魔導学院結界崩壊事件
学園の日常
––リベルタ中央魔導学院
放課後。
講義が終わり学生たちがそれぞれの目的地へ向かっていた。
研究会へ向かう者。
図書館へ向かう者。
ギルドへ依頼を受けに行く者。
そんな中、
レティアとレヴィアは人気のない廊下を歩いていた。
「姉さん、本当にやるの?」
レヴィアが聞く。
「あたり前でしょう」
レティアが答える。
「学院内は広い。生徒も多い。全体を監視するのにとても効率がいいの」
「それで学院の結界を利用するってわけね」
「ええ」
リベルタ中央魔導学院には防衛結界が存在する。
外敵から学生を守るためのものだ。
だが、
その結界は学院全体に魔力回路を巡らせている。
そこへ細工を施せば、
学院中の魔力反応を把握できる。
「これが成功すればかなり楽になるわ」
「さすがお姉ちゃん」
二人は地下にある結界管理区画へ向かった。
魔法陣が展開される。
複雑な魔力回路が浮かび上がった。
「かなり複雑だけど…接続成功」
レティアが微笑む。
「思ったより簡単だったね」
レヴィアも笑った。
「もっと手間取るかと思ったけどね」
その時。
––––ブツッ
「ん?」
レティアが反応する。
魔法陣が消えた。
「何今の」
レヴィアも不思議そうに言う。
「一瞬だけ回路が切れた?」
レティアが首を傾げる。
だがすぐ復旧する。
「失敗したのかと思ったけど、気のせいね」
再接続を開始した。
一方その頃、
校舎裏。
ニアが一人で歩いていた。
「今日は平和だにゃー」
ぽかぽか陽気。
眠くなる。
そんな時、
地面から少しだけ飛び出している結晶を見つけた。
「ん?」
しゃがみ込む。
「何にゃこれ?」
透明な結晶。
キラキラしている。
「綺麗だにゃ」
指でつつく。
カチッ
爪が触れた。
結晶が砕ける。
––––パキン
地下。
魔法陣が吹き飛んだ。
「きゃっ!?」
レヴィアが驚く。
「第三回路が消えた!?」
「何で!?」
ニア。
「壊れたにゃ」
興味を失う。
そのまま歩き出した。
しばらくすると。
今度は石柱を見つけた。
人の背丈ほどの高さ。
側面にわかりにくく魔法文字が刻まれている。
「何にゃこれ?」
ペタペタ触る。
「変な模様だにゃ」
爪でなぞる。
ガリッ
––––ミシッ
「ん?」
もう一回。
ガリガリ。
––––バキッ
柱が割れた。
地下。
「第四回路も死んだぁぁぁ!?」
レヴィアが叫ぶ。
「あり得ない!」
レティアも焦る。
「誰かいる!?」
「敵!?」
「まさか黒十華!?」
二人は勝手に結論付け始める。
一方。
ニア。
「なんかよく壊れるにゃ」
首を傾げる。
さらに歩く。
屋上へ到着。
日当たり最高。
「ここで昼寝するにゃ」
寝転がる。
ゴロン。
ゴロン。
ゴロン。
魔力中継装置の上だった。
––––ゴキッ
地下。
全回路停止。
「……」
「……」
二人は固まった。
「終わった」
レティアが言った。
「終わったね」
レヴィアも言った。
その瞬間。
学院全体に警報が鳴り響く。
––––ピーーー!!
––––ピーーー!!
––––ピーーー!!
教室。
「敵襲ですの!?」
アウレリアが立ち上がる。
「ついに来たか!」
セイルが叫ぶ。
「右眼が疼く!」
ヴェインも叫ぶ。
「静かにしなさい!」
エルナが怒鳴った。
学院長室。
学院長オルフェウスが報告を受けていた。
「結界が消えただと?」
「はい」
「原因は?」
「調査中です」
その頃。
ニアは木の上で寝ていた。
「すやぁ……」
翌日。
結界復旧作業。
レティアとレヴィアと複数の学生たちは教師総出の調査に巻き込まれていた。
「姉さん」
「何?」
「黒十華って恐ろしい組織だね」
「ええ」
「私たちの工作を見抜いて学院の結界そのものを破壊した」
「ええ、間違いないわ。黒十華侮れないわ」
二人は真顔だった。
そしてそのすぐ近く。
「昨日いっぱい変なもの壊れたにゃ」
ニアが呑気にパンを食べていた。
結局、原因不明、
犯人は誰にもわからなかった。
犯人はヤs...ニア




