第33話
第33話です。
いよいよ鑑定をします。
どんな鑑定が出るのか。
存分にお楽しみください。
レオナが部屋を出て行ったのを確認し
ヴェルダーは頭を下げた。
「マエダ様、昨日に引き続き
本当にありがとうございます。」
「いや、何。
昨日よりも手応えがあったと言いたいところだが、
やはり弱いな。」
「まぁ、本当に強い者はあんな事はしませんよ。
マエダ様を倒して
自分の名声を上げたかったのでしょう。」
「俺を倒したとて、ではないか?」
「マエダ様。先程も言いましたが、
マエダ様は今やこの街では知らない者が
居ないぐらいの有名人ですよ。
しかも、強さは現段階で
この事があったとしても未知数です。
倒して自分の力を誇示したい者には
格好の餌食です。」
「そうなのか?
まぁ、それなら受けて立つしかあるまい?
黙らすのには一番手っ取り早い。」
「確かにそうですが…。」
ヴェルダーは心の中で頭を抱えた。
確かに慶次の活躍は
兵団としては有り難いの一言だが、
兵団が役に立たないと世間に
公表しているようなものだ。
(本当、この人。
兵団に入隊しれくれないかな…。)
レオナが手に何かを持って
1人の女性と共に戻って来た。
「マエダ様、お待たせいたしました。
この者は私の補佐をしてくれている、
エラリア フェルデンという者です。
今後、色々と手続きなどで会うこともあるかと。
他にガルド ロスベルクという者がおります。
受け付けの者は後から
また紹介させていただきますので、
今後ともよろしくお願いします。」
紹介されたエラリアは
「マエダ様、初めまして。
これからよろしくお願いします。
マエダ様の活躍を期待しております。」
と頭を下げた。
「前田慶次と申す。
こちらこそよろしく頼む。」
「では、マエダ様。
こちらの水晶に手をかざしていただけますか?
これでご自身の今のステータスが分かります。」
「なるほど。」
慶次は言われた通りに水晶に手をかざした。
眩い光が水晶から放たれる。
と、突然空中から紙が落ちてきた。
慶次は驚いて声をあげる。
「お?何処から出てきた?その紙はなんだ?」
レオナはクスっと笑った。
エラリアが落ちた紙を拾う。
「これが、マエダ様のステータスです。
スキルも出ていますね。」
「スキルも分かるのか。なるほど、凄いな。」
エラリアは拾った紙を見て驚愕している。
「え?コレって?」
レオナがそれを受け取り見た瞬間。
『いやぁ〜。やっと出てこれました〜。』
と空中から声がした。
慶次は声がした方を見る。
空中に知らない物が浮かんでいた。
「ん?何だこれは?」
慶次が空中を見つめているので、
レオナは
「マエダ様、サポート画面が出たのでは?」
と聞く。
「『さぽーとがめん』とな?何だそれは?」
「マエダ様が冒険者として活動をされる時に
助けてくれる物ですね。
その画面に話しかけてください。
色々とマエダ様が分からない事を
教えてくれますよ。」
「なるほど、話しかけるのか。」
慶次は困惑しながら話しかけた。
「お主は誰だ?」
『あ、初めまして。
私、サポートセンターです。前田様ですよね?
空中の見えている物を触ってみてください。』
言われて慶次は空中に手をかざす。
『ありがとうございます。認証が終わりました。
これから、私が前田様のサポートを
させていただきます。』
そう言われた瞬間、
慶次の頭の中を何かが駆け抜けた。
「マエダ様、どうされました。」
ヴェルダーが心配そうに話しかける。
「いや、何。
サポートセンターとかいう者が
空中に現れて画面を触れと言われたら、
何やら頭の中を抜けて行きよった。」
困惑したままで慶次は説明する。
レオナは
「マエダ様が冒険者として
魔物に遭遇された時に
どの戦いが有利だとか、素材のランクなども
そのサポートが画面を通じて知らせてくれます。
大変、便利な物ですよ。
そうだ。名前を付けてあげてください。
それで今以上に使いやすくなると思います。
触らなくても話しかけるだけで
動いてくれる様になります。」
「なるほどな。名前か。お主、名前が欲しいか?」
慶次は言われた通りに画面に向かって話しかけた。
『名前をいただけるのですか?嬉しいです。』
慶次は暫く考えて
「お主は「空蝉」だな。」
名前を呼んだ瞬間、画面が大きく変化した。
画面には自分のステータスや
スキルの一覧が表示されており、
目線を相手に向けると
相手のステータスが表示された。
「これは驚いた。
そなたらのステータスも見られるぞ。」
慶次は
「レオナ殿は冒険者の時に
S級の冒険者だったのか。
ヴェルダー殿は兵士と。レベルも分かるのか。」
「マエダ様、こちらの世界の言葉も
理解出来るように?」
ヴェルダーが驚いて聞く。
「みたいだな。
不思議な事に知らない言葉と分かっておるのに
頭の中で理解出来ている。頭が混乱しそうだな。」
それを聞いてレオナは
「しばらくはその混乱が続くと思われます。
大変でしょうが、慣れてもらうしかありませんね。」
「なるほどな。」
慶次は深く頷いた。
ヴェルダーがおずおずと聞いてきた。
「そ、それで、マエダ様のステータスは
どういう感じですか?」
「そうだった。それを今から確認していこう。」
レオナは受け取った紙を読んでいく。
「体力、魔法保有量は私よりも多い。
レベルで言うとS級?いや、SS級か?
魔法属性は…。いや、それは…。」
「どうされましたか?ギルドマスター?」
困惑しているレオナにヴェルダーが尋ねた。
「あぁ。規格外すぎてな。笑うしかない。
属性は全て。何もかもだ。
光も闇も他の属性までも全て持っておられる。」
「え?それはありえませんよね?」
「ありえないが、そう示されている。
スキルもこの国のスキルを全て待っておられる。
サポートスキルは召喚者様だからかも知れぬが。」
レオナは暫く考えて慶次の方を見て
「マエダ様。
とりあえず、魔法の属性の話をします。
光属性は基本は癒しの魔法ですが、
戦いにおいて精霊を召喚できます。
闇属性も同様です。
基本は攻撃の魔法です。
魔法属性としては雷や氷ですね。
そして、戦いにおいて悪霊を召喚できます。
これは、我が王国アクアリュシエの光属性、
闇属性を持つ者は同様に出来ます。
勿論、レベルが到達すればの話です。
しかし、マエダ様は今の時点でも
召喚出来るやもしれません。
経験値が昨日の喧嘩と今の喧嘩で
若干ありますが、ほぼゼロなので、
経験値が上がれば自ずと使える様になります。
他の属性魔法はイメージなので、
最上級の魔法も使えると思いますよ。
まぁ、訓練が必要ではあると思いますが。」
ヴェルダーは慶次をまじまじと見つめた。
(そりゃ、規格外だよな。全てにおいて。)
レオナはエラリアに
「マエダ様にはとりあえず、
魔法の練習をしてもらう。
今、帝国で一番の魔法使い手は誰だ?」
レオナがエラリアに尋ねる。
「Aランクのロイですね。
魔法剣士なのでマエダ様には
ちょうどよろしいかと。」
「なるほど、Aランクか。
せめてSランクの使い手が欲しいな。
ゼノンはどうだったか?」
「どうでしょうか?確認してもらいますか?」
「そうだな。ゼノンはS級の冒険者、
魔法剣士では無かったと思うが、
ある程度の魔法は出来るだろう。
それが無理ならロイに伝えてもらうか。
では、スキルの説明をしましょうか。
先程も言いましたが、
スキルはこの国の全てのスキルを
持っておられます。
鑑定・並列、高速思考・スキル奪還・
アイテムボックス・隠密・罠感知、解除・
身体強化・気配察知・剣術、武術補正・
状態異常無効。
それから、サポートセンター接続・
記憶力強化ですね。」
「沢山のスキルを貰えたという事か?」
「そうですね。ありえない量です。
戦いの時や通常時にも役に立つスキルがあります。
ちょっと時間がかかりますが、
一つ一つ説明させていただきます。」
「そうか、俺は良いが。
ヴェルダー殿、お主は時間は大丈夫か?」
「私も今日はマエダ様の付き添いが
仕事ですから、大丈夫です。」
慶次は頷き、レオナに尋ねた。
「では、スキルの説明をしてもらえるか?」
「分かりました。では、まず最初に『鑑定』ですね。
これは戦いにおいてもアイテムにおいても
たいへん優位なスキルです。
敵のレベル、素材の状態やランクも全て分かります。
商人ギルドに持ち込む物の鑑定も
正しいかの判断も分かりますので、
マエダ様自身が困る事は無いですね。
それから、『地図』。
これは知らない土地でも、
魔物の居場所やらそれぞれの王国や村を
感知が出来ます。要は迷子にならない。
魔物の場所を的確に捉える事が出来る
というスキルですね。
体力の消耗を最低限に抑えられます。
そして、『並列、高速思考』です。
頭の回転が速くなり、
複数の作業を同時進行できます。
これは戦いにおいてかなり優位に立てます。
『記憶力強化』は
一度見た物、聞いた物は忘れません。
そこに先程の『並列、高速思考』のスキルも
持っておられるので、
戦いにおいて作戦を立てたり
臨機応変に行動する事が人よりも優れています。」
「俺の國での体験した事が
生きているという事だな?」
「そうですね。それが1番大きいと思います。
そして、『アイテムボックス』。
持って行くアイテムは勿論、
これは手に入れた物を全て収納出来るので、
遠くへの移動に便利ですね。
『スキル奪還』も、戦っている魔物達から
魔物の持っているスキルを奪えます。
強い魔物のスキルは私達ですら
何を持っているのか分かっていないので、
今後の研究に全て奪ってしていただくと助かります。
『隠密』は気配を完全に消す事が可能です。
魔物に感知されないという事ですね。
『気配察知』も持っておられるので、
隠密と気配察知を使っていれば
魔物にいきなり襲われたりという事は
絶対にありません。
『身体強化』と『武術と剣術補正』もありますので、
使った事のない武器の習得も早いと思います。
『状態異常無効』で毒や麻痺からも身を守れます。
戦いにおいては本当に有利で
負ける事がないかもしれませんね。
まぁ、これは作戦がこちらに有利という事が
絶対条件でしょうが。」
次から次へと説明を聞くが
ヴェルダーはもう驚かなかった。
規格外の慶次には自分の常識が
当てはまらないと判断したからだ。
言われている慶次は他人事の様に頷いている。
「スキルとステータスはこれで全てですね。
経験値を積まれたら
大きく変化されるとは思います。
その時はギルドで報告を
していただけたら助かります。
さて、マエダ様、これで全ての説明が終わりました。
冒険者登録をさせていただきます。
明日も朝からギルドへ来ていただきますか?」
「明日から冒険者として活動するのか?」
「いえ、とりあえずは魔法の練習を。
使い慣れていただくのは練習あるのみです。
まぁ、マエダ様のランクなら
明日には使いこなせるかと。
うまくいけば昼から城の外で
冒険者として活動をしていただく事になります。」
「なるほど、朝からだな。朝の鍛錬後に伺おう。」
「はい。よろしくお願いします。
では、登録をさせていただきます。
エラリア、用紙を。」
「はい、ここに持ってきております。」
エラリアは机の上の用紙をレオナに渡した。
「マエダ様、
ここにお名前の記入と血判をお願いします。」
「分かった。ペンは何処だ?」
レオナはペンを慶次に手渡した。
慶次はサインをし、指を切って血判をした。
用紙が光り、跡形もなく消えていった。
「これで登録が終わりました。
では、明日は朝からギルドにお越しください。
あ、後ほど受け付けの者達に
紹介をさせていただきますので、
商人ギルドでの登録を終わられたら、
お手数ですが、こちらに
戻ってきていただけますか?」
「分かった。明日からよろしく頼む。
では、後ほど受け付けに行けば良いか?」
「そうですね。よろしくお願いします。」
慶次達は部屋を後にした。
いつも読んでいただきありがとうございます。
ようやく、慶次の鑑定にこぎ着けました。
異世界の何でも有りを掘り込みました。
後々のスキルアップも楽しみです。
サポートの『空蝉』も
存分に活躍をしてもらえる様に
頑張ります。
次回はギルドの受け付けの人達と
承認ギルドの話を書きます。
次回をお楽しみしてください。




