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第41話 潮風香る夜の海岸で 後編

第41話 潮風香る夜の海岸で 後編

1

ルシアのに関しては何となく分かっていたが、ローナについては予想外だった。

「なあローナ、それ本当なのか?」

「嘘なんかつかない」

「だよなぁ」

俺はうなだれる。見た目で人を判断するなとはこの事を言うのだろうか。あまりに予想外だったため、次の言葉が浮かんでこない。

「それよりさっきの質問の答えは?」

「さっきの質問?」

「ほらお姉ちゃんをどう思っているのかって」

「ああ、それか…」

その質問よりもインパクトが大きすぎてすっかり忘れてしまっていた。頭をなんとか切り替える。

(一人の女性としてね…)

ルシアのそういった気持ちは嬉しいが、俺にはそれに答えてあげることはできない。それにローナがこう言っているだけで、本人が実際どう思っているのかまでは分からない。だから正直この場でどう答えればいいか分からない。

「やっぱり答えられないんだ」

「え?」

「分かっていたけど、パパはママが好きだから、お姉ちゃんや私をそういう目で見ることができないんだよね」

「そ、それは…」

半分嘘で半分本当のローナの言葉に俺はどぎまぎしてしまう。千代が好きなのは事実だけれど、二人をそういう目でみていない訳…いや見れてないのかもしれない。

『近くにいる人の気持ちにも気づけないお前が、二人を理解することなんてできない』

ふと陽介の言葉が蘇る。確かにそうなのかもしれない。俺は一つのことに囚われて、周りを見ることができていない。だから陽介に怒られているし、ローナにも言われてしまっている。

「はぁ…、やっぱり駄目か…」

一人頭の中で考え込んでいると、ローナがため息をつきながらそんな事を言った。

「駄目って…どういう意味だよ」

「何でもない」

俺の質問に素っ気なく答えると、ローナは元来た道を戻り始めた。

「何処へ行くんだ?」

「帰る」

「え、あ、ちょ、置いてくなよ」

俺を無視して歩く彼女を俺は慌てて追いかけた。

(俺何か悪いことしたかな?)

2

翌朝、早く起きてしまった俺は朝食の準備をしていた。

「はぁ…」

朝だというのにため息がでてしまう。昨日のことがずっと気がかりだった俺は、ホテルに戻ってからもローナの言葉の意味を考えていた。けど答えなんてでるはずもなく、いつの間にか朝になってしまっていた。

(拓也との事といい、陽介の事といい、つくづく俺はダメな人間だよな…)

「朝からため息だなんて何か悪いことでもありましたか?」

いつの間に起きてきたのかルシアの声が後ろから聞こえてきた。

「もう起きたのか? まだ寝ててもよかったんだけど」

「昨日たっぷり寝たんで大丈夫です。それよりパパ、ちょっといいですか?」

「ん? どうした?」

一旦準備をやめてルシアの方に体を向ける。

「私のお母さんの事で、ちょっと大事な話があります」

続く



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