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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第14話

第14話です。


今から歓迎の宴が始まります。

故郷の味は再現は出来たのでしょか?


知らない国の味は冒険だと思っていますが、

やはり自国の味が最高だと思っています。

日本でも各地域で味が違いますよね。

私はやはり、自分の生まれ育った味が

最高だと思っています。

皆さんも同じではないでしょうか?

ましてや異国の地で自分の故郷の味が

味わえたら最高ですよね。


グレゴールは一つのドアの前に立った。

「マエダ様、こちらで陛下方がお待ちです。 

中に入りましょう。」

「そうか。待たせてしまったかな?」

「大丈夫ですよ。」

グレゴールはドアをノックした。

「入れ。」

中からアシュレインの声がした。

ドアを開け、グレゴールが頭を下げる。

「陛下、マエダ様をお連れしました。」

「ご苦労、下がってよいぞ。

ささ、マエダ様こちらへ。」

「失礼する。」

慶次は部屋の中に入った。

先ほど会ったレオニスと女性が1人座っている。


「マエダ様、服は如何ですかな。

私の服で申し訳ないが、

体に合うたのならいいのですが。」

「この服は先ほど借りた物より心地いい。 

おかしくはないか?」

慶次は袖を広げた。

眩い光がまだ続いていた。

「これは…。」

アシュレインは息を呑む。

(なんという事だ。

このお姿は本当に精霊王が

この地に降臨された様な…。)

「先ほどの服より威厳が増して神々しい。」

「そうか?それなら良かった。

服を着せられている感じがしてな。」

慶次は照れくさそうに笑う。

(おいおい、この人。

前よりも神々しいじゃないか。)

レオニスは微動だにせず慶次を見つめていた。

その空気を遮る様に女性が立ち上がり

「召喚者、マエダ様。

ようこそ、エグザリサ帝国へ。

私は皇后のセラフェナと申します。

こちらは先ほど会われたと思いますが、

皇太子のレオニスですわ。

後、第2皇子第3皇子と末に娘がおります。

下の3人は成人しておりませんゆえ、

今回は遠慮させていただきました。

今度、お茶会を開催させていただく時にでも

その3人を紹介させていただきます。」

「丁寧な挨拶、痛みいる。

お茶会とな?

成人されていないお子でも茶会に出るとは、

流石は帝国のお子達だな。

楽しみにしております。」

一通りの挨拶を済ませ、部屋を移動する。

「マエダ様、今日は存分にし楽んでくだされ。 

急な事で間に合わせしか出来ないのが心残りだが、

まだ挽回も出来るであろうと思っております。

では、行きましょうか。」

アシュレインを先頭に

慶次、セラフェナ、レオニスと続く。

アシュレインは大きなドアの前に立ち

「では、参りましょう。」

と中に入って行く。


部屋の中には大勢の人達が集まって

拍手をしていた。

アシュレインはゆっくりと右手を挙げ

それに応える。

最前列の中央にテーブルがあり、

アシュレインが中央の席の横についた。

「ケイジ様は私の右隣りが

お席になっておりますので、

私同様、椅子の右側にそうそこです。

そこにお立ちください。」

後ろを歩いていたセラフェナが慶次の隣に 

アシュレインの左隣りにレオニスが同じ様に立つ。


「今日は素晴らしく良い日だ。

召喚者様がこの世界にやって来てくださった。

精霊王へリアデス様に感謝を。

この帝国に未来永劫の安寧を。

召喚者、マエタケイジ様に心より感謝を。

では、マエダ様から一言お言葉を。」

アシュレインは慶次を見て軽く頷く。

「前田慶次と申す。

これから、色々と手を煩わせるやもしれんが、

よろしく頼む。」

慶次は深々と頭を下げた。


招待客からは惜しみない拍手が送られた。


アシュレインがグラスを持ち

「精霊王へリアデス様に

日頃からお守りして頂いている感謝を。 

我が帝国に安寧を。では、乾杯。」

アシュレインがグラスを高々と上げた。

その時、天井から眩い光が降り注いだ。

慶次はその光が眩しすぎて目を細めた。

アシュレインは驚いて

キョロキョロと辺りを見渡している。

会場に集まった人達は

口々に『精霊王の祝福だ』

と言い合っている。

天井から降り注いだ光は

キラキラと光りながら収まった。

会場に割れんばかりの拍手が響いた。

アシュレインは満足そうに頷く。

「急な呼び出しに答えてくれた皆に

精霊王からの祝福を。」

祝福の光が注いだ事もあって

会場の人達は一様に安堵の表情を浮かべている。

「これで魔物から身を守れるな。」

「そうだな。一安心だ。」

「街の外には私達だけでも出られるかしら?」


慶次の召喚で魔物が帝国には来ないと

思っている様だった。


慶次は改めて自分の身に

自分が考える以上の責任の重さが

かかっている事を実感した。

(しかし、魔物の襲来は

俺の力では駄目だという話だ。

大丈夫なのか?)


そんな慶次の気持ちを

全く知らない来賓客が

慶次に次々と挨拶に来る。

アシュレインが1人1人の紹介をし

慶次はその度に握手を交わした。

(ゆっくり食事を堪能する暇も無いな。)

慶次は苦笑いした。


「マエダ様、紹介しましょう。

こちらの世界の事を学ばれた後に

行っていただく、

冒険者ギルドのギルドマスターの

レオナ ヴァルキュリアです。

それから、商人ギルドのギルドマスターの

ロザリンド フェンネルです。

これからマエダ様が冒険者として

活動される時に出発前には冒険者ギルド、

帰って来られたら商人ギルドに

行っていただく事になります。

行きは冒険者ギルドで依頼を受けて

捕獲や退治したり採取したりして

こちらに帰って来られて魔物の素材等を

商人ギルドに行って鑑定してもらうのです。

冒険者達の一連の流れは

そんな感じで進んでいきます。

当然ですが、他の冒険者達と

魔物の凶暴化についても

調べてもらいますので、

冒険者ギルドで他の冒険者と

会っていただく事になります。

最初の依頼の時も他の冒険者と

一緒に依頼をこなしていただきます。」

「なるほど、中々充実した日々だな。 

とりあえずは前から聞いておる

冒険者登録が必要だという事だな。」

「そうですね。

私は冒険者ギルドのギルドマスターの

レオナ ヴァルキュリアです。」


レオナは手を出して頭を下げた。

「マエダ様ですね。

これから、よろしくお願いします。

ギルドマスターとして期待しておりますわ。」

慶次は差し出された手を握る。

「まだまだ分からない事ばかりでな。

手間をかけさせるとは思うが、

よろしく頼む。」


「この者は商人ギルドの

ロザリンド フェネルです。」

ロザリンドはレオナと同じ様に 

手を出して頭を下げた。

「商人ギルドのロザリンドです。

冒険者の方々の色々な素材を

鑑定し買っております。

これから、よろしくお願いします。」

慶次は手を握り

「こちらこそ、よろしく頼む。」

アシュレインは満足そうに頷く。

「これからマエダ様には

冒険者としての活躍を期待しております。」

「そうだな。

期待に応えられるかは分からんが、

とりあえずはやってみる。

今日、来てくれた客の期待が

大きいのに驚いたが、

俺なりにやれる事はやると思ったな。」

「そうですね。

まだまだ、マエダ様が召喚された意味も

私達も分かっておらんのが現状で、

マエダ様には申し訳ないが、

明日の朝にもしかしたら

何か分かるかもしれんのです。

明日、もう一度話をしたいと思っております。」

「明日になれば、何が分かるかもという事か?

それなら、明日の朝にきちんと

自分の事を分かればいいな。」

一通り、来ていた人との挨拶を終わらせ、

慶次はようやく食事に手をつけた。


見た事のない食材が並んでいるが、

どれも懐かしい味がした。

「これは俺の國の味に似ているな。」

慶次は嬉しそうに食べ始めた。

「お気に召しましたか?」

料理長のアルドリックが話しかけてきた。

「お、料理長だったか?

この味は俺の國の味に似ている。嬉しい限りだ。」

「それはよかったです。

グレゴールが買ってきた調味料が

かなり優秀で色々な料理に使えて助かりました。

マエダ様のお国の味が出たのなら

こちらも料理人冥利に尽きます。」

「明日、時間があれば

その店に行こうかと思っておったのよ。

他の調味料も気になるしな。」

「そうですね。

マエダ様のお国の調味料があれば

間違いなく色々な料理が作れます。」

アルドリックは満足そうに

慶次の側から離れた。

宴は夜遅くまで続いた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

いいねもありがとうございます。


歓迎の宴が始まりました。

知らない国でも自分の国の味に出会えたら

嬉しくて泣いてしまうかも。

歓迎してくれる人達の温かさと

精霊王からの祝福(?)は

知らない国では慶次は感無量だったと思います。


次回からようやくこの世界の話を書きます。

ここまではプロローグじゃなかったのかと

思ってしまいます。

ノロノロ進んですみません。


では、次回をお楽しみにしてください。

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