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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第15話

第15話です。


刀と剣を何となく使い分けしていたのですが、

使い分けした方がいいぐらい違う物でした。

持ち方も使い方も全く異なりますね。


こういった話を書く時に事前に

色々と調べてはみるのですが

自分自身が知らない事を知るのは楽しいです。

朝日が地平線から顔を出す少し前に

慶次は普段通りに

修練場で朝の鍛錬をしていた。


昨日使っていた棒に錘りを付けて重くし、

型をやっていく。

精神を!集中し、繰り返し同じ型をやっていく。


慶次は槍の名手ではあったが、 

冒険者として槍だけでなく

他の武器も槍同等に

扱える様にならないと

言われていた事を思い出し、

部屋の隅にある刀などを

使って型を決めていく。


(この刀は俺の物と勝手が違うな。

誰ぞに習った方が良いな。)


しのびとして習得したものが

この世界での色々な武具の鍛錬に

確実に役に立っている。


(槍に拘らず、色々な武器を

こなせるようにならないとな。)


朝日が修練場に差し込み始め気持ちがいい。


慶次は再度今度は短刀を持ち精神を集中する。

精神を集中し短刀で構えた時

修練場の外から人の話し声が聞こえた。


「昨日の宴は楽しかったぞ。

珍しい味付けの料理も旨かった。

毎日でもいいと思ったよ。」

アルドリックの声だった。

慶次は構を解きドアの方を見た。


「おはよう。遅かったな。

もう日が昇っておるぞ。」

「え?マ、マエダ様?

昨日の宴が終わったのは

深夜の2時は回っていた。

そして、今は朝の6時半だ。

これでも、早い方だと思っていたのに。」

アルドリックは目を丸くした。

そこには既に鍛錬を

存分にしている様に見えるの

慶次が立っているのだから

驚くのも無理もない。


(まるで、ヴェイルじゃないかよ。

バケモンか、この人は。)

「え?マエダ様、

ちゃんと寝ました?

昨日の夜は遅かっではないですか。」

「ん?普段と変わらないぐらいは寝たぞ。 

久しぶりに何も心配せずに寝られたわ。」

大笑いして慶次は答える。

それを聞いてアルドリックは

背筋から冷や汗が流れた。

そして、納得する。

(この方はそういう方だったな。

死を背中合わせに

生きて来られたのだから。)


「マエダ様の鍛錬は終わったのですか?」

「いや、槍と刀の方は終わったが、

次は短刀をと思っておったら

お主達がきたからな。」

「では、ご一緒させていただいても?」

「俺はいいが、お主達は大丈夫か?」

「マエダ様の剣捌きをぜひ見たいです。

あ、それから第1兵団の兵士を

紹介させてください。」


「私の班は私とセリーヌ、

ダリウス、カイル、です。

今、夜の警護に4人と休暇なのが4人の

合計12人が第1兵団の兵団になります。」


「召喚者、マエダ様、よろしくお願いします。」

一同は慶次と挨拶を交わした。

「これから、よろしく頼む。

では、鍛錬に戻ろうか。」

慶次は短刀を持ち再度精神を集中させる。

慶次の周りに風が起こった。

短刀を突くと風が渦巻く。

慶次は続けざまに型を決めていく。

その度に風が吹き荒れ

窓硝子がガタガタと揺れた。

「マエダ様、いつもこの様に風が吹くのですか?」

アルドリックは目を細めながら慶次に聞いた。

「風?いや、吹いておらんよ。」

慶次は驚き、辺りを見渡す。

慶次以外の4人は驚いて立っていた。

「マエダ様が構えた時と

型を披露されている時に風が浮き荒れましたよ。

窓硝子もガタガタ鳴っていましたし。」

「窓が?鳴っておらんが。」

慶次と兵士達は顔を見合わせた。

「ふむ、俺には全く聞こえなかったが、

そんなに風が吹いたか?」

「吹きました。」

一同は困惑して考え込んだが

「まぁ、そういう事も

この世界ではあるやも知れぬな。」

慶次はサラリと答えた。

慶次はこの世界が自分の概念が

全く通じない事を召喚されてから

嫌と言うほど痛感していた。

なので、もう驚くのを止めた。

「お主達の鍛錬はどんな風にするのだ?」

慶次に聞かれてハッと

アルドリックは我に返り

「私達は二手に分かれて

実践形式でやっております。」

「なるほど、それも大切だな。

見せてもらっても?」

「勿論です。

では、少し準備運動をさせてください。」

「そうか。では、俺はここで

しばし、鍛錬をしておくか。」

慶次は短刀遠構えて何度も型を決めていく。

その度に風が吹き荒れるので、

兵士達は風を受けながら

ストレッチをしていかなければならなかった。

その様子を見ていた慶次は

「その動きはなんだ?」

と尋ねた。

「これは『アップ』と言って

鍛錬をする前に体を温めて

動きやすくするのです。」

アルドリックは動きを止めずに答えた。

「ほぅ、それは面白そうだな。

俺もしてみたいな。」

「そうですね。

マエダ様は既に鍛錬を始められて

体は温まっておられるとは思いますが、

明日から『アップ』をしてから

鍛錬をされると体が動きやすくなりますよ。

怪我も少なくなりますし。」

慶次は兵士達の動きを真似て

『アップ』を行った。

「これは凄いな。

体がいつもより動きやすくなる。

明日からこれを取り入れよう。」

『アップ』を兵士達と一緒に行って

慶次は驚いた。

(この動きは体の隅々が滑らかに動く。

この國の技は底が深いのかもな。)

『アップ』をした後に兵士達は

それぞれ2人で剣を持ち撃ち合っていく。 

その動きも慶次の知らない型だった。

(同じ様な刀を持つのに型が全く違うな。

これは教えてもらいたい。)

慶次はアルドリックに

「俺にもその型を教えてくれるか?」

と聞いてみた。

アルドリックは

「マエダ様もやってみられますか?

では、私としてみましょう。

マエダ様持ちこちらの剣を。」

模擬剣を慶次に渡した。

「これは、俺の知っている刀と違うな。

面白い形だな。柄が大きいな。持ち方は?」

「マエダ様の剣と変わらないと思いますよ。

とりあえず、いつもの様に持っていただけますか?」

アルドリックは木製の剣を慶次に渡した。

「俺の持ち方はこんな感じだな。

まぁ、俺自身が

刀を使う事が少ない故に 

刀は自己流だがな。」

「なるほど、その持ち方の方が

やりやすいですか?

マエダ様の剣は片刃ですので、

両刃の剣とは持ち方や使い方は違うと思います。

この国の剣は両刃なので持ち方はこんな感じで。」

アルドリックは模擬剣を持って見せた。

慶次も渡された剣を教えられた通りに握ってみる。

「持ちにくいな。慣れるまで時間がかかるな。」

「持ち慣れた剣の方がいいのではないですか?

ぜフィールズの店で作ってもらった方が

良いと思いますよ。」

「そうだな。

しかし、両方を扱えた方が

何かあっ時に良いのではないか?」

「確かにそれはそうです。

片刃の剣はこの国にはありませんので、

緊急の時には両刃を扱う事もありますから。」

「そうであろうな。

では、両刃の刀の使い方を教えてもらおう。」

「そうですね。 

私で良ければお教えしますよ。

ただ、今日は時間的に大丈夫ですか?

陛下が朝からマエダ様の今後を

話し合ってと仰られておりましたよね?」

「おぉ、そうだったな。 

楽しすぎて忘れるところだったわ。 

今は何刻だ?」

「時間ですか?

えっと、7時半を過ぎておりますね。」

「これはいかん。

朝食あさげを7時過ぎに用意すると 

言われておった。

申し訳ない、明日朝の鍛錬に

手合わせしてもらえるか?」

「分かりました。

明日も私達はこの時間には

修練場にて鍛錬をする予定ですので、

その時に。」

「では、よろしく頼む。」

慶次は慌てて修練場を後にした。


いつも読んでいただきありがとうございます。

いいねもしていただいて

ありがとうございます。

 

朝の鍛錬に『アップ』を取り入れてみました。

体を温めて筋肉をほぐす。

今では当たり前の事でも

昔には無かった事ですよね。


今回、この世界のあらましをと

思っていたのですが、

次回に持ち越しました。


それでは次回をお楽しみに。

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