第98話
第98話です。
今回は呑んで食べます。
では、楽しんでください。
2人で今後の話を確認しながら食べていると
「あれ?エルネーゼじゃないか。
今日は珍しく早いんだな。」
とカインの声がした。
振り返るとカインが数名の男と立っていた。
「あら、カインじゃないの。
貴方も今日は早いのね。」
「そうなんだよ。
雨が降って来たから早めに切り上げた。
まぁ、魔物の目撃情報を見て行ったんだが、
1匹も居なくてさ。無駄足になっちまったよ。」
と近づき、慶次に気が付く。
「あれ?慶次じゃないですか。
えっと、2人は知り合いですか?」
「カインか。いや、今日から一緒に行動しておる。」
「え?チームを組んだのですか?」
「いや。俺の契約獣にヴェンが
色々と教えてもらっておるんだ。」
「え?慶次の契約獣が増えたんですか。
あ、えっと。」
カインは《風魔》と《風月》を見る。
「え?まさか、フェンリルとワタリガラスですか?
契約獣ってそんなに契約が出来たか?」
カインの周りの男達は一切に首を振る。
「こいつは《風魔》だ。
それからこいつが《風月》だ。
普通は出来んのか?俺は普通に出来たけどな。」
「まぁ、前例が無いだけかもしれませんし、
慶次ですからね。で、話せるんでしょ?」
「そうだ。会話は普通にしておる。」
それを聞いた男達は驚いて
慶次と《松風》達の顔を交互に見る。
「慶次、俺達も一緒に食べても良いですか?」
「俺は構わんが。」
慶次はエルネーゼの顔を見る。
「私も大丈夫です。」
カイン達は椅子とテーブルを近くに寄せる。
「あ、慶次はこの者達に会うのは初めてですよね。
俺の右隣から魔法使いのマルコム、
双剣使いのセリーヌ、
武道家のジェラド、
魔法剣士のシリルです。」
「カインのチームか?」
「そうです。俺がリーダーをしています。
『雷光の縁』って言います。」
「ほぅ。中々、趣のある名だな。」
「マルコム達もAランク冒険者なんですよ。
この間の討伐でもかなりの功績を
上げたらしいです。」
「エルネーゼ、褒めすぎだぞ。
コイツらが勘違いするじゃないか。」
カインが笑って話す。マルコム達が
「何でだよ。俺らあの討伐は頑張ったぞ。
報酬金以外の褒美があっても
良い状態だったじゃないか。」
と抗議の声を上げる。慶次は笑って
「カイン、認めてやらんと仲間を失うぞ。」
と話す。カインは慌てて
「そうは言ってもですね。
コイツらは褒めると図に乗るんです。
だから、普通で良いんですよ。
しかし、今回のはヤバかった。
あんなのに毎回、遭遇したら俺達の身が持たない。」
マルコム達も頷く。
「そうだな。あれは優秀な指揮官がいる
軍の様だったな。
俺達は冒険者だから軍とは戦わない。
戦い方も違うしな。
勝ったのは奇跡だよな。」
そんな話をしているとゼノンと1人の女性が
誰かを探している感じで
当たりを見ながら歩いて来た。慶次が話しかける。
「ゼノンではないか。誰か探しておるのか?」
声をかけられて
「慶次も来てたのですか。
そうです。カインを。
あ、カインじゃないか。慶次と呑んでたのか。
ちょうど良かったよ。
お前が前から言っていた治癒士を
紹介しようと思っていたんだ。ローゼだ。」
「初めまして。
私、ローゼ アルゼインと言います。
よろしくお願いします。」
カインは立ち上がり
「カイン エルバードだ。
『雷光の縁』のリーダーをしている。
こちらこそ、よろしく。」
とローゼと握手を交わす。ゼノンが
「今日はシルヴディアから
数人の治癒士を連れて来たらしいぞ。
他のチームでも必要なチームには
入ってもらったみたいだ。」
「治癒士とな?」
「そうです。
カインのチームを見てもらったら分かる様に
このチームは攻撃に特化した者が多いのですよ。
そこに怪我や病気に治療をしてくれる
治癒士が加入してくれるとすごく助かります。
討伐には色々なチームが加わり
その中には治癒士だけで出来るチームも
臨時で作るんです。
ただ、治癒士の数は少なく、
優先的に強いチームへ配属してもらっているんです。
エルネーゼの様に単独で活動している者には
治癒士の配属は無いんです。
当然ですが、弱いチームにもありません。」
「そうなのか。
しかし、本来ならば今の状況からいけば
単独の者は別としても
チームには治癒士が必要であろう?」
「そうです。
本来なら優先は弱いチームへの配属が
理想なんですが、そうすると討伐隊を作る時に
そのチームから治癒士だけを借りる形になり
治癒士も知らない人の中に
入れられるという事になります。
ただでさえ、緊張が続く戦場での
別の緊張感はマイナスでしか無いのです。」
「という事は、
治癒士とは薬を調合するだけではないのか?」
「そうです。
勿論、現場での製薬も大切なんですが、
治癒魔法を施してもらう事が目的です。
薬草が手に入らなくなった時には
やはり魔法が必要ですから。」
「そういうものも魔法なのか。
調合には魔力を使うとは聞いておったが、
なにが違うのだ?」
「そうですね。調合にも魔法を使います。
それ以上に治癒の魔法は魔力を使うので、
そこまで頻繁には使えませんが、
戦闘中には大変助かります。
戦いの最中にかけてもらうので
俺達の動きが止まらないのです。
薬だと私達の動きが止まりますから。」
「なるほどな。治癒の魔法か。
やってみたい。俺も1人で行動するからな。
自分で自分を治療せねばならん時もあろう。」
「慶次には無理ではないですか?
少し普通の魔法とは違いますから。」
ゼノンが言う。カインが
「いや、慶次なら使えるかもしれないな。
グラネイドの魔法も使えたし。」
それを聞いてみんなが一斉に慶次の顔を見た。
その時、料理が運ばれて来た。
「秋刀魚と羊は香草焼きです。
アオリイカと鮭はカルパッチョで。
鴨はソテーし赤ワインソース。
鴨には赤ワインの方が合うから後で持ってくるわ。
それとも今の方が良いかしら?」
「今の方が良いな。肉には赤なのだろ?」
慶次はフィオナに尋ねる。
「そうです。では、すぐにお持ちします。」
「よろしく頼む。」
ゼノンの話とみんなや様子を
慶次は全く気にしていない。
白ワインを呑み、
嬉しそうにカルパッチョを口に運ぶ。
「これは旨いな。」
ゼノンが
「え?慶次?
貴方はグラネイドの魔法が使えるって?」
慶次は普通の事のように話す。
「ん?そうらしいな。
俺は《空蝉》に言われた様にしただけだ。」
「いや、言われた通りにして
出来る人ってそうそういませんよ。」
「そういうもんか?
まぁ、そんな事より
せっかくの来た料理、食べようではないか。」
慶次に促され、みんなは話題を変えて食事をする。
いつも読んでいただきありがとうございます。
カインのチームのメンバーに会いました。
慶次達の席に加わり、ゼノンもやって来て
当たり前の様に加わります。
慶次の周りに人が集まり始めました。
次回も呑みます。
では、次回を楽しみにしてください。




