番外編 雄介と夕凪のお料理二
俺は会社が休みだったので夕凪の代わりに買い物に行った。
夕飯のための買い出しともいえるが。餃子の材料と肉団子や青椒肉絲の材料もメモに書いておいた。餃子の材料は豚のひき肉、ニラ、白菜、生姜とニンニクだ。ニラと白菜はうちの冷蔵庫にあったし。豚のひき肉と生姜、ニンニク、調味料と言った具合か。肉団子は鶏のひき肉、白ネギで。青椒肉絲はピーマンとパプリカ、竹の子と豚肉。頭の中で考えを巡らせながらてくてく歩いた。少し経ってスーパーにたどり着いた。買い物カゴを手に持ってカートに乗せる。店内に入った。
「……まずは白ネギとピーマン、パプリカ。竹の子に生姜とニンニクだな」
ブツブツ言いながら野菜売り場に行く。カゴに白ネギなどを適当に入れた。野菜類を一通り入れ終えると肉売り場に移動した。豚と鶏のひき肉を入れて調味料も足りないのを買い足した。青椒肉絲の素も忘れない。
「これだけあれば良いか」
一人で頷いてレジに並んだ。ちょっと混雑しているが。いつもの事なので気にしない。やっと俺の番になった。店員のお姉さんがにっこり笑顔で「いらっしゃいませ」と言ってくる。頷いてカゴをカートから出して台の上に置く。お姉さんは手際よく商品のバーコードを機械に読み取らせつつ隣のカゴに入れていった。全部が終わると金額を告げた。
「……全部で3,000円になります」
俺は財布をトートバッグから出した。現金の代わりにこのスーパー専用のカードを引き抜いて店員のお姉さんに見せた。
「このカードでお願いしたいんですが」
「アオカードですね。でしたらこちらの機械にカードを当ててください」
俺はアオカードを機械に当てて読み取らせた。ピピッと音がする。レジの液晶画面にカードから読み取った支払額が表示された。
「ありがとうございました」
店員のお姉さんがそう言うのを聞いて俺はレジから離れる。買った物を入れる用のスペースに行き、台の上にカゴを置いた。持ってきておいたエコバッグの中に野菜類や肉類、調味料を入れていく。一通り終えるとカゴを決められた場所に戻す。自宅に帰ったのだった。
家に帰り、手を洗ってからエプロンをつける。電子レンジで白菜を温め、ニラも後で同じようにした。ニンニクと生姜は摩り下ろして。ボウルに豚のひき肉を入れて温めた白菜やニラ、ニンニクと生姜、調味料と加えていく。手でしばらく混ぜて粘り気が出てきたら買ってきていた皮を冷蔵庫から出した。皮を袋から出して上半分を水で湿らせたらタネを中心部分にスプーンでよそう。そのまま、半分に折り畳んでヒダをつけた。それを何回か繰り返して五十個くらい作った。肉団子もショウガや調味料を鶏のひき肉に加えて捏ねる。こちらも粘り気が出てきたら置いておく。青椒肉絲も野菜や竹の子を細長く切ったりして下準備をしておいた。
その後、白ネギを細長く切ってお湯が入ったお鍋に調味料と一緒に入れてちょっとの間、煮込んだ。次に捏ねておいた鶏のひき肉をスプーンで丸めて鍋に放り込む。しばらく煮たらフライパンを温めて餃子を焼いた。全部を焼き終えたらお皿に盛り付けておく。次にピーマンなどを炒めて素を入れて。手早く青椒肉絲を作った。肉団子のスープも出来上がる。それぞれをお皿に盛り付けた。
「おーい。できたぞ!」
大きめの声で呼びかけるとリビングにいた夕凪がキッチンにやってきた。ちょっと表情は嬉しそうだ。
「……あ。できたんだね」
「おう。テーブルの上にあるから。お替わりもあるぞ」
「やった。雄さんの中華料理は美味しいからね」
そう言いながら夕凪はお箸を手に持って椅子に腰掛ける。俺はご飯をお茶碗のよそって渡した。夕凪は酢醤油を小皿に入れると早速、餃子をつけて食べた。いただきますは忘れていないが。
「……うーん。やっぱり美味しい!」
笑顔で言うのでちょっと気恥ずかしい。俺はエプロンを外して自分用のお箸を持って椅子に同じように座った。
「……いただきます」
手を合わせてから餃子をタレにつけて口に運んだ。パリッとした皮の食感と肉汁が溢れるタネの味が相まってうまい。自画自賛になるが。今まで作ってきた中で一番かもと思った。
「肉団子のスープも青椒肉絲も美味しいよ。雄さんのお料理、お店にも出せそうな味だね」
「それは褒めすぎだろ。けどありがとよ」
「ふふっ。私がいくら頑張っても雄さんの腕には敵わないね」
夕凪はそう言いながらもパクパクと食べる。よほど気に入ったらしい。俺も肉団子のスープや青椒肉絲を食べた。作った甲斐はあるな。そう思いつつも舌鼓を打ったのだった。
その後、食器洗いを終えた。二人でゆっくりとテレビを観ていたが。夕凪が買ってきてくれた香片茶、いわゆるジャスミンティーを食後に飲んでいた。香りが本当に花そのもので夕凪は気に入っている。俺もリラックス効果があると知っているので飲んでいた。
「雄さん。明日は私が作るね」
「ああ。いつもお疲れさん」
そう言って夕凪の肩を軽く叩く。ジャスミンティーをまた一口飲んだ。夕凪は嬉しそうにしている。ちょっと甘い雰囲気の中、二人で笑い合ったのだった。




