地図
『六花彩湯国』。
北に位置する王都、『水仙』。
北東に位置する第一の首都、『藤』。
東に位置する第二の首都、『蓬』。
南東に位置する第三の首都、『紫陽花』。
南に位置する第四の首都、『向日葵』。
西南に位置する第五の首都、『撫子』。
北西に位置する第六の首都、『彼岸花』。
多種多様な温泉があちらこちらから湧き出るこの国は、王都を含めて七つの首都で成り立っており、首都名を冠した花がそれぞれの首都で季節問わずに咲き誇っていた。
今はもう瓦礫の城と化してしまった魔王城は、第六の首都である『彼岸花』の最西端に、健在な時は紅と黒を纏っておどろおどろしく建っていた。
魔王の根城がある第六の首都の『彼岸花』は、地図だけで見れば王都の水仙から一番近くに位置しているのだが、幻影を見せては深い眠りに陥らせたり、異世界へ転移させては元の世界に戻れなくさせたりする銀色の彼岸花が咲き誇っていた為、踏破できなかった。
どれだけ上空を飛翔していても、どれだけ地下を掘り下げようとも、銀色の彼岸花の能力の範囲内に含まれてしまうのだ。
これまでにどれほどの優秀な勇者、魔法使い、武闘家、僧侶などがこのとても厄介な彼岸花を駆除、ないし、不可思議な能力を消滅させようとしたが、現在進行形でできずにいる。
そのような理由に加えて、同じ首都内ならば転移魔法を使えるのだが、他の首都から首都へと行く際には使えない事もあって、第六の首都の『彼岸花』に到着するには、銀色の彼岸花を避けてぐるりと、『藤』『蓬』『紫陽花』『向日葵』『撫子』を地道に回って行かなければならなかったのであった。
(2025.1.7)




