五芒星の銃
舞い散る血の花びらは、どちらのものかさえわからぬほど。
屍食鬼と不死身の男の苛烈な戦いは続く。
小梅の笛は戦場を煽るように響き渡り、毛介の自室はいつの間にか広々とした舞台へと変貌していた。
舞台の上には桜の花が咲き誇り、花びらはびゅうっと散る。
(白桜の花か。――視界の邪魔だ!)
桔梗は舌打ちする。龍胆と桔梗、二人で共闘してもなお、織田毛介はしぶとかった。
毛介の首から流れる血は止まらない。だが致命傷ではない。
織田毛介は懐から銃を取り出した。雪が陰陽師に撃たれた、あの銃だ。
「貴様! その銃は陰陽師のものではなかったのか!?」
龍胆が舌打ちする。
「陰陽師どもは魔王様が始末された。これはその土産だ」
織田毛介はうっとりと銃を撫でた。
「わしの時代にはなかったものだ・・・。この銃には改良が施してある。標的へ狙いを定めれば、――ほれ」
銃口に青い光の五芒星が現れる。龍胆は目を見開くと、桔梗を突き飛ばした。
桔梗は龍胆の反応速度について行けず、肩をかすめた傷に「うっ!?」とうめいた。
「霊力の銃弾だ」
織田毛介は面白そうに嘲笑した。
「鬼を殺すために改良された銃だ。弾切れはない。――さあ、踊れ!!」
霊力の弾丸は龍胆の足を狙ってくる。竜胆は舌打ちすると、桔梗の首根っこを掴み、舞台から飛び降りた。
「ふん。どこへ逃げようが無駄だ」
織田毛介は獲物をいたぶる虎のように、ゆうゆうと闊歩し、龍胆と桔梗の後を追う。
しかし、小梅の幻術は毛介の動きを妨げ、強大な朱色の扉を出現させた。
その隙に、龍胆と桔梗は、朱色の廊下をひた走る。
「想像以上だぜ! どうする、龍胆っ!?」
「あの銃、一発でも当たれば致命傷だ。刀と銃か。――厄介だな」
二人、物陰に隠れる。
龍胆はふと、何を思ったのか刀を鞘に収めた。
「刀は使わないのか?」
「いや。居合の抜刀術で、同士討ち覚悟で行くしかない。・・・師匠はこのまま隠れていて下さい」
「馬鹿野郎っ! 死ぬつもりかよ!?」
「違いますよ。あなたが生きていないと、誰が俺の治療をするんですか」
龍胆は目を平べったくしてため息をついた。
すると、桃色のベールが現れた。小梅だ。
「何もたもたしてるんですか、龍胆さん。お母さんが心配してますよ?」
「子供に言われると辛いものがあるね」
「ああ。泣けてくるな」
大人たちは眉間を揉む。
小梅は頬をふくらませた。
「なに悠長なこと言ってるんですか。情けない」
「・・・お前だったらどうする?」
桔梗はなんとなく尋ねてみる。
小梅は胸を張った。
「この城の地下牢に閉じ込めたあと、地獄へ導きます」
「ふうん」
「ほお?」
龍胆と桔梗は顔を合わせた。




