表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/59

第12話 ローナと二人きりの日

第12話ローナと二人きりの日

1

夏休みを目前に控えたある日の休日、

「じゃあ私達買い出しに行ってくるね」

「いいのか? 本来は俺達の仕事なのに」

「パパは毎日頑張ってますなら、たまには休んでください」

「わ、分かった」

「じゃあ行ってきます。雄一君、ローナちゃん。お留守番よろしくね」


俺とローナの二人きりで留守番をする事になった。

二人が買い物に行ったのは今から二時間前。今は丁度昼頃。

「とりあえず飯でも食べるか?」

「嫌!」

「そこは断るなよ…」

先日ちょっとした変化が見られた事を期に、少しは話せるようになるのかなと思ったが、ローナの態度はこの通り、俺に対して冷たい。

「じゃあ俺一人だけで食べるからな」

「あ…」

「何だよ、食べたいのか?」

「う、うん…」

「チャーハンでいいか?」

「何でもいい」

「はいはい」

何ですぐに素直になれないんだろうかこいつは…。


それから十分後。昼食を取りながらローナとコミュニケーションを試みた。

「なあローナ」

「……」

会話終了のお知らせ。

「せめて話しかけられたら、返事くらいしてくれよ」

「面倒臭い」

「そうですかい」

人に質問されてるのに面倒臭いとは、どんな教育されてきたんだよこいつ。あとでルシアにちゃんと聞いた方がいいのかもしれないな。

「じゃあ答えなくてもいいから聞いてくれ」

「……」

「俺にはお前が喋りたがらない理由が分からない。けどなコミュニケーション取らなければ人は生きていけない。お前はそれを完全に断ち切ってしまっている。俺はそんなお前をいつまでも見ていられないよ」

「そんなの私の勝手」

「ああそうだな。お前の勝手だよ。けどな、それがいつまでも通用しないのが世の中なんだよ。お前が住んでいた元の世界はどうだったか知らないが、こっちの世界に来たからには…」

「何も知らないくせに」

「え?」

急にローナの声色が変わったことに俺は驚く。こんなローナの声、初めて聞いた。

「何も知らないくせに、何でもかんでも言わないで!」

ローナはそれだけを言うと自分の部屋に閉じこもってしまった。

「あ、おい、ローナ!」

やばい、俺何か触れてはいけない事に触れてしまったのかもしれない。

「これは弱ったな…」

2

「え? ローナが部屋に閉じこもったまま出てこないんですか?」

「ああ」

夕方になって千代とルシアが帰って来たので、俺は先ほどの事を一番の理解者であるルシアに話した。

「もしかしてパパ、何かまずい事言いましたか?」

「いや、思い当たる節がないんだが…」

一応先ほどのやり取りの内容を話す。

「やっぱりですか…」

「え? 俺何かまずい事言ってた?」

「はい。パパはあの子がなぜ喋らないか聞きましたよね?」

「直接ではないけど、遠回しに言っていたかもしれないな」

「それがまずいんですよ」

「何で?」

「えっと、それはですね…」

言い難そうな顔をするルシア。俺が知るべきではないって事か…。

「分かった。話にくいのならいいよ」

「え? でも…」

「俺自身の手で、あいつの心を開いてやる」

続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ