んんんんん゛
『六花彩湯国』の第三の首都の『紫陽花』。
汐桜の三角建物の根城にて。
汐桜は二階の琥紺の自室のベッドで寝かされ、琥紺の魔法によって小さくされたままの奏斗の状態を確かめていた。
(まあ、甦らせられる状態じゃないって嘘つくのも一つの手だよな。どう考えたって、エルフを敵に回すなんて、命知らずもいいところだ。ただ殺されるだけならまだましかもしれん。どんな方法で苦痛を与えられるか。殺してくれと叫んだって望み通りにならんだろうし。それをこの能天気琥紺はこれっぽっちも考えてないんだろう。何が竜族は最強だ。その通りだけどよ。その通りだけど。麿たちは違うだろうが。麿はしがない図書館の館長だし。琥紺は職業判定竜だし。闘いとは程遠い竜だろうが。それを最強なんて、よくもほざけたもんだ………ん? これは、)
「どうだっ? 汐桜。奏斗は甦らせる事はできっか? できっぺ? できるに決まってるっぺ? できないなんて言ったら承知しねえぞ」
「死因の猛毒も吸血も。まあ。どうにかなるが。一か所に注ぎ込まれてる吸血鬼の血。これは、どうにもならん。こいつ。甦らせたところで、魔王の忠実な僕になるだけだぞ」
「え゛っ!?」
「はい。ちゃんちゃん。この話は仕舞いだな。さっさとエルフに返してこい」
「え゛っ!? え゛っ!? え゛っ!? 汐桜どうにかなんねえのかっ!?」
「ならん。さっさと返してこい。勇者が魔王の忠実な僕になるなんて、絶望以外の何ものでもないだろ」
「んんんんんん゛」
「口をひん曲げて瞳を限界まで引き上げて訴えるな」
(2025.1.28)




