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神滅者  作者: おまめ
神話
14/37

不足

神とは、絶対である。

触れることすら許されない存在。

だが――それを滅ぼし、力を奪う“例外”が現れた。

そのものは止まらない。

ただ前へ進み、神を越えていく。


そして今――


その先へ踏み込む

そのものは、神域のさらに奥へと進もうとする。だが――止まる。進行が、遮断される。目の前にあったのは、明確な“壁”。曖昧な干渉ではない。概念でもない。そこに確かに存在する、物理的な障壁だった。


神域という歪んだ空間の中にあって、それだけが異様に“確定している”。揺らがない。歪まない。ただそこに在る。そのものは理解する。これは通過を拒むためのものだと。


試す。『超越』を用いて拳を振るう。速度、質量、威力――すべてを引き上げた一撃。神すら滅ぼす一撃が壁へと叩き込まれる。だが、何も起こらない。衝撃は確かに伝わる。それでも壁には傷一つつかない。続けて『解放』。制限を外し、さらに上の出力で叩き込む。それでも同じ。変化は一切ない。


そのものは確信する。これは壊せる対象ではない。強度の問題ではない。“資格”の問題。この壁は、力ではなく位階によって通過が決まる。


この壁は境界だった。神域と、そのさらに先にある領域を隔てるもの。


『神界』。


神域のさらに奥に存在する領域。だがそれは単なる上位の場所ではない。構造そのものが異なる。神域が神の巣であるならば、神界は神そのものが完成する場所。存在の密度、概念の強度、そのすべてが神域とは比較にならない。

神域では、権能は“力”として扱われていた。神と切り離された、奪い得るもの。ゆえにそのものは、神を滅ぼすことでそれらを取り込み、位階を上げてきた。


だが――神界は違う。


神界において、権能は“力”ではない。

それは存在そのものと結びついた概念。切り離すことも、奪うこともできない。神は権能を持つのではなく、権能そのものとして在る。


ゆえに――奪えない。


滅ぼしたとしても、そこに残るのは完全な力ではない。わずかな“断片”や“痕跡”のみ。それすらも、位階が届かなければ認識することすらできない。

さらに神界では、位階の差が絶対となる。神域では覆せた差も、ここでは成立しない。位階が下の存在は、上位存在を視認することすら困難となる。同じ場に在ることすら、許されない。


だからこそ、この壁が存在する。境界ではない。選別。その資格を持たぬものを、初めから排除するためのもの。


侵入条件は単純。位階。それのみ。だが基準が異常だった。少なくとも『核』を持っていた神々、あの融合体を基準として、その三十八倍の位階が必要となる。


そのものは自分の状態を測る。現在の位階。『核』の神と比較して、およそ十三倍。通常であれば異常な上昇だが――足りない。届かない。


そのものは理解する。このままでは進めない。どれだけ力を振るっても、この壁は越えられない。ならば必要なのは単純。位階を上げること。そのための手段も、これまでと変わらない。


神を滅ぼす。


ただし――神界に至るためには、奪うのでは足りない。蓄積するしかない。断片を積み重ね、存在そのものを引き上げる必要がある。


そのものは判断する。一度、神域の浅層まで戻る。そして存在するすべての神を滅ぼし、権能を集め、位階を引き上げる。


動く。だが――違和感。気配がない。神がいない。一柱も。


そのものは理解する。原因は自分自身。神を滅ぼし続けた存在。その異常性により、神々は神域に留まることをやめた。逃げた。


どこへか、それは人間界。


神域よりも下位の領域。本来であれば神が直接干渉することは少ない場所。だが今は違う。恐れた神々はそこへ逃げ込み、あるいはその力を解き放っている。


そのものは即座に判断する。人間界へ向かう必要がある。だが戻る術はない。通常は。


だが例外はある。一度、神域から強制的に排除された時に使われた干渉。それを再現する。


『空間』『封緘』『解放』。この三つを自分自身へ適用する。神域に対して“異物”として振る舞い、強制的に拒絶させる。


そのものは迷わず発動する。空間が歪む。関係が固定される。力が解放される。神域が反応する。拒絶。排除。

そのものの存在が弾かれる。座標が切り替わる。空間が入れ替わる。


そして――人間界へと降り立つ。


そこに広がっていたのは、崩壊だった。地形が抉れ、街が消え、空が歪む。炎、氷、雷、様々な現象が同時に発生している。だがそれらは自然ではない。すべてが意図的。神々による直接干渉。


これまでとは違う。以前は間接的だった。天災として振る舞っていた。だが今は違う。神が直接、意思をもって世界に触れている。


その結果、被害の規模は比較にならない。人間は抗う術を持たない。ただ巻き込まれ、消えていく。


そのものはその光景を見ても変わらない。ただ理解する。


神はここにいる。


ならば――滅ぼすだけだ。


そのものは歩き出す。神域ではない。人間界という舞台で。位階を引き上げ、やがてあの壁の先へ至るために。


『神界』へと。

第14話いかがでしたか?


一度人間界に戻ったそのもの、、、 一体どうなるんでしょう


次回もお楽しみに‼︎

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