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第31話 いざ海へ!

第31話 いざ海へ!

1

海へ旅行に行くと決まったのはいいが、肝心の場所を決めていないという事で、その日からどこへ行こうか話し合いが行われた。

「と言ってもルシアとローナは分かるわけないよな」

「それもそうだよね」

「私達の住んでいた世界にも、海と呼ばれるものはありましたけど」

「へえ、あるんだ」

「でもテレビとかを見る限り、こちらの海の方が断然綺麗です。そうですよねローナ」

「うん。でもパパはすごく汚い」

「どさくさに紛れて、何か酷い事を言われたような気がするんだが」

「まあまあ」

とまあ色々試行錯誤しながらも、俺達は行き先を決めていった。で、最終的に決まったのが…。

「鴨川?」

「ああ。あそこなら海もあるし、近くに宿泊地できるホテルもある。さほど遠い距離でもないし、いいんじゃないかと俺は思うが」

「そうかもね。距離が近いなら海で泳げる時間も増えるし」

「よし、それで決定って事でいいかな二人とも」

「私達はパパにお任せなので、特に言う事はありませんよ?」

「まあ、そうだけどさ。とにかく折角の旅行だ、皆楽しもうな」

『おー!』

そんな感じで、ようやく行き先も決まり、後は準備などをして行くだけになった。

(旅行か…)

旅行に行くなんて、果たして何年ぶりだろうか。修学旅行などの行事を除くと、本当に行っていない。理由は勿論、家がそういうのを嫌っていたからだ。何故だかは分からない。まあそんな事はどうでもいい。今は旅行の日を楽しみにしよう。

2

そしてあっという間に旅行の日の朝がやってきた。

「パパ、眠いからもう少し寝かせて…」

「起きないと置いて行くぞローナ」

「それも嫌…」

「ぐー、ぐー」

「ルシアもいい加減起きろよ」

「起きてますよ〜…ぐー」

「寝言で答えるな!」

ちなみにただいまの時刻は、午前四時。眠いのは仕方がないと思うが、この時間に出ないと渋滞とかにはまって無駄な時間を過ごしてしまいそうだから、頑張って早起きしたという事だ。

「それに比べて、千代は相変わらず早起きだよな」

「私は早起き慣れてるから、全然大丈夫なの」

「本当お前って頼もしいよな」

「そうかな? 私は当たり前の事だと思うけど」

「まあ、そうだな」

千代は昔から真面目な性格で、誰からも好かれていた。それは今でも変わらず、彼女は誰にでも優しい。けれど、その優しさは時に人を傷つけてしまう事もあり…。

(って、何を考えてんだ俺は)

また余計な事を思い出しかけた俺は、何とか踏みとどまる事にした。そんな事より今は旅行だ。

「ほら、二人ともいい加減起きないと連れていかないぞ」

「もう少し寝る…」

「私ももう少し寝かせてください…ぐ~」

「お前らなぁ…」

続く

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