表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/59

第32話 男のけじめ

第32話 男のけじめ

1

我が家を出発して約一時間。早速俺達は迷子になっていた。

「雄一君、本当にこの道で合っているの?」

「カーナビ通りだから間違っていないはずなんだけどな…」

どうもこのカーナビは古いのか、正しい道を示していない気がする。このまま迷い続けていたら、早く出た意味がなくなってしまう。

「困ったなこれは…」

「もう、しっかりしてよ」

「すいません」

ちなみに言うと、ルシアとローナは後部座席で爆睡しているため、車の中はやけに静かだ。すっかり目が冷めてしまっている千代もそんなに話しかけて来ないし、かといって俺自身も話したい事が見つからないため、無言だけが続くドライブになってしまっている。

(この空気は流石に辛い)

少しでも話をすれば、この空気は解消されるのだけれど、今言った通り話題がないので、この空気を我慢するしかない。

「ねえ雄一君、少し話でもしようか」

そう考えていた矢先、先ほどまで黙っていた千代が口を開いた。

「話って何の?」

「うーん、私達のこれからの事かな」

「朝からそんな重い話なんてしたくないんだけど」

「まあまあ、そんな堅苦しい話をするわけではないから。それに運転だけしていたら退屈でしょ?」

「ま、まあそうだけど…」

朝から話するような内容ではないような…。

「ルシアちゃん達も寝ちゃってるし、たまには二人で話をしよう。 ね?」

「…分かったよ」

千代は折れそうにないので、仕方がなく俺が折れる事にする。

「でもさ、二人のこれからなんて、どんな事話せばいいんだよ」

「それは簡単。雄一君が私の質問に答えるだけでオッケー」

「質問? どんなの?」

「それは聞いてからのお楽しみってことで。じゃあ早速質問」

そう言うと千代は早速こんな質問をしてきた。

「雄一君は、あの事についてちゃんと決着つけるつもりでいる?」

「え?」

いきなり超ド級の質問がきて、俺は思わず聞き返してしまった。

「だーかーら、雄一君はあの話をあのまま終わったままでいいのかって聞いてるの」

「いや、言いたい事はわかってるけど、どう答えればいいか分からなくて…」

「たった二択の質問だからすぐに答えられるはずだけど、もしかして答えられない?」

「え、あ、いや…」

「はぁ…、やっぱり駄目か…」

「駄目ってなんだよ」

「ねえ雄一君、私ちゃんとけじめはつけた方がいいと思うんだ」

「けじめを…つける?」

「うん。だって、単純に私がこっちにやって来ただけであって、根本的な私達三人の話は何も解決してないもの」

「それは…そうだけどさ」

「確かに雄一君がやった事は、間違っているとは言えないよ。だって夢を叶えるためだからだもんね」

「ああ」

「でもあの時崩れてしまった私達三人の絆は、今でも崩れたままだし、拓也君だってあなたをまだ許していないと思う」

「……」

分かっている。俺自身あの件だけはちゃんとけじめを着けなければならないと分かっている。けど、今更あの時のような関係には戻れないような気がする。大切な親友を捨てた俺には…。

「俺は…」

続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ