開会式
開会式です。
各国学院交流戦。
会場全体が静まり返る。
壇上へ司会役の教師、ノクティスが姿を現した。
「皆様、お待たせいたしました」
「これより、各国学院交流戦開会式を執り行います」
大きな拍手が響く。
ノクティスは各国の来賓席へ視線を向けた。
「本大会には各国の学院代表だけでなく、各国を代表する王族の皆様にもお越しいただいております」
「まずは来賓の皆様をご紹介いたします」
最初に紹介されたのは聖光王国アルディア。
セレスティアが静かに立ち上がる。
気品ある一礼。
それだけで会場から感嘆の声が漏れた。
「綺麗……」
「本物のお姫様だ……」
セレスティアは柔らかく微笑み、静かに席へ戻る。
その隣ではアイリスとフィオナが周囲を静かに警戒していた。
続いてグランツ。
王子が立ち上がると、大柄な体格に観客席がどよめく。
さらにエルドリア。
魔導連邦らしく、若き魔導大臣が挨拶を行う。
そして最後、
「ルーヴェン覇王国より、第一王子レオニス・ルーヴェン殿下です」
レオニスが立ち上がる。
堂々とした立ち姿。
自然と会場が静まった。
「本日はこのような素晴らしい大会へ招いていただき感謝いたします」
「若き才能ある皆様が全力を尽くされることを期待しております」
「勝敗に関係なく、この経験が皆様の未来の糧となることを願っております」
短いながらも堂々とした挨拶だった。
拍手が響く。
レイは静かにそれを眺める。
ミオも何事もないような表情で拍手を送っていた。
開会式が終わり、
来賓達が控え席へ移動する。
その途中だった。
レオニスがリベルタ代表として待機していたミオの前で足を止める。
「代表か、健闘を祈っている」
ミオは丁寧に頭を下げた。
「ありがとうございます」
レオニスは一歩近付き、小さく声を落とす。
「元気にやっているか」
ミオも表情を変えない。
「はい、私もあの子も元気ですよ」
レオニスは小さく微笑む。
「そうか、安心した」
それだけ言うと、何事もなかったように歩き去っていく。
まわりには、誰一人その短いやり取りを聞いている者はいなかった。
しかし来賓席へ戻る途中、
セレスティアが不思議そうに尋ねる。
「レオニス殿下」
「先ほどリベルタ代表の方とは何をお話しされていたのですか?」
レオニスは肩をすくめる。
「いや、あれほど綺麗な女性だ。ルーヴェンへ来ないかと誘ってみたんだ。だが、見事に断られてしまった」
そう言って豪快に笑う。
周囲の護衛達も思わず苦笑した。
セレスティアも微笑む。
「ふふ、お上手ですね」
しかし、
彼女の視線は自然とミオへ向いていた。
(あれ?……あの方どこかで……)
幼い頃、
ルーヴェン王城。
庭園で遊んだ記憶。
年上のお姉さん。
そして一人の少年。
断片的な記憶が頭をよぎる。
(うーん、気のせいかしら)
その違和感は胸の奥へしまい込まれた。
一方、
代表控え席。
ゼノは腕を組み、得意げに笑っていた。
「ふっ……」
「この大会、実質優勝はこの私に決まったようなものですね」
隣にいたシルヴィアがため息をつく。
「まだ始まってもいません」
「天才は結果が見えるものなんですよ、ちなみに決勝戦の勝ち方ももう考えてあります」
「決勝戦の相手がどんな戦い方をする方かもまだわからないでしょうに!まず一回戦を勝ってください」
「…………」
ゼノは真顔になった。
「それもそうですね」
シルヴィアは静かに額へ手を当てた。
「先が思いやられます……」
その様子を見ていたガルドは腕を組んで笑う。
「面白い奴だな」
「私は真面目です」
即答だった。
その返答に、ガルドはさらに豪快に笑った。
そんな各国代表達を見ながら、
レティアとレヴィアは静かに目を細める。
「いよいよ始まるね」
「うん」
「本当の強者が現れるのはここから」
二人は代表達から目を離さなかった。
その時、
ノクティスが再び壇上へ上がる。
「それでは、これより組み合わせ抽選を開始します」
各国学院交流戦、
いよいよ最初の戦いがはじまる。
いよいよ、第一戦目がはじまります。




