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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第105話

第105話です。


仲間のゴーレムが無事でした。

前に会ったゴーレムもそうでしたが、

迷子になってました。

とりあえずは山へ送ります。


では、楽しんでください。

ゴーレム達が自分の山に戻ると

先程のゴーレムが驚いた様にこちらを見た。

ゴーレム達は仲間と会えて

嬉しそうに向き合っている。

《松風》がゴーレムが近づき話しかけた。

ゴーレム達は《松風》と話しをしている。

《松風》は頷き慶次の元に戻る。

『殿。ゴーレムがありがとうと。

クラーケルが襲って来た時は終わりだと思ったと。

あのクラーケルは赤い目をした

悪魔だと言うております。』

『ほぅ、赤い目とな。

という事は凶暴化しておったという事だな。』

『そうでしょうね。しかし、何が目的で

ここまで海の魔物が来たのかが謎です。』

『確かにな。これは厄介だな。

後手にまわっておるな。』

『そうですね。

しかし、仕方ない事かと。

凶暴化した魔物に私達が毎日出歩いてたといえ、

簡単に会えるものではありません。

情報に聞いて動くのですから、

後手に回るのも当然かと。』

『確かにな。

簡単に会えれば俺が居なくとも困らんわな。』

「エルネーゼ、とりあえず山を降りるか。

もう少し報酬が多い方が良いのではないか?」

「それはそうですが、

時間的にも無理ではないですか?」

慶次は

「まぁ、日が暮れても

俺もヴェンも居るから大丈夫だろ?」

と平然と話す。

「確かにそうですが。

時間的に難しいと思うのですが。」

とエルネーゼは困惑した表情を見せる。

それを見てゴーレム達が話しをしている。

ゴーレムが岩の後ろから

ゴソゴソと何かを取り出した。

《松風》がゴーレムと話しをしている。

『殿。ゴーレムがこれをお礼にと。』

ゴーレムが《松風》に渡した物の説明をしている。

『殿。これは白銀(プラチナ)だそうです。』

『ほぅ。白銀(プラチナ)とな。

これは貰って良いのか?』

『助けてもらったお礼だと。

鉱山で手に入れたと話しております。』

『それは有り難い。ここの山には鉱山があるのか。』

「エルネーゼ、ゴーレムからのお礼だそうだ。

この山の鉱山で手に入れたらしい。

俺らの話が聞こえたか?」

「え?白銀(プラチナ)ですよね?

良いのでしょうか?

それはあり得ませんよ。言葉は通じませんから。 

でも、鉱山を持っているゴーレムですか。

ちょっと面白いですね。」

「助けてもらったお礼だそうだ。

遠慮なくもらっておこう。

鉱山は人の物では無かったのだな。

しかし、エルネーゼ、決め付けは良くないぞ。

ヴェンもエルネーゼの話は

理解しておると俺は思うぞ。」

エルネーゼは驚いた顔をしてヴェンを見る。

ヴェンはエルネーゼを見つめた。

「前にも慶次に言われましたが、

実感が無いんですよね。」

慶次がそれを見て微笑み

「まぁ、ヴェンの動きを良く見る事だな。」

と話す。エルネーゼはヴェンの頭を

ソッと撫でて頷いた。

慶次が

『《松風》ゴーレムにお礼を伝えてくれ。』

《松風》が頷きゴーレムにお礼を伝える。

ゴーレム達は慶次にお辞儀をした。

慶次達はゴーレムと別れて先程の草原に戻って来た。

「さて、とりあえずは

依頼はこれで無事に終わったな。」

「そうですね。かなりの意外な結末でしたが、

慶次が居なかったら分からなかったですよ。

まさか、クラーケルが山に居るなんて。」

「そうだな。海の生物は陸にはいないモノだしな。

まぁ、依頼も終わった事だし、素材収集といくか。

先程の白銀は山分けしよう。

それなら、エルネーゼも気を使わんで良いだろ?」

「え?良いのですか?」

慶次は頷く。

「ヴェンが活躍したのだからな。」

「分かりました。

それでは、遠慮なくいただきます。

では、素材探しをしましょう。

この草原には川が流れていますので

イクサルが泳いでいます。

ティターンやケルガザルも居ますが、

流れが早いので数は少ないです。

川に沿ってもう少し行くと湖があるんです。

そこにはアンカリスが居るかもしれません。

今の時期はまだここに居るはずです。

もう少し寒くなればドラグレイヴの方へ

住処を変えるはずです。

魔物といえど生態はは動物と一緒ですね。

ここの草原は草が豊富に生えているので、

エクェノールやモルヴァクスが居ると思いますよ。」

「ここは動物も魔物も

色々と生息しておるという事か。」

「そうですね。

なので、日帰りをする冒険者達は

ここまで来る事が多いと思います。

この草原が日帰りのギリギリの距離だと。

ここに来て帰るだけなら半日もかかりませんけど、

魔物の討伐の時間を考えると

ここが日帰りの境界線でしょう。」

「なるほど。

とりあえず、湖の方まで行って休むとしようか。

日陰があるか?」

「えっと、確か湖の周りに木が

生えている所があったはずです。」

「では、そこれへ向かうか。」

慶次達は川の流れに沿って歩いて行く。

「綺麗に整備されておるな。

向こうへ行くとグラネイドへ行けるのか?」

「そうです。

まぁ、馬車で1ヶ月はかかりますけどね。」

「かなり離れておるな。道中は野営か?」

「そうですね。

昔、私達の先祖がドラグレイヴから出た後に

他の3国を経由してあの地に留まるまでに

村を作った名残りはあります。

その村に残った者の子孫が

生活をしているはずです。

村人の人数が少なくなれば

人の多い村へ移動したりしているので、

村の数は昔より随分、減りました。

村から町へ発展した場所もあります。

ヴェルナシアという町ですが、

ここからだと10日ぐらいかかりますね。」

「そうなのか。

まぁ、人々の流れで廃れる村も

発展する村もあるだろうな。」

慶次達は道を外れ湖に向かう。

膝下ぐらいまで草が生い茂っていた。

「こういう所には毒蛇が隠れておる事が多い。

《風魔》お前は特に気を付けろ。

噛まれたら死ぬからな。」

『殿。分かりました。僕、気を付けるよ。』

道なき道を進み湖に着いた。

木陰で休息を取る。

ヴェンは『風魔』を連れて草むらを走り回る。

《風魔》はヴェンを必死に追いかける。

途中で右に進み、草むらに飛びつく。

ヒョコリと顔を出した口には

レポリンが咥えられていた。

ヴェンは嬉しそうに《風魔》を見る。

《風魔》は

『殿。1人で捕まえられたよ。凄いでしょ。』

慶次は《風魔》の頭を撫で

『これは見事だ。ヴェンのおかげだな。』

と目を細める。

エルネーゼは

「慶次は《風魔》の親ですね。」

と笑う。

「そうだな。

いやしかし、これもヴェンのおかげよ。

親はヴェンであろう。」

ヴェンは慶次に擦り寄る。エルネーゼは

「え?ヴェンったら。私にもそんな事しない癖に。」

とケラケラ笑う。

ヴェンは耳を伏せてエルネーゼの傍に寄る。 

エルネーゼはその頭をゆっくりと撫でた。

「ヴェンはエルネーゼに

そういう事をするのは照れくさいのであろう。」

「そうなのですか?話せないのは難しいですね。」

「俺とてヴェンとは話せんよ。

何となくそう思っただけだ。

基本は気高き魔物であろう。」

「そうですね。

シルヴァディアでは神獣と崇めている様です。」

「ほぅ。

シルヴァディアはフェンリルを崇めているのか、

俺の國の様だな。

あの國は俺の國に本当によく似ておる。

一度、行ってみたいものよ。」

「そうですね。食べ物の味も

似ていると聞きました。」

「そうだな。酒も味も馴染みの物が多いな。

着物は知らんが見てみたいな。

俺の國を思い出させてくれる國だな。」

それは、エルネーゼには分からない感情だった。

それは、エルネーゼがこの世界で生きていたからだ。

家に帰ればいつも通りの部屋がある。

街の中にはエルネーゼ自身を

子供の頃から知っている人達がいる。

もし、自分が慶次と同じ環境に立たされたらと

考えるとゾッとした。

今まで、深く考えて事が無かった。

慶次がこの世界で生きていたかの様な

錯覚に陥るほど馴染んでいたからかもしれない。

自分が同じ立場だったら、

こんな気持ちで生活できる強さはない。

エルネーゼは改めて

慶次の本当の強さを見た様な気がした。

「慶次、ここからどうしますか?

依頼は達成できましたし、

慶次の魔物情報もゴーレムの件、

クラーケルの件で達成しましたよね?」

「そうだな。

もう少し、この草原を歩いてみるのも

一つの手ではあるがな。

向こうの山はどんな環境だ?」

慶次は湖のはるか向こうの山を指差す。

「あの山を越えて少し行くと村があるはずです。

峠にはその村人がやっている

休憩が出来るお店があります。

昨日の山や先程のゴーレムの山の様に

人の手が入っていない山とは違い

綺麗に整備されていると思います。

魔物の目撃例も少ない印象ですね。

でも、山羊や鹿が居るかもしれませんね。

ただ、整備された山なので

魔物も動物も少ないと思います。」

「峠茶屋か。

人々の行き来が多いと

こちらに出ていない情報もあるやもしれんな。

どれぐらいで着く?」

「ヴェンの足なら3時間ほどでしょうか。

歩くとなると半日はかかります。」

「そうか。では、その茶屋を目指すか。

そこから帰れば夜には帰れるだろう。

エルネーゼはそれでも良いか?」

「そうですね。大丈夫です。

もし、夜遅くになってしまえば、

マスターへの報告は明日にでもすれば良いですし。

受け付けはずっと空いていますから、

鑑定には困りませんよ。」

慶次達はエルネーゼの話した峠に向かう事にした。


いつも読んでいただきありがとうございます。


ゴーレムを無事に帰せました。

お礼に良い物をもらいました。


次回は素材探しをしに山を降ります。


では、次回を楽しみにしてください。


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