ガルド vs ディオン
次の代表戦がはじまします。
ノクティスが高らかに告げる。
「第二試合!」
「鉄槌王国グランツ代表――ガルド!」
会場から歓声が沸き起こる。
ガルドは巨大な戦槌を肩へ担ぎながら堂々と試合場へ姿を現した。
一歩踏み出すたびに地面が低く震える。
「さぁて」
「次は思い切り暴れさせてもらうぜ」
対するは、
「ルーヴェン覇王国代表――ディオン!」
ディオンは剣を腰へ携え、落ち着いた足取りで試合場へ上がる。
二人は中央で向かい合い、一礼を交わした。
審判が右手を掲げる。
「始め!」
開始と同時にディオンが駆け出す。
ガルドも真正面から突っ込んだ。
「おらぁぁぁ!!」
巨大な戦槌が横薙ぎに振るわれる。
ブォンッ!!
凄まじい風圧が観客席まで届いた。
しかし、
ディオンは紙一重で身を沈める。
そのまま懐へ飛び込み、鋭い斬撃を放った。
「取った!」
キィン!
戦槌の柄で受け止められる。
「近付いてくるとは面白ぇ!」
ガルドは豪快に笑う。
戦槌を身体ごと回転させながら振り抜く。
ディオンは後方へ飛び退いた。
「ちっあぶねぇーやっぱ重いな!」
観客席から声が上がる。
「あんなの、まともに受けたら終わりだ!」
「でもディオンも速いぞ!」
ガルドは笑みを浮かべる。
「おいおい、逃げ回るだけか?だったら逃げ場ごと潰すぞ!」
戦槌を大きく振り上げる。
「おおぉぉぉぉ!!砕けろぉぉぉ!!」
ドゴォォォン!!
地面へ叩き付けられた一撃。
闘技場全体が揺れる。
石畳が砕け、砂煙が舞い上がった。
ディオンは衝撃を利用して後方へ飛び、体勢を立て直す。
「くそ、なんて威力だ……」
だが、
その表情には焦りよりも笑みが浮かんでいた。
「ちくしょう、面白いじゃないか」
「ああ、俺も久しぶりに本気で戦えそうだ」
ガルドも笑う。
「気に入った!来い!」
二人は再び激突する。
剣と戦槌。
速さと重さ。
全く異なる戦い方。
しかし互いに一歩も譲らない。
激しい攻防が続いた。
「互角だ!」
「すげぇ!」
会場の熱気がさらに高まる。
その時だった。
ディオンが一瞬だけ視線を下へ向ける。
「今だ!」
低い姿勢から足払い。
ガルドの体勢が僅かに崩れた。
その隙を狙い、鋭い突きを放つ。
だが、
ガルドは笑っていた。
「がっはっは、わざとだ。うまく引っかかってくれたな」
戦槌を手放し、そのまま拳を振り抜く。
「なっ!?」
ドゴッ!!
ディオンは咄嗟に剣で防御したが、大きく吹き飛ばされる。
場外線寸前で踏み止まる。
「くそっ、拳まで重いのか……!」
ガルドは戦槌を拾い上げる。
「武器だけだと思ったか?」
「見ての通り俺の攻撃は全部重てぇぞ!」
観客席から歓声が上がる。
ゼノも思わず身を乗り出した。
「素晴らしい筋力ですね」
「参考になります」
シルヴィアが静かに呟く。
「シルヴィアは参考にしなくていいです」
ガルドは戦槌を肩へ担ぐ。
「終わりだ!」
再び突進。
ディオンも迎え撃つ。
激突。
ドォォン!!
衝撃が会場を揺らす。
ディオンの剣が弾き飛ばされた。
その瞬間、
巨大な戦槌が寸前で止まる。
審判が右手を振り下ろした。
「そこまで!」
「勝者!」
「鉄槌王国グランツ代表――ガルド!」
会場は大きな拍手に包まれた。
ディオンは苦笑しながら剣を拾う。
「完敗だ。戦い方まで豪快だった」
ガルドは豪快に笑う。
「お前も強ぇよ!また戦おうぜ!」
二人は固く握手を交わした。
観客席ではリヒトが静かに試合場を見つめる。
次の相手は――ガルド。
その視線は、すでに次の戦いへ向けられていた。
代表戦誰が勝ち残るのか!




