中15
私、ティリーシア・フォリーは現在普段お城で使わせて頂いている休憩室に連れてこられ、レオ様によくわからない説得をされています。
・・・なぜこのような状況になったのかさっぱりわかりませんわ。
ティアは、自分が落ち込んでいたことを忘れたわけではないが、落ち込んでいる暇がないほど今の状況についていけず混乱していた。
何が起こっているかというと、下を向いていたティアの手を掴んで城の休憩室まで連れてきたレオは、転移したとたんティアの肩に手をおき、こう叫んだ。
「済まなかった。だけど、頼むから俺を嫌いにならないでくれ!謝っただけで済むとは思っていない。だから俺を殴ってくれ。」
レオに嫌われたらどうしようという不安な気持ちがいっぱいだった為、名前を呼ばれてもうつむいたままだったティアだが、レオの突拍子もない言葉にびっくりして顔を上げた。
「あの・・・レ、レオ様?」
一体何のことを言っているのかと聞こうとしたが、ティア自身も混乱しているため言葉にならず、レオの名前を呼ぶという形となってしまった。
ここでレオの暴走が収まればよかったのだが、暴走が収まることはなくさらにレオの話の暴走は続く。
「愛称で呼んでくれるっていうことは、まだ嫌われてはいないんだな!?ティアの気が済むまで殴り倒していいから、俺の傍にいてくれ!!!」
・・・・・決してレオはMの性格ではない。
ただ、少しティアのことになると頭のネジが一つ、二つ飛んでいってしまうだけである。
「・・・・一度、落ち着いてください。」
「俺は落ち着いているぞ!さぁ、さぁぁ!!!!!」
「・・・・・・・」
イラッとしたティアは一歩下がり、思いっきりお腹に力を込めて・・・・
バシッ!ボキ!
レオを扇ではたいた。
どこから扇を出したのかというと、貴族の女性たるもの普段から扇は持ち歩くべしという考えがあり、ティアもしっかりと普段から扇を持ち歩いているからだった。
先程ティアが、レオを扇ではたいて鳴った時の音の説明をすると、「バシッ」がはたく音で「ボキ」っというのは扇が折れた音である。
ティアの持っている扇は木製だが、硬くて丈夫だと言われている木で作られている。
そんな扇が折れるって・・・・・
やはりティアを怒らせるべからず・・・。
っと、まぁこんな感じで思いっきりはたかれたレオが無事なわけもなく、只今気絶中である。
大きく深呼吸したティアは、気絶しているレオを浮遊魔法で浮かせソファに寝かせ、たんこぶが出来てしまっているところには氷水でキンキンに冷やしたハンカチをのせた。
氷水もティアが魔法で作り出した物である。
いったい、いくつ属性魔法の適性があるのやら・・・・
ティアはレオの目が覚めるのを待つことにした。
やはり、ティアは強いです。
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