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俺が魔王じゃなければ誰が魔王だというんだ〜無属性と判定された王子と黒き薔薇のメイドたち〜  作者: 黒華レン
学園編

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組み合わせ抽選

第一戦目が始まりました!

 ノクティスが再び壇上へ上がる。


「それでは、これより組み合わせ抽選を開始します」


 その言葉と同時に、数人の教師が巨大な木製のトーナメント表を運び込んだ。


 縦に長く設置された対戦表を見た生徒達から歓声が上がる。


「おぉーー!」


「いよいよ始まる!」


「誰と誰が当たるんだ?」


 会場の空気が一気に熱を帯びる。


 ノクティスは代表選手達へ視線を向けた。


「代表の皆さんは順番に抽選箱から番号札を引いてください」


 リベルタ代表、


 ミオ、


 アウレリア。


 アルディア代表、


 アイリス、


 フィオナ。


 グランツ代表、


 ガルド、


 バルク。


 エルドリア代表、


 ゼノ、


 シルヴィア。


 ルーヴェン代表、


 リヒト、


 ディオン。


 十名が順番に壇上へ上がる。


 箱から一枚ずつ札を引き、教師達が巨大なトーナメント表へ貼り付けていく。


 一枚貼られるたびに会場は大きく沸いた。


「おっ!」


「そこか!」


「面白い組み合わせになってきたぞ!」


 そして。


 最後の札が貼られる。


 ノクティスが一歩前へ出た。


「以上で組み合わせが決定しました」


 全員の視線がトーナメント表へ集まる。


 すると。


「あっ!」


「ルーヴェン代表、二人とも同じブロックだ!」


「アルディアもだ!」


「本当だ!」


「勝ち上がったら途中で同士討ちじゃないか!」


「抽選運が悪かったな……」


 そんな声があちこちから聞こえてくる。


 レイも静かにトーナメント表を眺めた。


(なるほど……)


(運が悪かったな)


 一方、


 来賓席。


 レオニスも苦笑していた。


「今年は抽選運に恵まれなかったようだ」


 隣の家臣も頷く。


「二人とも十分な実力があります」


「ですが同じブロックでは、決勝へ進めるのは一人だけになります」


 レオニスは静かに腕を組んだ。


「それも勝負だ」


 その言葉に家臣も静かに頭を下げた。


 一方、


 ルーヴェン代表席。


 リヒトが小さく笑う。


「同じブロックか」


 ディオンも肩をすくめた。


「抽選だから仕方ないな」


「勝ち進めば、いずれ戦う」


「そうだな」


 二人はそれ以上何も言わなかった。


 互いの実力を誰よりも知っている。


 だからこそ。


 もし当たるなら全力で戦うだけだった。


 一方、


 アルディア代表席。


 フィオナもトーナメント表を見つめる。


「アイリス様」


「私達も同じブロックですね」


 アイリスは小さく頷いた。


「ああ」


「勝ち上がれば最後に戦うことになる」


 フィオナは微笑んだ。


「その時は遠慮しません」


「望むところだわ」


 二人は笑い合う。


 その様子を見ていたセレスティアも柔らかく微笑んだ。


「二人とも怪我だけはしないでくださいね」


「はい」


「もちろんです」


 一方。


 代表控え席ではゼノが腕を組みながら大きく頷いていた。


「ふっ……」


「なるほど」


「これは実に美しい組み合わせですね」


 シルヴィアがため息をつく。


「何がですか」


「私が決勝へ進む未来しか見えません」


「一回戦です」


「はい?」


「まだ一回戦です」


「あっ」


 ゼノは真顔になる。


「そうでした」


 シルヴィアは額へ手を当てる。


「決勝戦の勝ち方を考える前に、一回戦の相手を見てください」


 ゼノは慌ててトーナメント表を見る。


「リヒト……なるほど強そうですね」


「今気付いたんですか?」


「決勝ばかり見ていました」


「見なくていいです」


 そのやり取りを聞いていたガルドが豪快に笑った。


「はっはっは!」


「お前、本当に面白い奴だな!」


 ゼノは胸を張る。


「ありがとうございます」


「昔からよく言われます」


「褒めてねぇぞ!」


 ガルドはさらに大笑いした。


 その横でバルクも肩を震わせる。


「緊張してたが、おかげで少し肩の力が抜けた」


 ゼノは満足そうに頷いた。


「人を笑顔にするのも天才の役目です」


 シルヴィアはぼそっと呟く。


「たまたまです」


「違います」


「偶然です」


「違います」


「……そういうことにしておきます」


 観客席からも小さな笑いが起こった。


 一方。


 レティアとレヴィアは静かにトーナメント表を見つめていた。


「面白い組み合わせ」


 レヴィアが呟く。


「ルーヴェンとアルディアは運が悪かったね」


 レティアも頷いた。


「でも結局強者が勝ち残る」


 二人の視線は自然とミオ、ガルド、アイリスへ向く。


「さて」


「誰が一番強いのかな」


 観客席。


 セラは身を乗り出していた。


「ミオさん頑張れー!」


 エリシアも笑顔で頷く。


「応援しよう」


 リリアナは緊張した様子で両手を握る。


「わ、私まで緊張してきましたぁ……」


 アウレリアは落ち着いた表情で試合場を見つめる。


「代表として恥ずかしくない試合をしますわ」


 クロエは腕を組みながら笑う。


「楽しみになってきたな」


 エルフィもニヤリと笑う。


「ゼノって人、本当に大丈夫かな?」


 ニアは首を傾げる。


「面白いやつにゃ」


 その時。


 ノクティスが再び壇上へ立った。


「それでは!」


「各国学院交流戦、第一試合を開始します!」


 会場が一気に静まり返る。


「第一試合!」


「魔導連邦エルドリア代表――ゼノ!」


「はいっ!」


 ゼノは勢いよく手を挙げると、堂々と試合場へ歩き出した。


 途中で観客席へ向かって軽く手を振る。


「皆さん!」


「瞬きだけはしないでください!」


「私の華麗な勝利を見逃しますよ!」


 シルヴィアは小さく呟く。


「まず勝ってから言ってください……」


 観客席から小さな笑いが漏れる。


「対するは!」


「ルーヴェン覇王国代表――リヒト!」


 無駄のない足取りでリヒトが試合場中央へ歩み出る。


 ゼノは剣を構え、不敵な笑みを浮かべた。


「では」


「華麗に勝たせていただきます」


 リヒトは静かに剣を抜く。


「できるものならな」


 二人が向かい合う。


 審判がゆっくりと右手を上げた。


 各国学院交流戦、


 記念すべき第一試合が、今始まった、

さてどちらが勝つのでしょう!

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