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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第23話

第23話です。


服選びがようやく終わりました。

次は道具屋です。

慶次が欲しいキセルは手に入るのでしょうか?

慌ただしく店を出て

慶次達は次の目的地である

ゼフィールエンポリウムに向かった。


「ケイジ様、ゼフィールエンポリウムは

色々な魔道具も作ってくれますし、売ってますよ。

武器や防具は冒険者ギルドで

鑑定を行った後に購入した方がいいと思います。」

「ほぅ、それは何故だ?」

「鑑定でケイジ様が

冒険者登録する事でケイジ様に

合った武器が分かるのです。」

「成程な。槍は頼まない方がいいか?」

慶次はヴェルダーの顔を見る。

「そうですね。

カティアの話は普通の冒険者登録だと

その通りですが、マエダ様ですから。」

ヴェルダーが笑いながら言うとカティアも頷く。

「確かにそうですね。

槍はケイジ様の元々の武器でしたよね。

それでは、槍は頼みますか?

防具も見てケイジ様が気に入られたら

購入されてもいいと思います。」

「そうか。では、考えるより

見てからって事だな。」

「そういう事ですね。マエダ様が

見て気に入られたら、

使わせて貰う事も可能ですし。」

「マエダ様、この奥に大きな店が

2つ並んでいますよね。

ここが冒険者ギルドと商人ギルドです。

明日は、このギルドに行ってもらう予定です。」

「ここで、登録して魔物を狩るのだな。」

「そうです。登録をしていただかないと

活動は出来ませんので。

まぁ、活動はできますが、

持ち帰った素材は売れません。」

「そうなのか。なるほど。

それでは、明日を楽しみにしておこうか。」

そして、店の前に到着した。

ヴェルダーは

「とりあえず、前の事が心配なので、

店に話をして来ます。」

と言い、店に入って行った。

カティアと慶次は店の前で待ちながら

カティアが周辺の説明をカティアがする。

「先程、ヴェルダー様が説明した

この前にあるお店が冒険者の方が

よく集う食堂です。

お酒の提供もあります。

なので、ここは治安がとても悪いです。

毎日の様に喧嘩や揉め事があるとか。

私はこの通りは入らない様にと言われているので、

実は初めて入りました。

あちらへまっすぐ歩いて行くと正門があります。

そこが外への出入り口です。」

その話が終わらないうちに

その店の中から大きな物音と怒鳴り声ががした。

「お前!やるのか!」

「こっちに来いや。相手になってやろう。」

そんな声が聞こえて2人の男が

取っ組み合って店から転がり出て来た。

周りで野次や悲鳴が上がる。

カティアが驚いて慶次の後ろに隠れる。

慶次はその光景にワクワクした。

「この状態を俺が治めてもいいか?」

慶次がキラキラした子供の様な目で

カティアを見る。

「え?駄目ですよ、

ケイジ様。怪我をしてしまいます。」

「ん?そんなもの気にしてはいられまい。

あの喧嘩を治める方が先だろ。」

カティアは直感で

(あ、ケイジ様を私は止められない。)

と感じ俯いた。

それを見た慶次はカティアの頭を

ポンポンと叩き

「では、やってくるか。」

と2人に向かって行った。


「おい、こんな街中で…。」

言いかけた声を遮り、男達が怒鳴る。

「あぁ、なんだお前は!」

「関係ない奴は引っ込んでいてもらおうか。」

2人の男は慶次に詰め寄る。

「いやいや、周りの人達が

困っておるではないか。」

「あ?やんのか?」

「後悔するなよ。」

2人の男は慶次に同時にかかって来た。

慶次は2人の動きを即座に交わし、

あっという間に1人を殴り倒した。

「ウゲっ。」

殴られた男は吹っ飛び倒れたまま動かなくなった。

倒れた男に走り寄る男が1人見えた。

「お前、何しやがる!」

もう1人が慶次に掴みかかった。

「ん?力比べか?」

慶次はその手を握り力で捩じ伏せてしまった。

「ちょッ。何しやがる!」

男は慌てて体制を立て直す。

その後ろに慶次は回り込み

自分の体に男の体を引き寄せて

「手加減がな、難しいんだ。悪く思うなよ。」

男の耳元で呟く。

首に腕をまわし、締め落とす。

男はそのまま地面に倒れた。

一瞬の出来事だった。

「何だ、手応えの無い。 

そんな物で通用するのか?」

慶次は2人の男を起こし

「そこに座れ。」

と言った。

男達は戸惑いながら座ったが

「そうではない。こういう風に座るんだ。」

と正座をさせた。

慶次は正座をさせた男達に話す。

「そんな力で人に迷惑をかけるとは

全く理解出来ん。しかも、弱すぎる。

もう少し、強くなってからにしたらどうだ?

手応えもなく鍛錬にもならなかったぞ。」

慶次の圧倒的な強さに

その場に居た人達の拍手と歓声が湧き起こる。

カティアは青ざめて慶次に近寄る。

「ケイジ様、大丈夫ですか?」

「ん?手応えの無い、つまらん。」

慶次は不満そうに話す。

「え?手応えってなんですか?

こっちは心臓が止まりそうでしたけど。」

カティアが泣きそうな顔で叫ぶ。

その時、慌てて手に紐を持ち、

ヴェルダーが店から出て来た。

「え?何があったのですか?これは一体?

喧嘩はどうなりました?」

ヴェルダーが困惑して周りを見渡す。

カティアが泣きそうな声で叫ぶ。

「ケイジ様が喧嘩をしていた

この2人を倒されたのです。」

それを聞いたヴェルダーが

正座をしている2人を縛り上げ、

周りに声をかける。

「兵団に通報してくれ。このまま牢屋にぶち込む。

喧嘩だと分かって慌てて飛び出したのですが、

まさかマエダ様が…。」

その声を聞いて周りにいた街の人が

向こうに走って行った。

暫くすると兵士らしい人達が慌ててやって来る。

「あ、ヴェルダー様。ご苦労様です。

こちらの男達を拘束すればよろしいですか?」

「お。ローデリック、

こいつらを牢にぶち込んどけ。

少し頭を冷やせば大丈夫だろ。」

「ヴェルダー様。了解しました.

えっと、こちらの方は?」

「あぁ、お前は初めてだな。

召喚者のマエダ様だ。」

「前田慶次だ。よろしく頼む。」

慶次が手を差し出す。

「ローデリックと申します。

この度はありがとうございました。

お陰で助かりました。

いつもならもっと被害が出ていました。」

ローデリックは差し出された手を握って礼を言う。


ヴェルダーは慶次に頭を下げた。

「マエダ様、ありがとうございました。

お陰で大事にならずに済みました。」

「何でもない。久しぶりに心が躍ったよ

と言いたいところだが、手応えがなくて。

まぁ、こういうものは愉しまないとな。」

慶次がニヤリと笑って答えた。

それを聞いてカティアが怒る。

「ケイジ様!何でもないってどういう事ですか?

危ないからって言ったのに。」

カティアが泣き叫ぶので

慶次は慌ててカティアに話す。

「い、いや。何。俺の國ではこんな小競り合い、

日常茶飯事だからな。」

ヴェルダーはカティアに言い聞かせる様に話す。

「カティア、この街のこの通りでは

こういう事が日常茶飯事なんだよ。

君が知らないのも無理もないが。

俺達にとってはマエダ様の行動は

ありがたいの一言でしかない。」

「だからと言って。」

カティアが泣きながらヴェルダーに詰め寄る。

「カティア、すまん。怖がらせたか?

こんな小物、俺の敵ではない。大丈夫だ。」

慶次もカティアに言い聞かせる様に話す。

「ケイジ様は、日常茶飯事かもせれませんが、

私にしてみれば。」

カティアは嗚咽をあげて泣き崩れる。

「カティア、すまん。落ち着いてくれ。

俺の國では本当に日常茶飯事なんだ。

何処に敵が居るか分からん、そんな國だった。」

カティアはそれを聞いて小声で呟いた。

「だから、ドラグレイヴの人は嫌い。

私、自分の血を抜きたくなる。」

慶次はカティアの頭をポンポンと叩く。

「そんな悲しい事を言わないでくれ。

カティアはカティアだろ?」

その言葉を聞いてまたカティアが涙を流す。


いつも読んでいただきありがとうございます。


争いの無い世界でも喧嘩ぐらいは

あって当然ですよね。

街中何段々と形作られていきます。


では、次回をもお楽しみ方してください。


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