ティータイム
…雨
今日は少し曇り空、
少々肌寒く感じる。
ヴァルゼオンは茶葉を扱っている店の主人から温かい物でおすすめの物を聞いていた。
「それだったらこれなどどうだろう。茶葉の他に体が温まる成分が含まれている。今日みたいな肌寒い日にはちょうどいい」
店主のすすめでヴァルゼオンはこの茶葉を買い屋敷に戻った。
ヴァルゼオンは早速ティータイムにこの茶葉を使いお茶を淹れた。
「あったまるー!今日は少し寒く感じてたからちょうどいいわね」
ミオがそう言った。
「確かに今日は少し寒かったからね、あったかくてホッとするね。ヴァルゼオンは几帳面だし、淹れてくれるお茶はうまいね」
レイが言った。
「それは私が几帳面ではないという事ですか?レイ様ー?」
ミリエルが言った。
「ミリエルが繊細で几帳面なのはよく知ってるから大丈夫」
(ミリエルは結界のスペシャリストだからね)
「それなら良かったです、けどあんまりヴァルゼオンを褒めると少し妬いてしまいますわ」
少し笑いながらミリエルが言った。
「だってヴァルゼオンの淹れてくれるお茶が美味しくてさ」
レイが微笑みながらミリエルに言った。
––そして後日、
今日も少し曇り空であった。
「ヴァルゼオン様、今から茶葉を買いに行かれるのですか?」
エストレアがヴァルゼオンに言った。
「ああ、今から行ってこようかと思っている」
「雨が降ってきそうなのでご注意して下さいね」
「ああ、わかった。急いで行って雨が降る前に帰ってくる事にしよう」
「お気をつけて行ってきてください」
エストレアがそう言ってヴァルゼオンを送り出した。
ヴァルゼオンは店に着き茶葉を見て回る。
(どの茶葉を買って帰ろうか。そうだ、今日はこの間、レイ様たちが香りがすごくいいと言っていた茶葉を買ってかえろう)
「この間もらった香りの良かった茶葉はあるか?」
ヴァルゼオンが店主に聞いた。
「悪いね、あれは人気があって今日は売り切れちまってるよ」
「そうか、ではしょうがないな。いつもみたいに何かおすすめのものはあるかい?今日は香りの良いものがいいな」
「それだったらこいつはどうだい?茶葉に柑橘がまぜてある。淹れた時の香りがものすごくいいよ」
「いつも店主のおすすめは間違い無いからな、それをもらおう」
「いつもありがとうね」
ヴァルゼオンは茶葉を購入し扉を開けた。
外は小雨が降っていた。
「降ってきてしまったか」
ヴァルゼオンが言うと店主が、
「傘、持って行くかい?」
「いや、この程度なら走って帰るよ」
ヴァルゼオンは扉を閉め走った。
しかし、途中から雨足が激しくなり仕方なく軒下で雨宿りをする事にした。
(茶葉を選んでる時に時間をかけすぎてしまったな)
ヴァルゼオンがそう思っていた時、同じく雨宿りに来たのであろう、軒下に入ってきた男がいた。
非常に大柄な男であった。
(アイゼル!?)
「よう、ヴァルゼオンじゃないか、こんな所で何をしているんだ?エストレアは良くなったそうじゃないかよかったな」
「まあ色々あってなあそこを出る事にしたんだ、エストレアはおかげさまで無事に回復した」
「そうか、冥府十王を抜けたっていう噂は本当だったのか。まあ俺には関係ねぇ、勝手にやるといいさ」
「そうさせてもらうさ。雨も止みそうもない。このまま走って行く事にする」
「あぁ、じゃあな…」
ヴァルゼオンがアイゼルに背を向け…
…グサッ
ヴァルゼオンの腹部から血のついた刃が覗く
「どう言う事だアイゼル…」
「どう言う事も何も、勝手に冥府十王を抜けた裏切り者を始末するだけじゃないか。そもそも俺はお前の事が嫌いだったんだよ、色男。エストレアは俺が目をつけていたんだ。安心しろ、エストレアはお前が死んでも俺が可愛がってやるからよ、がっはっはっは」
「エストレア…主様…」
……ザァァァー
「ヴァルゼオン遅いねーいつもならもうお茶淹れてくれてるのに、雨だからかなー」
ミオが言った。
……ザァァァー
土砂降りの雨の音が響く。
レイは窓の外を見ていた。
(…胸騒ぎがする)
この後、ヴァルゼオンはどうなってしまうのだろうか!?




