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無職は今日も今日とて迷宮に潜る【4巻8/20出版決定!】【1巻重版決定!】  作者: ハマ
本編終了後の話

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403/414

その後の日常13

【無職は今日も今日とて迷宮に潜る4巻】

8月20日に出版されます!

既刊1巻〜3巻下巻もよろしくお願いします!

活動報告に表紙を載せております。

口絵も載せております!是非見てください!

 河川敷まで吹き飛ばしたアミニクに会いに行くと、めっちゃ不機嫌そうにしていた。

 何であんなことするんですか? と丁寧だが怒気を含んだ念話が伝わって来る。


 一応、事情を説明するのだけれど、今更隠してどうするのか? と言われてしまった。



 いやいや、隠さんといかんでしょう。

 隣に力で全てを解決出来る奴がいたら、そりゃみんな怖がるだろう。

 え? もう知られてるって?

 やだーもう、そんなわけないじゃん。昨日だって、お隣さんと普通に会話したし、子供達だって「やーい無職ぅ〜」とか生意気言って来たんだよ。俺がやべー力持ってるって知ったら、絶対無理でしょう。

 そんなこと言われてたのって?

 いつも通りだけど、なんか問題あるか?

 おい、可哀想な奴を見るような目をするな。マジで傷付く。

 それよか、あれは何だ?

 何となく予想は付いてるけど、本当にあり得るのか聞いておきたい。



 そう話を変えると、アミニクは現代人の姿へと変えて、場所を変えましょうと提案して来た。

 他人に聞かれたらまずい話しなのかと、緊張感が増す。


 河川敷から家に帰り、粗茶ですがとインスタントコーヒーを出す。


 ここには母ちゃんとマリンもいるが、まあ問題あるまい。

 と思っていたら、空気を読んだのか、二人ともいそいそと出掛けてしまった。

 厄介ごとに巻き込まれるのを嫌ったんだろうな。


 それじゃあ教えてくれと、アミニクに話を促す。


 すると、予想が一つ当たっていたのと、思っていた遥か斜め上の事態に陥っていた。


 まったく、どうしてこうなるかね。


 そう思わずにはいられなかった。




_____




 日向のお迎えを終えると、ちょっと遅めに活動する。

 空を飛び、ミンスール教会に向かう。


 目的は二号のお墓を作っているのか尋ねにと、アミニクから言われた内容についてだ。


 お墓については、正直難しいと思っている。

 中身は二号ではないとはいえ、二号の体を使った奴が騒動を起こしたせいで、犯罪者のレッテルが貼られている。そんな奴のお墓なんて建てたら、批判の的になるだろう。


 でも、もしかしたら、こっそりと作っているかもしれない。

 そんな淡い期待をしている。


 ミンスール教会本部に着くと、そこは割と静かな場所になっていた。

 以前来た時は、人集りが出来るほど大勢集まっており、中に入るのもやっとだった。

 でも今は、ほとんど人の姿が無い。

 もう、潰れてるんじゃないかと思うほど、人の姿が無い。

 一応中にはいるのだけど、どうにも様子がおかしい。


 ごめん下さいとチャイムを鳴らすと、幼い声が聞こえて来た。


 扉が開くと、そこには声の通り幼い子供達がいた。

 顔を覗かせた子供達は、最初は笑顔だったけれど、俺の顔を見た途端曇っていき、ダーッと奥に引っ込んでしまった。


 開いた扉から中を覗いてみると、そこには大人になった厨二野郎がいた。


 よお、久しぶり。そう子供達に囲まれたカズヤに挨拶をする。


 顔を顰めていて、例に漏れず俺のことが誰か分かっていない様子だ。だから、俺だよと名前を言おうとすると、その前に言われてしまう。


「お前は……もしかして田中か?」


 おっ……おおーっ⁉︎

 お前で三人目だぞ、俺が田中だって分かったの⁉︎

 え? 魔力にユグドラシルの物も混ざっているから分かったって?

 ええー……。カズヤって、魔力で人を判別する奴だったの?

 違う? 最初は痩せていて分からなかったって? ほとんど勘だったと。

 おまっ⁉︎ そんなガッカリさせること言うなよ〜。

 何だかんだ、知り合いから誰? って言われるのキツいんだよ。



 そんな愚痴を吐いていると、カズヤは「で、何の用で来た?」と仏頂面で、まるで俺を邪魔者のような目で見て来た。


 まあお邪魔したのはこっちだし別にいいかと、さっさと用件を告げる。

 どうやら、二号のお墓はあるようで、教会の中でも奥の方に立てているという。誰かに知られて、文句を言われるのを嫌ったからなのだとか。


 カズヤの後を付いて行くと、子供達も同じように移動する。



 なあ、この子達ってここに住んでいるのか? そう尋ねるのだけど、仏頂面はそのまま教えてくれた。


 どうやら、半数が今ダンジョン探索している人達の子供で、もう半数がここで育てているという。

 本来なら、ギルドが運営する児童養護施設に預ける方がいいのだが、この子らの亡くなった両親からの要望で、ここで面倒を見ているらしい。


 こいつ、変わったな。

 前は厨二のアホの子だったのに、しっかりしている。


 ただ、その顔はやめといた方がいい。

 子供の中には、カズヤから距離を取っている子もいるから。


 それを、その仏頂面やめろとストレートに伝えると、カズヤは立ち止まり顔を手で覆った。



 そんな顔してたかって?

 してたよ。不細工な面が、更に不細工になってたわ。

 やかましって、教えてやったんだろう。

 ああ、気にしてたんだ。

 へー、周りの奴らから侮られないようにしてたら、そんな風になったのか。


「気を張っていると、どうしても顔に出てしまう。まったく、厄介な物だ」


 そう言って手を離すと、そこには懐かしいカズヤの顔があった。


 まだ社会人になりたての歳。

 いくら前世の記憶があるとはいえ、既存の組織のトップに立てば反発も大きいだろう。

 たとえ、二号や大道が認めたとしても、大量にいる信者が従うかはまた別だ。


 そこで気付いた。


 だから、ダンジョンを50階まで潜ったんだなと。

 少しでも、実力と実績を積んで、批判の声を退けたいのだろう。


 こいつも大変なんだなぁ……。


 まっ、俺は何も出来ないけどね。


 自分で選んだ道なんだから、頑張れとしか言えない。

 ただ、どうにもならなくて助けを求められたら、出来る限りのことはしようと思っている。



 カズヤに連れられて、世界樹の枝を祀っている祭壇の前を通る。

 そこには、大人たちがいて、他の子供の面倒を見ているようだった。


 付いて来ている子供達を預けると、祭壇の奥に向かった。


 暗い廊下。

 その突き当たりの壁には、魔法陣が浮かび上がっていた。

 どうやら強固な結界のようで、プロの探索者レベルでは、ここは突破出来ないだろう。


 その魔法陣に、カズヤは魔力を流し込むと、壁はスライドして開いた。


 凝った仕掛けだと思うのだけど、それよりも今は、目の前のお墓だろう。


 中庭というには狭い場所。

 中央にポツンとお墓があり、吹き抜けの天井から明かりが差し込んでいた。

 近くに、小さな木が植えられているのは、二号が寂しくないようにという思いからだろうか?

 その小さな木には、小鳥が止まっており俺達の姿を見ても、逃げようとはしなかった。


 ……これ、お前の召喚獣か?


 そう問い掛けると、カズヤは頷いた。

 右腕に嵌めているブレスレット。そこから魔力の繋がりが見えるので、スキルではなく魔道具から生み出された物だろう。


 どうやら、外にも放っているらしく、周囲に目を配っているという。



 ふーん……ストーカーとかすんなよ。


「誰がするか⁉︎ さっさと墓参りしろ‼︎」


 カズヤに促されて、お墓に手を合わせる。


 ここに二号の遺灰も、魂も無いことは知っている。

 それでも、ここにしか二号のことを思ってやれる場所は無い。


 二号を偲びながら、いろいろと報告をしよう。

 思っているだけじゃ伝わらないだろうから、口にする。

 カズヤが背後で聞いているけれど、気にしてもしょうがない。

 ユグドラシルとも繋がっているんだし、いずれ何らかの形で情報は与えられるだろう。それが早まっただけ。そう考えておこう。


 二号に一通り報告を終えると、カズヤがガン見して来る。



 おい近寄んな、離れろ、だから顔近づけんな⁉︎

 俺は世界樹じゃないの⁉︎

 お前に注目されたくてやってんじゃねーんだよ⁉︎

 もう一個、大事な報告があるんだよ! 大人しく聞け‼︎



 そう言うと、カズヤは大人しく引いてくれた。

 いや、背筋がピンとしているから、これまでと違ってはいるだろう。


 でも、いいや。

 ミンスール教会には、治癒魔法使いが多く所属している。もしもの時は、こいつらに頑張ってもらわないといけないからな。


 俺は、背筋を伸ばしたカズヤに向かって告げる。



「このままだと、地球がダンジョンになる」



 アミニクに言われた内容を、そのまま告げた。

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― 新着の感想 ―
なるほど時期はあの星のようになる前の時点なんだな カズヤはここからさらに苦労することが確定している。顔は持つのか!?ねぎらいの回復かけてやったらどうだ?wうっとうしがられそうやけどw
カズヤ初期の厨二病ポッと出キャラから随分成長したもんだあ。 デブじゃなくても気付いたのも好感度高そう なお更なる厄介ごとに巻き込まれる可能性大
あれ?既にダンジョンというか奈落に取り込まれているのでは?
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