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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第103話

第103話です。


ゴーレムの山に向かいます。

対峙した魔物は居座っているでしょうか?


では、楽しんでください。

ゴーレムが話したゴーレムの居場所に着いた。

岩や石ががゴロゴロとした殺風景な山肌だった。

ゴーレムはキョロキョロと辺りを見渡し

自分の居場所に立った。

立っても尚、キョロキョロと辺りを

不安そうに見渡す。

《松風》がゆっくりとゴーレムに話をする。

ゴーレムは色々と話しをしている様だ。

『殿。昨日の魔物は居ない様です。』

『それはそうだろうな。

どんな魔物かゴーレムには分かっておるのか?』

『分からない様です。見た事もないと。』

「エルネーゼ、ゴーレムには

何が居ったか分からん様だ。痕跡は残るものか?」

「どうでしょうか?魔物によると思います。

探して見つかると良いのですが。」

慶次は頷き《松風》に

『ゴーレムに魔物と何処で対峙したか聞いてくれ。』

「ヴェンに臭いで探ってもらいましょう。」

「そうだな。《風魔》お前もヴェンに習え。

これは今後のお前には大切な事だ。」

『分かりました。臭いを嗅げばいいんだね。』

ヴェンと《風魔》が

周辺の臭いを嗅いで確認している。

『《風月》空から見てくれるか?

何が変わった事はないか?』

《風月》は空を旋回してゆったりと飛ぶ。

《空蝉》も辺りを警戒する。

《松風》はゴーレムと話を続けている。

慶次はエルネーゼに

「凶暴化した魔物は強いモノが多いのか?」

「そうですね。

その傾向にあると私は思っていました。

先日、慶次はスライムの凶暴化したモノを

倒していますよね?

そうなると強い魔物だけが

凶暴化するという事では無いと思います。」

「確かにな。

しかし、他の情報を聞く限り

強い魔物が凶暴化しておる気がする。

あれはたまたまだったと。

いや、この様な物事には

たまたまや偶然は無いに等しいか。ふむ。」

「弱い魔物が凶暴化して

どれぐらい強くなるのかが分かりません。

強くなったと言っても所詮は弱い魔物。

冒険者達が気が付かず

倒している可能性があるも思います。」

「ふむ。確かにな。

しかし、倒せるはずの攻撃が

効かんと言われておるが、どう思う?」

「確かにそうなのですが、

弱い魔物は普通に倒せるので、

違和感がないかもしれません。

強い魔物ほど、有効な攻撃が限られていますので、

その方法で倒せないと違和感がありますが、

弱い魔物だと、どんな攻撃でも倒せるので

気が付かず倒している可能性があるかなと。」

慶次は考え込む。

「ここ5年で凶暴化した魔物が急激に数を増やした。

強い魔物が凶暴化したと思われていたが、

実は弱い魔物も凶暴化した可能性があると。」

「そうだと辻褄は合うと思うのです。

魔物同士でも向こうが弱いと

凶暴化しても気が付いていない可能性が

ある様な気がするのです。」

「なるほどな。一理あるな。

凶暴化した魔物が絶対的に

強いと言うても強さが違うか。」

「そうだと思うのです。

これは調べる価値があると思います。」

慶次は頷いた。

ゴーレムと話しをしていた《松風》が戻って来た。

『殿。ゴーレムも落ち着いた様で

色々と話しは聞けました。

仲間が居なくなっているらしいです。

逃げたのか死んだのかも分からないらしいです。

魔物の種類はやはり分からない様ですね。

姿形も見た事が無いようで。

何やら変な形だったらしいです。

赤い体に足が沢山。』

『それは蛸ではないか?』

『蛸ですか?そんな魔物は居ませんね。』

「エルネーゼ、ゴーレムが見た魔物は

赤い体に足が沢山あるそうだ。

それは蛸ではないか?」

「確かにそれは蛸ですが、

魔物にも同じようなモノが居ますよ。

クラーケルですね。

ここに現れたのですか?海の魔物なんです。」

「クラーケルは海におるという事か?

確かに蛸も海を居るな。」

「そうです。まぁ、時々陸に上がる事もありますが、

こんな山奥に来る事はあり得ません。」

『《松風》クラーケルという魔物らしい。』

『クラーケルですか。』

《松風》はゴーレムにその話しをする。

ゴーレムは首を横に振る。

『まぁ、当然ですが、知らないそうです。

私も知りませんでした。』

『仕方あるまい。海の魔物だからな。

蛸だと思うたら魔物とは。まぁ、当然か。』

「という事は痕跡はあるのではないか?」

「そのはずです。海から来たでしょうから。」

慶次達はゴーレムと別れて山を降りて行く。

ゴーレムは暫く慶次達を見ていた。


いつも読んでいただきありがとうございます。


ゴーレムのいた山には何も居ませんでした。

落ち着いたゴーレムからの情報で

クラーケルだと判明しました。

実は、この話しは子供頃に読んだ本が由来です。

蛸は脱走の名人だという話しで

漬物石で蓋をした壺からも

難なく逃げてしまうという話しでした。

夜の月明かりに海を目指して丘を逃げる蛸。

そんな描写を思い出しました。

子供ながらに蛸、スゲェと思っていました。


次回はクラーケルの痕跡を探します。


では、次回を楽しみにしてください。

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