ドンの策略
ドンが悪だくみをしているようです。
––とある屋敷の一室
扉は閉め切られ静まり返っている。
高級であろう椅子の両脇には魔獣が二匹控えている。
ルクスとノワールである。
その椅子にはレイ、そして膝の上にはみゅうが座っている。
「みゃあー!」
「それでは報告とやらを聞くとしようか」
レイが言う。
「まず、昨晩の事だけれども、この町を襲おうとしてきた軍勢がいたわ」
エフィリアが言った。
「焼け跡を見た。だから何かあったであろう事は知ってる」
「それをルピナ、リズ、エルフィ、エルミナ、セフィラとミリエルで迎え撃ったわ。相手の数は1000程度だったわ」
「1000!?」
(1000体を食い止めたって言うのか?まぁ俺なら楽勝だけどね)
「ええ、この町、私たちを落とすには少なすぎるわよね」
(えっ、こいつらの規模って…?)
「何か?気になる事でも?」
「ごほん、いやそれで?」
「ほとんどの者たちはセフィラとリズの魔法で焼滅したわ。それで残った者を尋問したところ、まぁ予想通りではあったのだけど、ドン・ボッタクーレがこの町を奪おうと襲ってきたんだという事を掴んだわ。」
(大半はリズに焼かれたやつたちだろうけどご愁傷様)
「それだけ?」
「あと、向こうの指示を出していた魔族をエルフィとエルミナで倒した後、うろついていた強化個体の魔獣にやられてしまったそうよ」
(あの二人にやられて、さらに魔獣にやられるとか踏んだり蹴ったりだなそいつ)
「それで、あなたの町を襲おうとした報復はしておいたわ」
「別に俺の町じゃないけどね」
––ドン・ボッタクーレ邸
「くそ、何者だあいつらは!ジャコとヴァルケルはどこへ行った!呼んでこい」
…その後
「ドン様、呼んできました」
ドン・ボッタクーレの部下がヴァルケルを連れてきた。
「ジャコはどうしたんだ」
「あいつは寝室で黒い服を着た暗殺者もどき共に怯えて震えていたぞ」
ヴァルケルがドン・ボッタクーレに言った。
「ふん!臆病者が!ヴァルケル、ワシはお前を買っている。もちろん、ここの護衛の代金以外に報酬を出そう。あいつらに目にものを見せてやってくれ」
「それなんだが、今まで世話になって悪いんだが断らせてくれ。あいつら一人一人がとんでもなく強い。俺たちではとても戦力が足りていない」
「お前もとんだ臆病者だな」
(くっ、何も知らねえやつが…)
ヴァルケルは不服そうだったが何も言わず部屋を出て行った。
「となるとまた魔族どもの力を使うしかないか…」
––––冥府十王円卓の間
「こうも立て続けに失敗を繰り返すとは…少しやり方を考えねばなるまい」
グラディウスが言った。
「ドン・ボッタクーレからまた黒の軍団を屠るため手を貸せと言ってきている」
ヴァルゼオンがグラディウスに言った。
「ならお前が手を貸せばいいではないか」
「アストレアがまだ目覚めない。今回はアストレアの側についていてやりたい。少し、考えたい事もある。それでだが、ドンは人間や他の種族たちの魔力を測る方法を知っているようだった。あいつから方法を聞き出すといい」
「お前も今回は使いものにならないか…俺がドン・ボッタクーレの話を聞こうではないか」
…その後
ドン・ボッタクーレが魔族に連れられ冥府十王円卓の間に姿を表した。
「お前たちは魔力の大きさが測れるそうではないか。どのようにして測っているのだ」
グラディウスがドン・ボッタクーレに問う。
「はい、グラディウス様。私どもでは魔力の量などを測れる装置が多くはないのですが各地にございます。私どものいる町にもありリベルタ中央魔導学院にございます」
「それで、どうしろというのだ?」
「あの学院には金で言う事を聞くような者もおりまして、グラディウス様の所から潜伏させる事も容易いかと存じます。そこで魔力の量の多い者を探して頂ければよろしいかと…その際、リベルタ、ユノベルで現れた、黒の軍団が必ずや邪魔をしてくるでしょう。そいつらを消して頂きたい」
「そうだな、こちらも失敗が続き時間をかけ調査をしなければと考えていたところだ。学院に潜伏させ調査に加え、魔力の量の多い者を探すというのにもちょうど良いかも知れん。ドンよ、早速手配しろ!」
「かしこまりました、グラディウス様」
(見ているがいい、こいつら魔族共を利用して必ず報復してやるぞ、がっはっはっはー!)
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