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勇者から秘湯屋に転職します  作者: 藤泉都理
伍 第三の首都の紫陽花篇
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90/199

ささやきごえ




 『六花彩湯国りっかのさいゆこく』のどこか。




 ねえ、いいの。

 誰かが囁いた。

 銀色の彼岸花がどんどんどんどん増えてきているよ。


 ねえ、いいの。

 誰かが囁いた。

 銀色の彼岸花がどんどんどんどん増えてきているから、あの刻が近づいてきているよ。


 ねえ、いいの。

 誰かが囁いた。

 理瑚りこにお知らせしなくていいの。


 ねえ、いいの。

 誰かが囁いた。

 朝陽あさひの事を理瑚にお知らせしなくていいの。


 いいんだよ。

 誰かが囁いた。

 いいんだよだってそれが朝陽の望みなんだから。


 いいんだよ。

 みんなみんな囁いた。

 理瑚は知らないままでいいんだよ。

 私たちだけ。

 理瑚以外の吸血鬼とエルフだけ知っていればいいんだよ。

 だってそれが、朝陽の望みなんだから。











(2025.1.28)




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