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第50章:臨時集会と騒然たる回廊

翌朝、ゆりは晴れやかな心地で目を覚ました。窓の外に広がる澄み渡った春の空を見上げながら、昨日あった他クラスの傲慢な女子生徒たちとの不愉快な一件は、頭の中からすっかり消し去っていた。ゆりは、竜之介に何も知られずに済んだことを、心から神仏に感謝していた。もし誰かが自分の平穏を脅かそうとしたなら、彼がどれほど冷徹で、容赦のない怒りを燃やすかを、誰よりもよく知っていたからである。超エリート校「新暁学園」の平凡な一日が、いつもの規則正しい轍に沿って流れていた。休み時間になると、固い結束を誇る仲間たちは活気ある議論に花を咲かせ、最新のスポーツ中継や世間を騒がせる政治ニュースについて熱っぽく語り合っていた。佐藤と健太は、マウンドでの投球軌道を身振り手振りで描きながら、楽しげに腕を振り回している。他クラスの女子生徒たちはあちこちで小さな塊を作り、初恋の話に花を咲かせたり、秘密を共有したり、先輩たちの噂話に興じたりして、周囲にありふれた、しかし生き生きとした思春期の喧騒を生み出していた。竜之介は、いつものように揺るぎない巨岩の如き威厳を漂わせて自分の席に座っていた。時折、ゆりへと向けられる彼の鋭い眼差しには、愛する幼馴染が再びいつも通りの温かい微笑みを浮かべ、心から幸せそうにしていることへの、深い安読と静かな平穏が宿っていた。五時間目の授業中、静まり返ったエリート校の廊下には、歴史の教師のモノトーンな講義の声だけが虚しく響いていた。その時、教室の黒板の真上に設置されたスピーカーから、全ての生徒にとって聞き馴染みのある、あの深く柔らかな学園の鐘の音が鳴り響いた。「ピン・ポン・パン・ポン」。一秒の後、広大なキャンパス全体に、放送部の女子生徒の、完璧に洗練された美しくも丁寧な声が流れ渡った。彼女は授業中の突然の割り込みに対して丁重に非礼を詫びた。放送委員の担当者は、全学年に向けて学園事務局からの緊急アナウンスを読み上げ、各教科の担当教師に対して、現在行われている五時間目の授業を直ちに中断するよう厳格に要請した。一年生から三年生にいたるまで、全ての生徒は例外なく、直ちに荷物をまとめて中央講堂へと移動し、臨時の緊急全校集会に出席せよ、との通達だった。スピーカーからの声は、全ての授業を一時凍結し、生徒および各クラスの担任教師は速やかに整列して集合場所へ向かうようにと明瞭に繰り返し、最後にパチリと無機質な接続切断の音を残して消えた。その瞬間、「新暁学園」の校舎全体に、にわかには信じがたいほどの凄まじい地鳴りのようなざわめきが沸き起こった。何百という椅子がけたたましい音を立てて床を滑り、色とりどりのドレスやブレザーに身を包んだ生徒たちが、学園側のこのあまりにも異例で急進的な措置の理由が分からず、驚きに目を見張って互いに顔を見合わせた。愛らしい童顔の「百合子ちゃん先生」は、気だるげな動作でメガネの位置を直すと、目の前の出席簿をパタンと叩きつけ、一年A組の生徒たちに向かって、廊下の通行規則に従って二列縦隊で整列するよう厳しく命じた。ゆりたちのグループは双子のきょうだいも交えて色めき立ち、佐藤は突然の避難訓練の不具合ではないかと怪しんで首の後ろをボリボリと掻き、田中は学園の公式カリキュラムにおけるこの異例の事態を、タブレットの画面に几帳面に記録していた。竜之介は、誰よりも早く真っ直ぐに席から立ち上がった。彼の冷徹な視線が、ほんのコンマ数秒の間、教卓の「百合子ちゃん先生」の目線と交錯した。その無言の視線の火花の中に、常人には読み取れない決定的な何かが含まれていたのだろう、少年はその端正な背筋をいっそう峻烈に正した。ゆりはツインテールを直し、スクールバッグのファスナーを閉めながら、その目に見えぬ無言の接触には一切気づくことなく、素直に竜之介の隣へと歩み寄った。その間にも、学校の回廊は厳格な色彩体系の服装規定に従った、鮮やかなパレットの波で急速に埋め尽くされていった。統制された一年生の大移動が始まり、一年A組の淡い桃色のドレス、一年B組のサファイアの衣装、一年C組のターコイズの制服、そして一年D組の厳格なすみれ色のドレスが、男子生徒たちのベージュのブレザーと混ざり合いながら、一つの巨大な奔流を形作っていった。この色鮮やかなパステルの大波は、まるで一糸乱れぬ軍勢の行進さながらに、中央講堂の重厚な大扉の向こうへと、一斉にその足跡を刻み始めるのだった。

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