第26話
第26話です。
夕食は日本食によく似た物が出される予定です。
以前も書きましたが、今の日本にある物と
戦国時代にあった物は調べれば調べるほど楽しいです。
あの当時は中国から色々な調味料が入ってきていたのか
そう思っていましたが、江戸時代に入ってきた物が
結構多かったですね。
鎖国をしていた国なのにと不思議に思いました。
では、楽しんでください。
慶次は教えられた通りに廊下を歩く。
右に曲がりしばらく行くと
食堂のドアが見えてきた。
突然、その手前の厨房のドアが開いた。
中からエリーナが出てきた。
「あら、ケイジ様。お帰りなさい。」
「エリーナか。今、帰った。」
「良い物が見つかりましたか?」
「あぁ。上々だった。良い買い物が出来たぞ。」
「それは良かったですね。あ、ケイジ様。
夕食は食堂で食べられますよね?
楽しみにしていてください。
後で色々と感想も聞かせてくださいね。」
エリーナは笑って向こうへ歩いて行った。
それを見届けて慶次は食堂へ入って行った。
ちょうど夕食の時間だったので
大勢の人達が笑いながら食事を楽しんでいた。
慶次は昼食と同じ様に列の後ろに並んで待っていた。
後ろから不意に声をかけられた。
「あれ?マエダ様じゃないですか?
今、お帰りになったのですか?」
振り返るとそこアドリアンがいた。
「おぉ、アドリアン殿。そうだ。
先程帰ってきてアシュレイン殿に話があってな。
その帰りだ。」
「そうなのですね。
それはそうと聞きましたよ。昼間の騒ぎ。
いとも容易く2人の男を倒したと。」
「ここまで噂が入っておったのか。
この國の兵団は『忍』か?」
「そんな訳ないじゃないですか。
忍びなんて職業はこの国にはありませんよ。
あの街の情報や出来事は逐一こちらに届きます。
陛下への報告も必要ですし、
何かあれば全て国が助けますから。」
「なるほどな。それは素晴らしい事だな。」
その話し声を聞き周りの人達も慶次を一斉に見る。
女性達はお互いにヒソヒソと耳打ちをしている。
それを掻き消すように
アルドリックの声が食堂に響き渡った。
「マエダ様、帰られたのですね。
今日の料理はエリーナが仕入れた
マエダ様のお国の調味料を使って作ったのですよ。
ぜひ、食べてください。」
慶次はその言葉に頷きカウンターを見る。
慶次の見た事のある料理や
見た事のない料理が並んでいる。
「これは、あの時の食材か?醤油とかいう。」
「そうです。味噌もあります。
味噌も夕食の調理に使いました。
品物を持ってきてくれた時に
マリエルに調理方法を聞きましたので。
明日の朝は味噌汁と言うスープを用意します。
今日の夕食はマエダ様には
特別に少しずつお渡ししますよ。
城の連中には概ね好評でした。」
アルドリックは嬉しそうに話す。
「これはかたじけない。
色々と楽しませてもらおう。
で、アルドリック殿。酒はあるか?」
「ございますとも。
実はあの店で売っていたらしいのですが、
すっかり紹介するのを忘れていたらしく、
マエダ様のお国のお酒だと良いのですがと
渡してもらいました。これを呑んでみてください。」
アルドリックはどぶろくを慶次に渡す。
慶次は嬉しそうに食事と酒を持ってテーブルに着く。
その途端、慶次の周りは人が集まってきた。
「マエダ様ですよね?
えっと、カティアはどうしたのですか?
今日は一緒ではないのですか?」
カティアと同じ服を着た女性が話しかけてきた。
「その服という事はカティアに
俺の世話を代われと言っておった者か?」
慶次はどぶろくを一口呑んで話す。
「え?いえ…。それは私では無いかな…。」
そう言われた女性は困惑して
顔を真っ赤にして周りを見る。
他の女性も下を向く。
「いや、昼にそう聞いたのでな。
カティアには今日からここで食べるから、
話をしたい時は話しかけてもらって
構わないと伝えてもらおうとしていたのだ。
ただ、今日は色々とカティアが
大変な思いをしたのでな。家に帰したんだ。」
そう言うと、周りの女性は顔を赤らめて
「そうなのですね。
という事はお会いすればいつでも
お話ししても大丈夫ですか?」
と話す。慶次は笑って
「大丈夫だ。
まぁ、俺は殆どここには居らんとは思うがな。
会えばいつでも声をかけてくれて大丈夫だぞ。」
そう言うと女性達の顔はパッと明るくなり
「では、マエダ様のお国のお話を
聞かせてもらえますか?」
とテーブルの椅子に座ろうとしたが、
アドリアンが制する。
「俺もここに座りたいんだ。退けてくれるか?」
その声に女性達は困惑して慶次を見る。
「アドリアン、みんなで食べる方が旨かろう?」
女性の顔が嬉しそうにアドリアンを見る。
「え?そうですけど、
椅子の数にも限りがあるじゃないですか。」
アドリアンの不服そうな言葉に
周りの女性は困った顔になる。
慶次は少し考えてから
「それなら、床に全員で座って食べるか?
アルドリック殿?今日だけは構わんかな?」
アルドリックは驚いて
「お、俺は構いませんが、え?」
それを聞いた慶次はテーブルや椅子を
壁の隅に移動させ始めた。
みんなが慌てて手伝う。
部屋の真ん中に広い空間が出来た。
「これでみんなで食べられるだろ?
一緒に食べようか?」
あまりの慶次の突拍子のない行動に
思わずそこに居た人達は大笑いした。
「これはこれで面白い。
時々、こういうスタイルも良いかもな。」
厨房の中にいたカイルが慌てて
敷物を持って来た。
「これを敷いてください。」
「お、これはかたじけない。えっと…。」
「あ、俺は厨房で働いている。
カイル ローデンと言います。
その干物は俺が焼いたんです。」
「おぉ、そうか。干物は楽しみにしていたんだ。
しかし、この料理は懐かしいのやら
知らない物やら沢山あるな。」
「そうなのですね。
俺も料理の名前まで分かりませんが、
干物はツバスという魚だと。
それから、これは牛蒡と人参等の油揚げを
千切りにした炒め物。
そして卯の花を炒めて人参と
グリーンピースと蒟蒻を煮込んだ物。
それからこれがピーマンに
擦った胡麻と醤油で味付けして絡めた物。
鮭と鯛と鰆は味噌に漬け込んで焼いたんです。
それから豚の醤油で煮込んだ物。」
「実に旨そうだ。食べるのが楽しみだな。」
慶次は静かに手を合わせ、そして食べ始めた。
それを見ていた人達も一斉に食べ始めた。
食事時で次から次に人が入ってくる。
入って来た人達は疑いもなく
その輪に入って気がつけば大宴会が始まっていた。
「マエダ様、それはなんですか?」
アドリアンが慶次の使っている箸に興味を示した。
「ん?これか?
これは俺の國の料理を食べる時に使う
箸という道具だ。
わざわざ、頼んで作ってくれたらしい。」
「美しいですね。」
「そうか?まぁ、俺はこの方が使いやすくて
作ってくれた事に感謝しているな。」
その光景を厨房の中の人達は羨ましそうに見ていた。
「俺も混ざりたい。」
カイルがボソッと呟いて慌てて口を押さえる。
それを聞いたアルドリックは
「片付けはちゃんとしてもらうぞ。」
と笑って言った。
それを聞いた厨房の中の人達も大急ぎで
その宴会に混じって楽しそうに食べ始めた。
大宴会は昨日に続き深夜まで続いた。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
今回は日本食をアレコレと書きましたが、
ありふれた物だけにしました。
皆さんがご存知のザ・定番日本食です。
実はお米の存在遠どうしようかと
今でも悩んでいます。
世界各国、色々なお米があるので
どうしようかと。
まぁ、どぶろくを出したので。
では、次回をお楽しみにしてください。




