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俺が魔王じゃなければ誰が魔王だというんだ〜無属性と判定された王子と黒き薔薇のメイドたち〜  作者: 黒華レン
学園編

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右ブロック決勝戦 アイリス vs フィオナ

右ブロック決勝戦です!

 ノクティスが高らかに宣言する。


「続きまして右ブロック決勝!」


「聖光王国アルディア代表――アイリス!」


 大きな拍手が会場を包む。


 アイリスは静かな表情のまま試合場へ姿を現した。


 腰には細身の剣。


 真っ直ぐな瞳で正面を見据える。


 続いて、


「聖光王国アルディア代表――フィオナ!」


 フィオナもゆっくりと歩み寄る。


 二人が中央で向かい合うと、自然と会場は静まり返った。


 同じ王国。


 そして、同じ学院。


 幼い頃から共に剣を学び、互いを誰よりも知る二人。


 セレスティアは来賓席から静かに見守っていた。


「二人とも……がんばって……」


 その声には期待と不安が入り混じっていた。


 アイリスが小さく微笑む。


「ここまで来たわね」


 フィオナも優しく笑う。


「はい」


「ですが、この試合だけは譲れません」


「もちろん、私もですよ」


「私も本気よ」


 二人は深く一礼する。


 審判が右手を掲げた。


「始め!」


 次の瞬間、


 二人は同時に地面を蹴った。


 ガキィィン!!


 開始直後から剣が激しくぶつかり合う。


「最初から速い!」


「息がぴったりだ!」


 観客席から歓声が上がる。


 右へ、左へ。


 互いの剣が何度も交差する。


 無駄がない。


 どちらも相手の癖を知り尽くしていた。


 アイリスが一歩踏み込む。


 鋭い突き。


 フィオナは紙一重でかわし、そのまま横薙ぎへ繋げる。


 キィィン!!


 再び剣がぶつかった。


 ガルドが腕を組みながら笑う。


「なるほどな」


「互いを知り尽くしてるから駆け引きが面白ぇ」


 レティアも静かに頷く。


「読み合い」


「一歩先を読む戦い」


 レヴィアも目を細めた。


「技術だけなら今日一番かも」


 二人の剣は止まらない。


 激しい攻防が続く。


 しかし互いに決定打はない。


 やがてアイリスが静かに息を吐いた。


「そろそろ行くわ」


 剣へ眩い光が宿る。


 観客席がどよめく。


「属性魔法!」


 フィオナも表情を引き締める。


「なら私も」


 風が吹いた。


 細剣へ淡い緑色の魔力が集まっていく。


「風属性か!」


「二人とも属性持ちだったのか!」


 セレスティアは静かに微笑んだ。


「二人とも……成長しましたね。」


 アイリスが駆け出す。


 光を纏った斬撃。


 フィオナは風を纏い迎え撃つ。


 ガキィィィン!!


 魔力が激しくぶつかり合う。


 衝撃波が試合場を駆け抜けた。


 そこからは一進一退だった。


 アイリスが押せば、


 フィオナが押し返す。


 フィオナが攻めれば、


 アイリスが受け流す。


 どちらも一歩も引かない。


 観客席は固唾を呑んで見守っていた。


 そして――


 二人は同時に後ろへ跳ぶ。


 互いに息を整える。


 アイリスが微笑んだ。


「最後よ」


 フィオナも頷く。


「ええ」


「悔いのないように」


 二人は再び駆け出した。


 光と風が交差する。


 キィィィィィン!!


 今までで最も大きな衝突音が響く。


 静寂。


 風が止む。


 光が消える。


 やがて一本の剣が、


 カラン……


 乾いた音を立てて地面へ落ちた。


 それはフィオナの細剣だった。


 アイリスの剣先が静かにフィオナの喉元で止まっている。


 審判が右手を振り下ろした。


「そこまで!」


「勝者!」


「聖光王国アルディア代表――アイリス!」


 一瞬の静寂。


 そして会場は大きな拍手に包まれた。


 フィオナは悔しそうに笑う。


「……また負けてしまいましたね」


 アイリスは首を横に振る。


「違うわ」


「今日は、本当に紙一重だった」


 そう言って右手を差し出す。


 フィオナはその手を握り返した。


「次は勝ちますね」


「望むところよ」


 二人は笑い合う。


 その姿を見たセレスティアは、胸に手を当てて安堵の息を漏らした。


「ありがとう……二人とも」


 ノクティスが壇上へ上がる。


「右ブロック決勝、終了!」


「勝者、聖光王国アルディア代表――アイリス!」


「これにて決勝戦の組み合わせが決定しました!」


 会場全体が静まり返る。


 ノクティスは大きく右手を掲げた。


「決勝戦!」


「リベルタ中央魔導学院代表――ミオ!対、聖光王国アルディア代表――アイリス!」


 闘技場が、この日一番の歓声に包まれた。

とうとうやってきました!頂点を決める決勝戦!

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