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第24話 クレープ屋『エループ』開店

第24話 クレープ屋『エループ』開店

1

そしてついにやって来た文化祭当日。

「なあ雄一、一つ聞いていいか?」

「ん?」

「この店の名前何とかならねえか?」

「変だとは思わないけど俺は」

大学へ到着するなり、最後の仕上げをしていた俺に、陽介から店の名前に関しての文句が飛んできた。

「何だよエループって。どう考えてもクレープ屋の名前とは思えないのだが」

「エルフ姉妹メインのクレープ屋、だからエループ、完璧だろ」

「何であの二人をメインで考えてんだよお前は…」

「まあまあ、いいじゃない。私は結構好きだけど」

「姉貴の感性と俺の感性に、微妙なズレを感じるよ俺は…」

今更名前を変える気がない俺は、そんな二人のやり取りを眺めながら準備を続ける。

「何でお前はまるで他人事みたいな顔するんだよ」

「そんな顔してたか?」

「丸っきりな」

「気のせいだろ」


それからしばらくして、千代達が合流。今日は体調がよかったからなのか、ルシアもちゃんと来ている。

「久しぶりだなミリアちゃん、元気にしてたか?」

「すいません皆さん、ご心配をおかけしました」

「元気ならそれでいいのよ。よかったね文化祭までに間に合って」

「はい!」

文化祭開始まで残り十分となり、俺は本当の最後の最終調整に入った、

「とりあえず今来た三人はすぐに着替えてきて。柚木は材料の確認、俺と陽介は機械と屋台の最終チェックするぞ」

『了解!』

それぞれに指示を出し、自分がやるべき事に専念する。よし、機械も屋台も問題はなさそうだ。あとは三人が着替えを済ませてくれれば全てが整う。

「いよいよだな」

「ああ」

開始五分前、衣装に着替えた三人が戻ってくる。三人が着替えてきたのは…。

「お前達似合ってるぞ、メイド服」

「ねえ雄一君、やっぱり恥ずかしいんだけど」

「私も何か恥ずかしいです」

「帰る」

「待て待てローナ、帰ろうとするな」

「だって、は、は、恥ずかしいもん」

「だからって帰ろうとするなよ」

「気持ちは分からなくはないけどな」

女子組は全員メイド服、男組はスーツというよりはタキシードに近いもの。このアンバランスさが気に入った俺は即採用。俺以外はあまり納得していないようだが、まあ今日くらいは許してほしい。

キーン コーン カーン コーン

「おっと、開始のチャイムが鳴ったようだな。お前ら準備はできたか?」

『勿論!』

「よし、クレープ屋『エループ』開店だ! 今日は最高の一日にするぞ」

『おー』

こうして俺達の最も長くて、人生で一番最高の一日が幕を開けた。

続く

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