?」
「そうです。
ただ、何故お選びになったかまでは
分かりませんので、我々も困惑してます。」
リオレンは汗を拭きながら答えた。
「マエダ様にはきちんと話した方がいいだろうな。
嘘はつくと重ねる事になる。
それが不信感に繋がる。」
みんなが黙って頷く。
「しかし、例えへリアデス様が
お決めになったとはいえ、
マエダ様が善か悪かは我々では決めかねるぞ。」
アシュレインはため息をついた。
「我が国に災いをもたらす可能性も
あるやも知れぬ。」
「え?召喚者ってヤバいやつ。」
ニヤニヤしながらレオニスが言う。
「レオニス、よさないか。お前はいつも…。」
アシュレインは顔をしかめる。
その言葉を遮りレオニスが答える。
「分かってるさ。召喚者の前では
ちゃんと皇太子の顔を見せるよ。」
レオニスは笑いながら答える。
アシュレインは大きなため息をつく。
「お前の付け焼き刃な態度なぞ、
マエダ様は一目で見破るぞ。それだけの御仁だ。」
レオニスはその言葉に少し驚いた。
(父上がここまで言うのは珍しい。
俺は良い皇太子を
演じられると自負しているが。)
「召喚後のマエダ様を見る限りは
大丈夫だと思うが。」
アシュレインが続ける。
「しかし、マエダ様が必要な召喚者様だとしても、
我が国には聖女様は必要ぞ。
へリアデス様にはそうお伝えしたのだが。
やはり、我々の祈りだけでは
確実な願いとはいかないのか。
リオレン公爵、再度、召喚するのは可能だろうか?」
リオレンは少し考えてから
「可能ですが、へリアデス様のお考えを
確認された方がとも思います。
準備には我々の魔力回復も含めて
2ヶ月、3ヶ月は必要ですね。」
「こちらへの滞在も可能ですかな?」
「可能だとは思いますが、
本国へ確認させていただいても
よろしいですか?」
「そうだな。無理は言えまい。」
アシュレインは頷いた。
「では、すみませんが、失礼させて。」
リオレンは板の様な物を取り出した。
「リオレン公爵、それはなんだね。」
アシュレインは不思議そうに尋ねた。
「これは我が国の蒼水の聖女様が考案された
『スマホ』なる魔道具で
これで話せるのですよ。
へリアデス様のご意向も
上手くいけば確認できるやも知れません。」
リオレンはスマホの画面を指で押す。
そして、耳に当てた。
スマホの向こうから若い女性の声が響く。
その場にいたエグザリサの人達はギョとした。
「スマホとか言ったか?
人が入るにはいくらなんでも小さすぎるし、
声だけが届くって事なのか?どういう原理だ?」
レオニスは驚いて声をあげた。
「この魔道具は我が国の聖女である
凛様の以前の世界で使われていた
道具らしいです。
それぞれの国の聖女様は
これで連絡を取られております。
他国の聖女様も以前は
使われていたみたいです。
文字も送れるらしく
手紙の代わりという感じでしょか。
今の使用状態は通信道具という感じですね。」
「通信道具と言ってもこの世界の物は
かなりの大きさだぞ。
ヴェイルに持たせている物は
あちらの声は聞こえるが、
こちらの声は届かぬ。
その薄さ、小ささでは無理だろう。」
レオニスは聖女の力が恐ろしくなった。
「こっちを無視して話さないでよ〜。」
凛が声をかけた。
「申し訳ありません、凛様。
実は、ウンディーネ様に
聞いていただきたい事があります。」
リオレンが凛に向かって話す。
「あら、なぁ〜に?ウンディーネ様が
お答えになるかは分からないわよ。」
「ウンディーネ様と言うより、
エグザリサ帝国の精霊王のへリアデス様に
お聞きしたい事がありまして。」
「へリアデス様?私じゃ、聞けないわよ。
ウンディーネ様に聞いて欲しいって
お願いするの?」
「そうです。
アシュレイン陛下は直接、
お話になれないので。」
「そうねぇ〜。それなら、
シャーロットちゃんとアマちゃんにも
聞いてみればどうかしら?ちょっと待ってね。」
スマホの通話が切れて、
しばらくして凛からかかってきた。
「あ、もしもし〜?グループ通話に
したからみんなと話せるわよ。」
「こんにちは。初めまして、シャーロットです。
大まかな話は凛ちゃんから聞きました。
シルフ様にもお聞きするのですか?」
「こんにちは。私も初めましてですね。アマです。
ノーム様にもお聞きするの?」
ほぼ同時に2人の声が聞こえた。
「2人とも、声が被ってるって。」
凛がケラケラと笑っている。
アシュレイン、レオニスは驚いて声も出ない。
グレゴールの顔色が変わる。
「これはどういった原理なのでしょう。
別々の場所にいる人達が同時に話せるとは。」
「私達も最初は大変驚きました。
アマ様も最初は驚かれていました。
アマ様何おられた時には
携帯という物があったらしいのですが、
スマホは無かったらしいので。
今は毎日の様にお三方で話されてますよね。」
「うふふ。女子会よ。女子会。
どの国でも女の子はお喋りが好きなのよ。」
凛が嬉しそうに話す。
「それぞれの精霊王様には聞いておくから
返事は明日以降でいいかしら?」
リオレンがアシュレインの顔を見た。
アシュレインは黙って頷いた。
「凛様、それで大丈夫です。
あ、それから精霊王の話の後にはなりますが、
陛下に再度召喚するとなると
最大3ヶ月はこちらで準備をしたいのですが、
エグザリサに滞在しても
支障がないかご確認してもらえますか?」
「3ヶ月?分かったわ。
陛下にはそうお伝えして確認しておくわね。」
「はい、よろしくお願いします。
では、凛様、明日の返信を
お待ちしております。」
「分かったわ。
アマちゃんもシャーロットちゃんも
明日の朝には連絡出来そう?」
「問題無いわよ。
じゃ、明日の朝には連絡するわね。」
スマホが切れて辺りは静寂に包まれる。
「聖女様の居た世界って
この国より凄いんじゃないのか。
魔法がないとはいっていたけど。
あれが魔法ではなくて、なんだと言うんだ。」
リオレンが静寂に耐えられずに呟いた。
読んでいただきありがとうございます。
あと少しで本編に入る予定です。
現段階での行動を書いていると
『プロローグ』って言っていながら
長くなったなぁと少し反省しています。
ただ、必要な事だと自分に言い聞かせてる次第です。




