ユノベル襲撃
主様の町に襲撃がありました。
––––リベルタ国
ドン・ボッタクーレ邸
「なぜだ、なぜこんなに売上が落ちとる、一体どうなっとるんだ!!」
ドン・ボッタクーレが部下たちにわめき散らす
「どうやら新しくユノベルにできた商店に流れてしまっているようです、温泉施設もできてからリベルタの客は向こうに行っちまいます」
部下の一人が言った。
「ユノベルにもうちの店はあるだろうが!なぜこうも売上が落ちるんだ!」
ドンの語気は強いままだ。
「それが、うちの武器、防具が粗悪品だという噂が立ってしまっていてほとんどの客が新しくできた商店で買うんだとか」
「だったらそいつらの真似をして向こうより価格を下げて客を奪い返せ!」
「…それが…うちでも同等以上の物が作れないか試したんですけど…同等以上どころか同じ品質の物すら作れませんでした。リベルタとユノベルにいたドワーフたちが相手の商会に引き抜かれ、うちの作業員だけではあの品質の物を作るのはとても無理です」
「だったらドワーフたちを引き抜き返してこんかい!このボケどもが!」
「すでにドワーフたちに接触し引き抜きを試みましたが、返答は『二度とお前らのところはごめんだ』と一蹴されました」
「だったら力ずくで奪ってこい!全てをだ!いや、もういい!それをこっちで手配する」
––––
とある地下深く一室。
円卓には冥府十王。
「まだまだ足らぬ!もっとだ、もっと強く魔力を持つ者を集めろ!」
この場を仕切っていたグラディウスが言う。
「次は俺がやってやろう」
冥府十王の一人、ヴァルゼオンが言った。
「まかせて大丈夫なのか?」
「あぁ、人間を利用して魔力の高い者を見つけさせる」
「そうか、期待していいんだな?」
––––
「ヴァルゼオン様、きっとうまく行くでしょう。その時は私をもっと愛してください」
ヴァルゼオンの側近アストレアが言った。
「あぁ、間違いなく上手く行く。お前が協力してくれるんだからな。それに…」
ヴァルゼオンはアストレアに口づけをする。
「そうでなくても俺はおまえを愛している」
「あぁ。ありがとうございます、ヴァルゼオン様」
「まずアストレア、魔族の軍勢だけで十分だと思うが、俺に話を持ちかけてきたドン・ボッタクーレが金で雇った冒険者くずれやゴロツキ、人間のクズどもをよこすそうだ。そいつらを率いてユノベルを襲い侵略しろ。その後、俺が現れお前たちを倒したように見せかけ、そして英雄の誕生だ。またこのような事がないよう俺がこの町を守ってやろうと言って町に住む者たちを引き込めばいいだけの話だ」
「そのようなまわりくどい事をしなければならないのですか?」
「ああ、俺たちはどいつが魔力の強い者を見分けられない。一人一人探すわけにもいかない。そこでドン・ボッタクーレからユノベルの侵略に協力すれば奴隷たちを調べる際に強い魔力を持つ者を横流しするという事だ、せいぜい利用させてもおうじゃないか」
––その夜
ユノベルにて。
「ユノベルを目指して進行してくる軍隊がいます」
ミリエルが言う。
「規模はどのくらいでどんな軍隊?」
エフィリアがミリエルに聞いた。
「アビス・ローゼスによれば、冒険者やゴロツキに加えて魔族が混じっており、その数約1000程との事です」
「どこかの国が攻めてきたっていう雰囲気じゃないわね。おそらく、うちの商会に客を取られた商人が逆恨みでこの町を力ずくで奪おうっていうところかしら」
エフィリアが言う。
「寝静まっている真夜中を狙って来ているようです。町から光など見えないようにカモフラージュと被害が及ばないように結界を張ります」
ミリエルがエフィリアに言った。
「えぇ、セフィラの弓とリズの魔法で片付けてもらいましょうか。ルピナもリズについてサポート。あとはエルフィ、エルミナ行けるかしら」
「主様の町を奪おうなんてなんてバカな事考えるんだろうねエルミナ」
「ほんと、そんなやつら私たちで思い知らしてあげるわ」
エルフィとエルミナが言った。
「さぁ、お仕置きの時間だね!」
リズが言った。
「「「お仕置きの時間だっ!」」」
––––
「こちらの結界は完璧です」
ミリエルが言う。
「さぁ先制攻撃よセフィラ!」
ルピナがセフィラに指示を飛ばす。
「了解!––––行け星雨!」
深夜の夜空に眩しい光の矢が眩く光り1000の軍勢に降りそそぐ。
アストレアは魔族と人間たちを束ねユノベルに進行していた。
(これだけの軍勢、失敗するはずがない)
そう思っていた。
そして、空が光った。
次の瞬間、大量の光の矢が軍勢を射抜いて行く。
「––敵襲!!各自攻撃に備えよ!」
(何?どこから攻撃してきた?私たちの進軍がバレてた?)
完全にアストレアは想定外の出来事に陥っていた。
「炙り出してやるわ!魔法が使える者たち!町に向かって魔法を放て!」
(町を攻撃すれば出てくるしかなくなるでしょう)
魔族、魔法使いたちが呪文を唱え、いくつもの魔法陣が現れる。
エルフィがアストレアの前に現れた。
「あなたは何者なのかしら?」
アストレアがエルフィに問いかける。
「私たちは主様のために働く黒薔薇の軍団、黒十華。主様の町を攻撃しようなんてあなたたちもバカな事したわね、ふふ」
「私たちって事はあなた以外にもいるって事かしら?」
「そう言う事じゃない?とりあえずあなたの相手は私って事でいいかな」
「これだけの軍勢がいるのよ?ちょっと舐めすぎじゃないかしら?」
「ミリエル!攻撃魔法強化!!魔力強化!!」
リズが叫ぶ。
「わかってます!さぁ行きますよ!」
ミリエルがリズにバフをかける。
「きたきたきたー!!」
「あなたは暴走させないようにしっかり集中して!あと、全員始末しちゃダメよ?数人残しなさい。誰に雇われたのか聞き出さないといけないから!」
「え゛え゛え゛ーめちゃくちゃ集中しなくちゃいけないじゃない!」
「やりなさい」
ルピナがリズに言う。
「しゃー!やったらぁぁぁぁー!!」
リズが空中に浮き杖を天にかざす。
そして、呪文を唱え魔法陣が現れた。
急激に大量の魔力が収束し始める。
「あいつらの唱えてる魔法ごと飲み込んでやって!」
ミリエルが言った。
ガキーン!
アストレアとエルフィの双剣が火花を散らしぶつかり合う。
ガキーン!
ガキーン!
アストレアとエルフィの剣が交差する。
咄嗟にエルフィの体が揺れた。
アストレアの腕に痛みが走る。
(はっ何で私が傷つけられてるの?)
エルフィの体が揺れる。
今度は反対の腕に痛みが走る。
(どうなってるの?)
「わからないの?あなた、さっき自分で他にもいるって事っていってたじゃない。次で終わり、さよなら」
エルフィがアストレアに言って体を揺らす。
その瞬間、
「いっけー!!––––終滅炎獄!!!」
––––ドッカーン!!!
激しい爆風が舞い上がる。
超巨大なマグマ球がアストレアの率いていた軍勢に襲いかかる。
魔族、ゴロツキなどが瞬時に蒸発、近くにいる者たちもなすすべなく体が溶けてゆく。
アストレアの軍勢は数名を残し壊滅状態となった。
「あ゛あ゛ー神経すり減ったわー」
リズが言う。
「なんていうタイミングで撃つのよー!」
エルフィがリズに文句を言った。
しかし、
爆風の中、さすがエルミナだった。
アストレアの腹部に魔力弾が命中していた。
「私が何もできずにここで終わるの?あぁ、ヴァルゼオン様申し訳ありません。どうかお許しを…ごふっ」
アストレアは膝をつき、ゆっくり前に倒れ込んだ。
忙しくなかなか更新できませんでしたがまた頑張って更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします!




