第20話
第20話です。
いよいよ慶次が城の外に出ます。
城の外にはどんな世界が広がっているでしょうか。
この帝国の街も紹介しますので、
楽しんでください。
城の門に着くとカティアが待っていた。
「ケイジ様、お待ちしておりました。
今から街へ行かれるとお聞きして。
あら?エリーナも一緒なの?」
「そうなの。
マエダ様の故郷の調味料が
あるかもしれないお店に行こうと思って。」
「あ、そうなのね。それは楽しみね。
ケイジ様の故郷の味ってどんな物かしら。
あ、それから護衛という事で第2兵団の誰かが
同行されるらしいです。
護衛なんて必要無いのに。」
「いやいや、必要でしょ。召喚者様だよ。
キャーキャー、言われて
身動き出来なくなるよ。」
慶次は我慢できずに大笑いした。
「キャーキャーとは何だ?
人が俺のところに集まるのか?
そんなに人気があると思わん。」
「え?ケイジ様、気が付かれていないのですか?
城の中でもケイジ様の噂で持ちきりですよ。
ちょっとは自覚を…。」
「あら、やだぁ〜。マエダ様ってば鈍感ですね。
侍女の間でもカティアは標的にされてるのに。」
「え?標的とは?
この國は敵はいないと聞いてたが。
カティア、お前大丈夫なのか!」
慶次の必死の形相に一同は驚いた。
「ケイジ様、大丈夫ですよ。
絶対に、ケイジ様が考えておられる様な事は
無いですから。」
カティアが必死に取り成す。
「エリーナ、ちょっとは考えて話をしてよ。」
カティアはエリーナに耳打ちをする。
「え?何が?
だって、他の侍女達にマエダ様のお世話係りを
代わってって毎日言われてるでしょ。
しかも、グレゴール様の耳に入ったら
怒られるから
すれちがいざまに耳打ちされてるでしょ。」
「エリーナ、貴方ねぇ。
ここにユリウス様がいらっしゃるの分かってる?
貴方の作るケーキは繊細で綺麗なのに
性格は大雑把で無神経なの?」
ユリウスは咳払いをし
「エリーナ、今の話は本当か?
本当ならば手を打たなければならないが。」
エリーナはすまして答える。
「本当ですよ。意地悪する人はいませんけど、
マエダ様のお世話係りを代わって欲しいって
みんなが言ってますよ。」
「エリーナ、いい加減にして!
ユリウスさま、大丈夫です。
みんな、ケイジ様とお話ししたいだけなんです。」
「明日から食堂で食べるから
その時に話をしようと伝えておいてくれ。
肝が冷えたぞ。俺のせいでとな。」
カティアはエリーナを睨む。
エリーナは涼しい顔をしている。
その様子を見てユリウスは
大袈裟にため息をついた。
「そんな調子で今日のマエダ様の
お相手が務まりますか?」
「大丈夫ですよ。任せてください。」
2人は声を揃えて答える。
「マエダ様、すみませんが
子守りをよろしくお願いします。
私はここで失礼します。
カティア、エリーナ、
ソルメラ街でヴァルターが待っている。
合流してちゃんとマエダ様に案内するように。
では、マエダ様、私はここで失礼します。」
「子守りってなんですか、ヒドい。」
エリーナが責めるのを
ユリウスは無視をして頭を下げて城の中に戻る。
「あぁ。色々と助かったよ。
では、街を案内してもらおうか。」
慶次も何事もなかった様に
2人に声をかける。
カティアも自分の事ではないという顔をして
返事をする。
「そうですね。ケイジ様、行きましょう。」
「え?私の事1人の事じゃないでしょ。」
エリーナは不満そうに呟く。
それを聞かなかった事にして
慶次とカティアは
ソルメラ街に向かう為に歩き出した。
エリーナも慌てて後ろに続く。
「ケイジ様、ここはお城で働いている者以外は
入れないのです。
あ、勿論招待されれば入れますが、
基本はお城で働いている者の家族以外はいません。
だから、安心して歩けます。
ソルメラ街に出たり
ブランタンシア街に入る時には身分証が必要です。
ケイジ様はこの帝国の話は
ユリウス様に聞かれました?」
「いや、明日に残り1つの王国と
一緒に習う事になっている。」
「あぁ、なるほど。
では、少しだけお帝国の中の
街の話をしますね。
この帝国は4つの街で出来ているんです。
1つ目はここです。
お城のあるブランタンシア街、
そして隣りの街が先ほどから
名前の出ているソルメラ街です。
ソルメラは城の外に出られる門がある街です。
この帝国からの出入りはその門と
ネヴァリス街の海からしか出来ません。
ソルメラは宿屋や商店などがあります。
そして、海に面しているネヴァリス街
それから野菜などを作っている農地の多い
オータネル街があります。
ここ、ブランタンシア街の隣りが
ソルメラ街でその隣りがオータネル街
そして海の街ネヴァリス街です。
ここからネヴァリス街までは
馬車で1週間ぐらいかかります。」
「中々、広い領地だな。1週間か、馬がいるな。」
「そうですね。
私達は普段は乗り合いの馬車で移動します。
私の田舎はオータネル街なので
3日間ぐらいですね。
帰るのに時間がかかるので
最近は帰っていませんね。」
「私はネヴァリス街の出身です。
冬にはとても寒くて
外に出られない日がありますね。
こっちに来てから全く帰ってません。」
エリーナ何言った。
「貴方、一度も帰ってないの?ご両親は?」
「もう、居ないわ。何年まえかしら?
凶暴化した魔物がネヴァリスを襲って
死者が出たって話があったでしょう?
あの被害者の中に私の両親もいたのよ。」
「え?初めて聞いたわ。」
「何と。それは痛ましい事だな。」
「知っているのは多分、
料理長とグレゴール様ぐらいじゃないかしら。
そんな話、誰にもしないわよ。
必要もないでしょ。
いつでも帰れるからって
帰ってなかった私も悪いんだけど。」
「そうなのね。
確かにあの事件が起こるまで
魔物が凶暴化しているって話は
よその国の話って感じだったものね。
実際、あの後に兵団の規模を大きくしたのよね。」
「そうね。
それでも、魔物の襲撃が治ったわけじゃないし、
被害は減ってないから。」
「中々、深刻な問題だな。
呑気に構えている場合ではないのだな。」
「そうですね。
でも、凶暴化って言われる様になったのは
本当にごく最近の事で
それまでは私達も城の外に
普通に出かけて行ってましたから。.
あの事件の前でも森や山には魔物がいたから、
私達も護衛を冒険者の方に
護衛を頼んで行ってましたし。
今でも、緊迫感がある様な無い様な感じですよ。」
「確かにね。
私も親がああいう事になって無かったら、
ここまでの気持ちには
ならなかったかもしれないわ。」
慶次は2人の話を聞きながら、
自分の役割をしっかり認識した。
「あ、ケイジ様。ここがソルメラ街に出る門です。
ここで身分証を見せるのです。」
カティア何身分証を門に立つ兵士に見せる。
「お、カティアじゃないか。買い物か?
ふむ、通ってよし。
あれ?マエダ様じゃないですか。
今朝はありがとうございます。
明日もよろしくお願いします。」
「お?ダリウス殿か。
今から買い物に行こうと思ってな。
明日もよろしく頼む。」
「マエダ様、『殿』はいりませんよ。
俺がアルドリック様から怒られる。」
「そういうものなのか?
では、俺も慶次と呼んでくれ。」
「分かりました。ケイジ様。」
「様も必要ないんだが。」
「そういう訳にはまいりません。」
2人は顔を見合わせて笑った。
「では、お気を付けて。」
ダリウスが頭を下げる。
慶次達は門の外に出てソルメラ街へと出た。
いつも読んでいただきありがとうございます。
いよいよ慶次が買い物に出かけます。
何が手に入るかは次回までお楽しみに。
次回は慶次が買い物三昧します。
どんなお店があるでしょうか。
日本の食材はどんな物が手に入るでしょうか?
次回、お楽しみにしてください。




