焦る
『神』それは古来からいると信じられ人々の拠り所となる存在。
この世界は奴らの手によって創りだされ、発展させられ、そして滅ぼされていく。
神々は気まぐれでありながら絶対的であり、その意思一つで文明は栄え、あるいは一夜にして消え去る。
そんな神々を滅ぼし、自らの力としていった“もの”がいた。
この物語はそのものの姿を示し、語り継いでいくものである。
神域に踏み込んだそのもの。
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そこにいたのは、一柱の神。
ただの神なら良かった
だが――
その存在は、これまでとは明らかに異なっていた。
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“理解できない”。
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そのものは即座に解析を行う。
神の権能。
弱点。
構造。
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だが――
情報が多すぎる。
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処理が追いつかない。
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視認しているはずの情報が、意味を持たない。
繋がらない。
まとまらない。
その神の権能。
『不明』
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能力が存在しないのではない。
むしろ逆。
“過剰”であるがゆえに理解できない。
解析を行おうとした瞬間。
情報が溢れ、思考が分断される。
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そして――
神の弱点。
通常、神の弱点は権能と紐づいている。
能力を理解すれば、弱点も導き出せる。
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だがこの神は違う。
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解析不能。
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ゆえに――
弱点も不明。
“終点が見えない”。
それが、この神の本質だった。
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神は動く
手に持つ剣。
その刀身に、異常が走る。
ノイズ。
存在が揺らぐ。
輪郭が崩れる。
意味が定まらない。
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その剣にもまた、『不明』が宿っていた。
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そして――
振るう。
斬撃。
だがそれは“斬撃”と呼べるものではない。
認識ができない。
理解ができない。
“何をされたのか分からない”。
その攻撃が、そのものへと届く。
だが――
無論通じない。
『超越』
理解不能。
解析不能。
関係ない。
そのものは、すべてを踏み越える。
どれだけ意味が不明でも。
どれだけ構造が破綻していても。
“結果”だけを無視する。
攻撃は成立しない。
そしてそのものは動く。
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『封印』
対象は――剣。
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ノイズが消える。
不明だったものが、固定される。
ただの剣へと変わる。
だが――
神は、笑っていた。
勝利を確信したような顔。
理由は明確だった。
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そのものは、これまで神を滅ぼしてきた。
すべて。
解析し。
理解し。
弱点を突いて。
だが今回は違う。
解析不能。
弱点不明。
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つまり――
“殺せない”。
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そう思っている。
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だが。
その確信は、次の瞬間崩れる。
「――剥奪」
そのものが動く。
対象は、神そのもの。
『不明』の一部。
引き剥がす
完全ではない。
だが――
“穴”が生まれる。
理解できる部分。
干渉できる部分。
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そこに。
『超越』
一撃。
意味を持たせる必要はない。
“届けばいい”。
攻撃が通る。
神の存在が、崩れる。
終わる。
ーーー
そのはずだった。
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だが――
止まらない。
崩壊しない。
神はまだ立っている。
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そして。
新たな力が発動する。
『複製』
空間が歪む。
そのものの力が、写し取られる。
ーーー
『超越』
『剥奪』
『封印』
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三つの権能。
完全ではない。
だが――
“再現される”。
それぞれ、およそ48%。
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劣化したコピー。
だが、それでも十分だった。
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「――偽剥奪」
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発動。
そのものの『超越』に干渉する。
制限がかかる。
踏み越えられない。
わずかなズレ。
だがそれが致命的。
動きが狂う
精度が落ちる。
これまでの完全性が、崩れる。
そのものは――
初めて。
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“焦り”を認識する。
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解析不能。
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そして複製。
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対象が強いほど、強くなる権能。
最悪の組み合わせ。
状況は一気に逆転する。
そのものは考える。
止まらず。
迷わず。
思考する。
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そして――
対処する
第5話いかがでしたか
設定として変なとこがありまして、剥奪と複製 効果同じじゃない?という疑問ができるのでここでその違いを解説できればなと
剥奪 相手の権能を剥ぐ 弱い力だと取り込める
複製 相手の権能の劣化を戦っている間のみ得る
という差となっています
では次回もお楽しみに




