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第13話 悩めるパパ

第13話 悩めるパパ

1

「昨日は身勝手なこと言って悪かった」

翌朝、俺は昨日の事をローナに謝罪した。

「別に」

相変わらずローナの態度は冷たい。いやいつも以上かもしれない。流石に昨日のことは俺が無神経すぎた。彼女、いや彼女達が何かを抱えてるのを知らずに俺は触れてはいけない何かに触れてしまったのかもしれない。

「ローナ、パパがちゃんと謝ってるんだから、ちゃんと返してあげなさい」

「嫌。私もうこの人と口を聞きたくない」

「ローナ…」

ついには口を聞きたくないとまで言われてしまった。俺はどうすればいいのか迷ってしまう。このままの空気で文化祭の準備をするのは、柚木達に申し訳ないだろうし、これ以上支障を出すわけにはいかない。

「大丈夫ですか? パパ」

「正直弱った。会話ができないんじゃどうにもできない」

「それはそうですけど、今回の件は私にはどうしようもできませんよ。半分はパパが悪いんですから」

「分かってるよ。 じゃあ俺は大学行ってくるな」

「いってらっしゃいです」

「いってらっしゃい雄一君」

「……」

朝から講義がある俺は家を出る。俺はやっぱり駄目なのかな…。

2

朝からそんな調子だと、勿論大学でも調子が変わらず、俺は朝から元気がなかった。

「どうしたの雄一、元気ないわよ?」

「あ、ああ悪い。ちょっと昨日揉め事があってな」

「揉め事?」

俺は昨日の経緯を二人に説明した。

「あちゃあ、雄一もやらかしたわねそれ」

「流石に俺も無神経だった。何も知らないのに軽口を叩いて、あいつを傷つけた。二人の保護者として俺失格だよ」

かなり落ち込んでしまっている俺に、二人はなかなか声をかけてこない。文化祭の準備をしなきゃならないのに、何やってんだよ俺は…。

「でもさ雄一」

「ん?」

「無神経とか言っておきながら、ちゃんと二人を理解しようとしてるじゃねえか」

「そうか?」

「そこまで悩んでいるんだから、そうに決まっている。だったらその想いを、ローナちゃんに伝えればいいんじゃないのか?」

「今の想いを…か」

確かに固く考えるよりかは、自分の今の想いを伝えた方が、もしかしたらローナの心を少しだけ開けるかもしれない。

「まだ二ヶ月くらいしか一緒にいる奴が器用な言葉を伝えるよりかは遥かにいいだろ?」

「ああ。ありがとう陽介」

「礼なんて言うなよ。それよりも文化祭の準備、始めようぜ」

「そうだな」

「って二人とも、私を無視しないでよ!」

俺は僅かな可能性を見出した事に、心が少し晴れたような気がした。

続く

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