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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第18話

第18話です。


いよいよ、この世界、各国の話です。

それぞれがそれぞれの役割を

きちんとこなしてそれぞれの国を

支え合っているというのは

この世界での理想でもあると思っています。

少し長くなりますが、楽しんでください。


慶次はグレゴールに連れられ

ユリウスの元に向かった。

「しばらくはユリウスに

この世界の歴史を習ってください。

それぞれの国を理解する事で

この帝国の歴史も自然に覚える事ができます。」

「なるほど、

この國は他の国と深い関わりがあるのだな。」

「そうです。

この帝国は他の王国と

成り立ちが全く違うのです。

他の王国を知る事で

この帝国の事が理解していただけると思います。」

グレゴールはドアをノックし開けた。

「ユリウス、準備はできているか?

これから数日、マエダ様のお相手を

よろしく頼むぞ。

この国を理解してもらい

この国で生活してもらうからな。」

「おはようございます、グレゴール様、マエダ様。

準備はできております。」

「今朝も息災か。これからよろしく頼む。」


グレゴールが出て行き、

ユリウスが机の上に数冊の本を置いた。

「この本は帝国の子供達が

この帝国の歴史を学ぶ為に作らせた物です。

時間が空いた時にでも

復習の意味で読んでいただくと

理解しやすいと思います。」

「そうか。では、借りて行こう。」

「では、とりあえずはそうですね。

この世界の国々の話をしましょうか。

この世界には4つの王国と

1つの帝国があります。

それぞれが、精霊王の加護の元で

建国されています。

まず、それぞれの王国から始めましょうか。

そうですね。

今、お越しの召喚士の方々の

王国から話しましょう。

召喚士の方々の国は

『アクアリュシエ王国』と言います。

種族はエルフです。

実際にお会いになっておられるので、

分かりやすいかと。」

「リオレン殿の國という事だな。」

「そうです。あの王国の人達は魔法が得意です。

ダークエルフとハイエルフの2種族で、 

ダークエルフ種族は攻撃魔法が得意です。

ハイエルフ種族は治癒魔法が得意です。

ダークエルフとハイエルフの区別は肌の色です。

ダークエルフ種族は褐色の肌色です。

ハイエルフ種族は白色の肌色です。

アクアリュシエ王国の話をする時には

必ず魔法属性の話がついてきます。

属性については冒険者ギルドで

話を聞いていただく方が

分かりやすいと思うで、簡単に済ませます。

魔法属性は6つに分かれています。

そして、この王国だけに限っての事なのですが、

ダークエルフ種族は闇属性を

ハイエルフ種族は光属性を

必ず持って産まれてきます。

だから、ダークエルフ種族は攻撃魔法が

ハイエルフ種族は治癒魔法が

得意という事になるのです。

ダークエルフ種族とハイエルフ種族の間に

産まれてきた子も肌の色で分かれます。

そして、他の4つの属性も持って産まれるのです。

ただ、ごく稀に光属性も闇属性も

持って産まれてくる子がおります。

1万年〜2万年に1人。それ以下の割合ですね。

その子は攻撃魔法も治癒魔法も得意とし

自分の持つ属性の最高レベルの魔法を

習得できると文献にはありました。

まぁ、私達はアクアリシュエ王国の人達よりも

長命ですが、そういう子が産まれたと

聞いた事ははありません。

光と闇以外の4つの属性は魔力を

持っている者ならば

1つは必ず持っておりますし、

4つの属性はこの世界では

当たり前の存在ではあります。

そういった意味では

アクアリシュエ王国の人達は

この世界で、特異な存在です。

エルフ種族は精霊王ウンディーネ様の

お子達でウンディーネ様の加護で

アクアリシュエ王国は建国されました。

聖女様が蒼水の聖女と呼ばれています。

今は水瀬凛様が聖女として

王国の保護をされております。

国王様はフレイヤ様という王女です。

この王国はこの世界の中で

個人個人の魔法保有量は一番ですね。」

「なるほど、精霊王の加護とは?

それは守りの事では無いのか?」

「確かに、加護は守りではありますが、

万全ではありません。

精霊はこの国にというかこの世界ですね。

この世界に精霊王が

干渉するのに制限があります。

それぞれの王国はそれぞれの精霊王のお子です。

しかし、だからと言って加護を

無限に渡す事はこの世界の理を

崩しかねないので制限があるのです。」

「なるほどな。

この帝国にはその言い方だと

加護が無いという事か?」

「マエダ様、鋭いですね。

その通りですとは言い切れませんが、

概ねそうなのです。

精霊王レリアデス様が

私達を不憫に思いこの帝国を

お造りになってくださったので、

あるとは思うのですが、

王国よりも少ないです。

でも、それは致し方ない事です。

私達はレリアデス様の

お子ではありませんから。 

これは他のそれぞれの王国の話が終わり、

我が帝国の話になればご理解出来ると思います。」

ユリウスは慶次の勘の鋭さに驚いた。


「ここまでで何かご不明の事はありますか?」

「大丈夫だ。」

「分かりました。

では、次の王国の話をしましょう。

そうですね。次はグラネイド王国の話をしましょう。この国の種族はドワーフ種族です。

ドワーフ種族は色々な物作りに長けております。

慶次様のお使いになっている箸という道具も

この帝国にあるゼフィールという店の物で

その店主はグラネイド王国出身です。

作って欲しい物の絵を描いて

素材と一緒に持って行けば

大概の物は作れます。」

「ほぅ、キセルも作れると聞いておったが、

絵と素材で作れるという事か。」

「そういう事です。

その作成にも魔法が必須ですので、

この王国の人達も魔法保有量は多いです。

そして、この王国の人達は

他の王国の人達と結婚をしません。

だから、建国されてからこの王国の人達は 

ずっと同じ血を受け継いで生活しています。

この国の物作りの魔法は少し特異でして、 

別の血が入る事を望んでいません。

理由は属性が無いに等しいのです。

あるのには変わらないのですが、

魔法を使う者としては

無いに等しいという事です。

ですから、自国の者同士で結婚し

子孫を残すのです。

別の国の者と結婚して

子供が出来ると属性は必ず付いてきますから、

この国の者にとって大切な

物作りが出来ない可能性があると

言われています。

精霊王ノーム様の加護で建国されました。

国王様はフレデリク王。

聖女様が大地の聖女の

ガーナト アマ ボアテング様です。 

物作りに長けていますので、

各国に店を出し、それぞれに必要な物を作って

生活しています。

勿論、自国でも色々な物を作って売っています。

穀物や野菜もそして家畜ですね。

この王国の作る物でこの世界の

大半の食糧をまかなっています。」

「一國の作った物でこの世界を潤しているだと?

それは凄い國力だな。」

「そうですね。

まぁ、それぞれの国に

移り住んでいるグラネイド人がおりますから、

グラネイド王国で出来た物ではありませんが。」

「この國が一番恐ろしい國では無いか。」

「そうかもしれませんね。

この王国に逆らうとそれぞれの国は食べ物や

魔道具が手に入らなくなるので

他の国はたちまち困ってしまいます。」

ユリウスは少し笑って答えた。

「だからこそ、この世界は各国が協力し合い、

助け合って生活しています。」

「なるほどな。理想の世界だな。」

「そういう事になるのでしょうか?

マエダ様の国には無いのですか?」

「そうだな。他の國と協力し合ってはいるが、

それはその時の刻の流れで

大きく変わったりするからな。」

「そういう事が私には理解が出来なくて。

他国と争うなど考えたことも無く。

他国もそういった事が無いと思っております。」

慶次は深く頷いた。

「俺もユリウス殿も同じだろう。

國の理が違いすぎるが故にな。」

「そうですね。

この世界の敵という物は

魔物以外は有り得ませんから。

その魔物でも、この世界では

助けてもらう事もありますので。」

「確かにな。

この世界には裏切りという言葉は

無いという事だな。」

「そういう事になります。

しかし、この国でも個人単位では

裏切りはあると思います。

が、国単位で言うと無いです。

持ちつ持たれつですから。」

「理想の世界だな。

俺の國もそうなって欲しいものだ。」

慶次はこの世界に自国の理想を見た気がした。 


「では、3つ目の王国の話で

今日は終わりにしましょう。

最後の1つの王国と我が帝国の話は

明日にしましょう。

この二つの国は切っても切れない関係なのです。

今日の最後の王国はシルヴァディア王国です。

この王国は鬼人種族です。

精霊王、シルフ様のお子達の王国です。

エレオノーラ王女が国を治めています。

この王国は薬の製造に長けており、

薬草を組み合わせ薬を調合しています。

当然ですが、魔法を使い調合しますので

魔法保有量はありますが、

そこまで魔法に頼らないので、

グラネイド王国の人達よりも

魔法保有量は少ないですね。

薬草もこの王国で栽培していますので、

城の外で採取するのも少ないと聞きます。

聖女様は翠風の聖女

シャーロット アシュフォード様です。」

「なるほど、

俺の國でもお館様の『命』で

薬草を栽培しておったな。」

「マエダ様の国でも

そういった事が行われていたのですね。」

「そうだな。その方が効率も良いだろ?」

「確かにそうですね。

それでも、魔物や城の外で採取する事が

必要な薬草物のもありますので、

栽培で6割で採取で4割という感じだと思います。

発症した病気によっては、

魔物からの採取か必要な物もありますので。」

「何と、魔物からも薬草何採れるとな。」

「はい、一言に魔物といっても 

動物以外に植物の魔物もおりますから。」

「草木にも魔物がおるのか。

信じられん世界だな。」

「武器や防具でも

魔物の素材で作る物も多いですよ。」

「ほぅ、武器や防具もか。

考えられん事だな。」

「そうでしょうね。

この世界では魔物の素材から

作られた武器や防具には

魔法が込められる様にできていますので、

とても大切な素材の1つです。

魔石も同じですね。

魔石は魔物を倒した時に手に入ります。」

「魔石もそうなのか。」

「そうです。

魔物を倒すと身体の中から出てきます。

魔物の種類や強さによって

出る魔石が違うのです。」

「なるほど。

という事は魔物の種類や魔石の種類を

覚えなければならないという事だな。

冒険者は色々と大変だな。」

「そうですね。

だからこそ、最初は経験のある冒険者の方々と

共に行かれる事をお勧めします。

最近は特に経験のある冒険者ですら、

命を落としたり怪我をして帰ってきたり

しておりますので。」

「なるほどな。

それが魔物の凶暴化という事か。」

「はい、その通りです。

以前なら街へ攻める事が無かったのに

攻めてきたりなど被害が増えております。

上位ランクの冒険者ですら

手を焼く事もある様で。

こちらとしても頭の痛い事です。

ただ、魔物はこの世界では

どうしても必要な生き物ですから、

無碍に扱えないのが現状ではです。」

「確かに、頭が痛くなるのも納得できるな。」

ユリウスは頷く。部屋の時計を見て、

「マエダ様、ちょうどいい時間ですから

今日の歴史の勉強はここまでにしましょう。

午後からは街で商店などを

回られると聞いております。」

「そうなのか?

では、キセルを作ってもらえるな。

この世界の煙草とやらを

試したい衝動に駆られたよ。」

「タバコですか?

私は吸いませんが、ご用意しましょうか?」

「そうだな。

キセルが出来るのがいつになるか分からんだろ?」

「先程も言いましたが、

素材と絵があればすぐに出来ますよ。

作る工程を見れば、

マエダ様は驚かれると思いますよ。

しかしまずは、昼食ですね。

マエダ様はご自分の部屋で食べられますか?」

「昼食か。そうだな。

食堂で食べても大丈夫か?

グレゴール殿には明日から食堂で

食べるとは言っておいたんだが。」

「そうなのですね。確認しましょう。」

ユリウスはブレスレットを指で押し話す。

「マエダ様の昼食は食堂でも大丈夫か?」

しばらくして、机の上に置いてある

ブローチから声がする。

「食堂で食べられるのですか?

では、その様に手配します。」

カティアの声だった。


慶次は驚いてユリウスを見る。

「これはどの様な仕掛けだ?

声がそこから聞こえだぞ。

この國は恐ろしい國だな。」

ユリウスは笑いながら話す。

「実際に声が届くところは初めてでしたね。

これが魔道具です。

私の腕のブレスレットで声が

別の場所にあるブローチに届きます。

そして、もう片方にも同じ様に

ブレスレットをした者がそれを聞いて答える。

これの不便なところは

ブレスレットとブローチが対なので

それぞれがブローチを必ず持ち歩く事と

対のブローチにしか声が届かないという事ですね。」

「いや、それでも便利ではないか。」

「知らない方からすればそうでしょうね。

私はこの魔道具が当たり前でしたので、

便利な反面不便と感じます。」

慶次は改めてこの国と魔道具の奥深さを知った。

いつも読んでいただきありがとうございます。


やっと、この世界の国の話がかけました。

慶次の知らない世界の知らない国の話は

慶次の中でどう響いたのでしょう。

争いの日々を駆け抜けた慶次が

争いのない日々をどう歩いていくのか。

次回をお楽しみにしてください。


次回は最後の王国とこの帝国の話をします。

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