魔導学院への潜入
とうとう魔族が魔導学院に潜入してきます。
––リベルタ中央魔導学院
Aクラス
エルナの横には二人の男が立っていた。
一人は長髪のクールな印象の男。
もう一人は頑丈そうな体格のいい男。
「それではお二人の紹介をしますね。お二人はAクラスに特別に講師として入っていただける事になりました。まず、ノクティス先生。主に魔法を教えて頂きます。続いてアイゼル先生。こちらは主に武術を教えて頂きます。お二人からも挨拶をお願いします」
エルナが言った。
「初めましてノクティスと申します。君たちには魔法関係を教えることになるが、私も君たちから学ぶ事が多くあると思うのでよろしくお願いしたい」
ノクティスが言った。
「俺はアイゼルだ。武術系を教えることになる。ビシバシ鍛えてやるからそのつもりで覚悟していてくれよ、ははは。あの後ろで一人でいる学生は?」
アイゼルは学生たちに向かい言った後、エルナに聞いた。
「あの学生は友人二人が最近増えている行方不明事件に巻き込まれてしまったようで…」
エルナはアイゼルとノクティスの二人にだけ聞こえる様に言った。
「少し話をしてきてもいいだろうか?」
アイゼルはエルナに尋ね、
エルナは首を縦に振り返事をした。
アイゼルが後ろの方、一人で座っている学生の方へ向かって行き学生の前に立った。
「リリス、お前部下を二人なくして失敗したんだろう?なんでまだこの学園にいるんだよ。サキュバスごときいても変わらねえよ、ははは」
アイゼルは他の学生には見えないように笑みを浮かべながら言った。
「お前たちには関係ない!私には私のやるべきことがある。早く私の前から消えてよ」
(お願い!私はこいつらとは関係ない、本当に関係ないの!どうか気付かないで)
リリスは気丈に言ったが、
体が震えていた。
レイに誤解されると消されるかも知れない。
何もしなければ殺さないとは言っていた。
だが、震えてしまう。
そしてその震えが誰にも気取られないよう必死で堪えていた。
(なんだ?リリス、一瞬どこかを見なかったか?)
「あそこにいる学生の友人たちが最近増えている行方不明事件に巻き込まれてしまったかも知れないと言う。非常に残念だ!だが、私たちもこれからそのような事が起こらないよう尽力する事を誓おう」
アイゼルはそう言い、違和感を少し感じたものの気には留めなかった。
「それではお二人の講義は次回からになるので楽しみにしておいてください、あと以前から言っている能力検査がもうすぐですので準備をしっかりしておいて下さいね。そしていつも言っていますが事件に巻き込まれないように十分に注意をして帰って下さい」
エルナが終了の挨拶をした。
リリスは終了後少しの間、残っていた。
レイと話をするためである。
「やっぱり来たのね。あいつらとの関係を聞きに来たんでしょ?」
リリスがレイに言った。
「ああそうだ。あいつらも魔族だろ?」
レイが言った。
「ええ、あいつらは顔見知りよ。でも今回、あいつらが来たのはわたしは関係ないの!」
リリスは少し怯えながら続けた。
「私は部下を二人失って、あいつらに馬鹿にされて…あいつらが何をしようとしているかは知らない。けど、私はあいつらより強くなって見返してやりたい。あなたには関わらないようにするわ。だから、信じて」
リリスはレイをまっすぐに見て言った。
「それが君のやりたい事?」
レイはリリスに問う。
「私がやりたいこと。失った二人のためにも馬鹿にされたままは嫌だ」
リリスから強い決心が伺える。
「わかった。今回は君を信じよう」
リリスは安堵の表情を浮かべていた。
––リベルタ中央魔導学院
学園入り口前。
「あの人たちは先に潜入をしたみたいね」
「じゃあ、次は私たちの番ね、姉さん」
レティアとレヴィアが言う。
「「さあ、行きましょう」」
レティアとレヴィアが学園に向かって行くのであった。




